自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

ホメオスタシス(自然治癒力)と愛情の関係

2024年07月03日 | 自然治癒力・生命力・発揮する考え方

 池見博士と自然治癒力との接点(2)2024年7月3日
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6月30日から数回にわたり、池見博士の診療の指針と
自然治癒力セラピーの健康へのアプローチとの、
接点を考えている

前置き)
池見博士は、私の知る限り、最も尊敬する医師である。

自分の最期は、(一般的な西洋医術では自分は納得できないし)、
(解剖に回されたり警察に引き渡されたりする手間がない
ように)(さらに、家族への説得のために)心身医療に
特化した池見博士のような医師にご協力いただいて、
自宅で静かに息をひきとれたら理想的だ思っている。

心療内科を日本で設立された博士は、すでに天国
へ旅立たれた。

心療内科は、その後、各病院で増設されていったようだ。

創立者の池見博士のような、極めて、スピリチュアル的
(あえて、この言葉を使うが)で、心理学的な奥深さと
医科的専門知識を兼ね備えた、達人を、私は知らない。

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前回【6/30】、乳幼児期に、親との触れ合い体験が
少なく育った子供たちが成長したとき、成長したとき、
神経症や、うつ病になるケースが多々あると書いた。

それを検証する実験がサルを使って行われた:

それは、生まれてから6か月間、親から隔離されていた
子ザをを妊娠させ、子供を産ませた。

すると、親の自覚が芽生えるどころか、生まれた自分の
子供を放り投げたり、自分に近寄せまいとする傾向が
多くみられた。

そうして育てられたサルが親になったとき、子ザルを
かみ殺した母猿もでてきた。

つまり、生まれてから半年間、親から隔離された弊害が
こうした行動につながっている可能性が示されたのだ。

こうした幼少期の’触れ合い’と 成長してからの’種族保存の
反応’の間には、深い関係があると、池見博士は述べている。

“疎外され、孤独な環境で育った人間の母親たちにも、
近頃はこれと似たような、悲しむべき母親像が
みられるようである。”

いわゆる、近年の赤子虐待や、捨て子や、養育放棄をする母親
の増加をさしている

産後休暇を取った後、社会復帰する仕事を持った女性が
増えたこと、祖父母との同居世帯は減り、核家族となり、
乳幼児たちの、肉親との十分な触れ合いの減少、などが
そうした、虐待の社会的背景と関係がないとは、言えない。

なぜなら、そうして、育った幼児が 成長して、自分が親に
なったときに、子供に愛情を感じられず、虐待するという
ケースも少なくないからだ。

乳幼児の時のスキンシップの大切さ、集団の中で与えられる
刺激は、”自然治癒力”の土台になるとも、博士は言う。

博士によれば、誰にでもC”と名付けられた、子供の心があり、
その特徴は、生まれながら本能的な生命活動に関係している
という。

”C(child)子供の心~・本能的な欲求や、感情、生命活動。
二つの基本的原理、ホメオスターシス*と、’ふれあい’が特徴”

上にあるように、その特徴として、ホメオスターシスの働き’を、
博士は上げている。これが、自然治癒力の基礎となると、次
のように博士はいう。

“いわゆる、自然治癒力 ということもこのような、
ホメオスターシスの営みが基本になって発揮される。
それは、造化の妙であり、驚嘆させられる” 


言い換えれば、生まれてからの乳幼児期の’触れ合い”は、
親からの愛情表現の一つとして肌を通じて、Cの心に
キャッチされ、ホメオスタシスを強化させる。
それが、自然治癒力の大切な、発動要因となっていると
博士は言う。

ホメオスターシスとは、人体が常に一定の安定した状態を
保つための身体機能に備わった、生理的自然能力をさす。

たとえば、外的環境の変化に、体温を常に36度から37度に
保つていたり、自律神経やホルモン分泌の働きなど、
自然と、身体の様々な器官や生理機能がそれぞれの働きを
完璧にこなして、生理機能の統一が図られているのも
ホメオスタシスのおかげである。
 
Cの心は原始的なこうした能力を、司る。

自然治癒力と ホメオスタシスとは、編み込んだ糸のように
かかわりあっていて、根本的には、幼児期に人が自然に
与えられてきた、あたたかな触れ合いという”愛情表現”と、
無関係ではないということかもしれない。

それは、人は、常に、”触れ合い”という乳児期に受けた、
原始的な愛の基盤を 忘れることなく、成長の過程でも、
大人になっても、”愛情のぬくもり”は、生きるために、
不可欠だといえるだろう。

’生きるために不可欠’ということは、私たちの身体を、正常に
健全に機能させる、ホメオスタシス、もしくは、自然治癒力
という能力のために、”愛”の働きが、常に、大きな推進力の
役目を 担っていることは、確かなようだ。



続く・・・


参考)
”セルフ・コントロールの医学” 池見酉次郎s・57年9月1日 日本放送出版協会
”ストレス健康法” S.50 池見酉次郎 ㈱潮文社
”セルフコントロールー交流分析の実際” 池見酉次郎 杉田峰康 2007年創元社
”続心療内科” 池見酉次郎 1973年 中央公論社
”心療内科” 池見酉次郎 1963年 中央公論社



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