自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

心と喘息

2020年06月29日 | 自然治癒力・生命力・発揮する考え方

アレルギー状態を作る背景        2020・6/29

**********************************************************************************

前書き~アートマセラピーを開始して、最も比率的に多かったのが

喘息の方たちだった。

何年間も発作が起こるので横になれず、夜間座って寝ていらした方

もいた。

今では、お元気になられ、殆どの方たちは薬が不要になったり、

ごく少量の錠剤をとられたり、改善がみられた。

というのも、喘息はある意味、とても、心理的背景、心情的要因が

左右する病の一つだからだろう。

先回からの続きとして、心療内科の池見博士の臨床的実例をあげて、

その”病は気から”の意味を考えてみたい。

 

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

 

④ 喘息

喘息(ぜんそく)は一般に気管支ぜんそくをさしている。

症状 発作的に喉がゼーゼー、ヒューヒューという音とともに息苦しく

なり、寝ている姿勢が取れないほどひどい場合、前かがみであえぐ

状態になる。

何らかの理由で気管支が過敏になっていて、ちょっとした刺激にも気管支

が反応すると考られる。 

そのきっかけは、家のほこりや花粉、カビの胞子などへのアレルギー反応。 

他には気管支炎や風邪で起きる気管の炎症、亜硫酸ガスや冷たい空気などの

科学的、物理的刺激、環境条件の変化や疲労、信頼抵抗力の低下など

さまざまである。

 

《アレルギー反応について ≫

抗原(アレルギーを引き起こす物質)と抗体(体の中のそれに対抗する物質)

との闘いにより、蕁麻疹(じんましん)などの症状が起きること。

その闘いの中、生体にとって有害な化学物質が大量に体内にできてくると、

それを体外に排出しようとして、咳の発作、皮膚上の発疹、吐き気、下痢、

などの反応が出てくる。

その闘い時において、気管支を中心に行われるので、喘息の発作になり、

皮膚を中心に起きれば蕁麻疹になると考えられている。 

アレルギー反応は言い換えれば、自然治癒力で生体を守るための経過

ともいえる。

 

《原因》

血液中の免疫グロプリンEの濃度の測定によると、アレルギーを起こし

やすい人には正常人の平均値より高濃度の免疫グロプリンEが検出され、

原因の一因と考えられている。

つまり、抗体ができやすいため、それが細胞の表面について、その抗体

の対象となる抗原が入ってくると、結びつき、抗原抗体反応がおこり、

その結果としてその細胞からヒスタミンなどのアレルギー症状が

引き起こる化学物質が生成される。

それが、気管支に働きかけると筋肉が収縮し、粘液の分泌が増えるため、

気管支の内腔がせまくなり、呼吸困難が起きるという仕組みになっている。

 

《病は気から~の観点から》

池見博士の仲間である、中川俊二講師によれば、アレルギー反応の結果

で起きる同じ症状が心理的ストレスからおこる可能性があるという

検証が行われた。

つまり、喘息発作はアレルギー素質を持っているからだけではなく、

ストレスの結果で引き起こされるということだ。

池見博士は面白い実例を(少々古い話になるが)を挙げているので

ご紹介する。

 

“19世紀のフランスの医師トルソーは‘喘息’もちで 馬小屋に出かける

と、よく発作を起こしていました。

彼はかねてから、自分が雇っている御者が馬の絵さを横流ししている

のではないかと疑っていたのですが、ある日、馬小屋に出かけたとき、

それが本当であったことを目撃して激しい怒りに襲われました。 

 

しかし、その怒りを御者にぶつけないで抑えてしまったのです。

しばらくすると、その怒りは収まったのですが、いつになく激しい咳と

呼吸困難の発作がおこってきました。

そこで彼はどうしてそんな激しい発作が起こったかを考えて、次の事

にハタと思い当たりました。

すなわちいつもと違う点は、御者に対して激しい怒りを覚えながら、

それを押さえこんでしまったと言うことです。“(引用終)

 

つまり、アレルギー反応によっておこる発作でも心理的ストレスの

影響を受けてよりひどい症状を起こすようになりうることを示唆する

ものといえる、~と池見博士は述べている。

 

しかし、形而上的な病の原因からみたら、アレルギー反応というのは、

おおむね、二つの理由からもたらされると考えられている。  

一つ目は、この例のように、激しい嫌悪や怒りの感情を抑え込むこと、 

二つ目は、完全主義から自分自身を許せないという自分への反感の高まり 

や 何かに対して激しい排斥の念を持ち、それを否定する自分がいる

場合、などだ。

共通して言えることは、おおむね、自分の強いマイナス感情を“悪いもの”

と認め、それを押さえこもうとする反射的反応が、アレルギー反応といえる。

 

加えて池見博士の所見によれば、喘息は“一人っ子や末っ子で母親への依存心

の強い人に起こりやすい”と述べている。

 

《実際の患者の例》

池見博士が受け持った実際の患者で、このような心理面の改善から喘息発作の

軽減につながった例がいくつかあげられている。

 

第一例)

34歳男性、5歳に肺炎を患い喘息発作が出始める。

大人になるに従い発作は収まっていたが、32歳に風邪をひいたのが

きっかけで再び発作が起こり始め、なかなかおさまらなかった。

肺機能は正常。気管支炎との合併症はなし。アレルゲンの皮内テストでは、

家のほこり、ブタクサの花粉に陽性反応。 

血液中のグロプリンEの濃度は低い。

 

(心理的要因因子)

*一人っ子 父親は生まれる前に病死、母親の手で育てられた

*幼稚園に行き始めてから発病

*中学に入学後、新聞配達しながら運動部にはいり、体を鍛えるように

なってから発作がみられなくなった

*同時にそのころから母親に対する気持ちに変化がみられた。

*高校時代は発作はなかったが対人恐怖症に悩んでいた

 

(治療法)

腹式呼吸で自律訓練法/

人間関係の感情のもつれや社会適応上で問題点が何があり、その解決法

を探るため心理療法を併用

 

(効果)

しまいこんでいた本人の気持ちが医師にオープンにされ、自律訓練法

も上達したため、くつろぎが得られるようになり、発作は軽くなった。 

さらに、自分の発作がどんな状況で、どんな気持ちになっている

ときに起こりやすいか、そのときはどう対処したらいいかということを

客観的に見ることができ、それを実行にうつしたところ、全く、発作が

おこらならない状態になった。

 

(焦点)

ここで池見博士が分析した、この患者の喘息発作の背景の心因は以下

のようなことであった。

* 発作がよく起こっていた幼稚園時代から小学校時代にかけては、

彼の気持ちをよく聞いてくれず、自分の考えだけで押さえつけようとする

母親に対して、不満や怒りを覚えながら、一方では優しい母親像を求め、

愛情を追い求め続けるという矛盾した精神状況下で、彼自身の中に

葛藤が生まれた。 

 

*しかし、中学生になり、女手一つで自分を育ててくれている母親に

優しい愛情を求める方が無理だと気がつくと、不満が薄れ、同時に発作が

起こらなくなった。

*発作が再び起こり始めた32歳の時は、会社の中でかつて、彼が母親に

いだいていたような期待劇が起きていた。

 

つまり、転勤が決まったものの、その勤務先は仕事への意欲を失っている

社員が多く、その雰囲気を改善してほしいと上司に期待する一方、何も

対応しようとしない上司に苛立ちを覚える、という日々の連続だった。 

この感情がかつて自分が中学生になるまで、母親に抱いていた葛藤と

同質なものであることに気がつくことで、彼は自分なりに新しい職場に

順応していこうという前向きな考え方に変った。

 

第二例は次回に続く・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

*引用箇所: ”ストレス健康法” 

池見酉次郎著  昭和50年発行 潮文社

 

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過敏性大腸 と 心の関係

2020年06月22日 | 自然治癒力・生命力・発揮する考え方

絶食の効用           2020/6/22

*********************************************************

先回からの続きです~~~~

 

② 過敏性大腸症候群(過敏性大腸)

 

症状) 便秘、下痢、などに見られる便通異常で腹痛やガス症状

慢性大腸炎や習慣性便秘と診断された場合でも、過敏性大腸にあたる場合

がある。

コロコロした兎のうんち状や細い鉛筆状の便であったり、下痢では軟便

や水様便など、さらに腹痛としてただの不快感から痙攣を伴う痛みなど

さまざま。

 

* 病は気から~の見地から

 

欧米では19世紀終わりから心身相関の代表的疾患とされ、日本では

昭和30年ごろにその相関性が認識され始めた。

都会で働く頭脳労働者に多く見られるため現代文明病の一つともいわれ、

10歳から30歳代の青年期壮年期に多い。

心身相関性の一つの例として、児童の登校拒否の際に見られる症状の中で、

この過敏性大腸が多い。

 

* 原因

腸管の自律神経の体質的な過敏性とともに、食事や精神的な原因が大きい。

 

* 治療法

心理療法、食餌療法、薬物療法を組み合わせて行われるのが一般的

薬物に関しては、この病の患者によく見られる心因、つまり、不安、

イライラ、憂鬱などを和らげるために精神安定剤や抗鬱剤が通常用いられる。

 

(スダ注:心療内科的には池見博士は、食餌療法にせよ、薬物療法にせよ、

心理療法的な取扱いが基本となるという。

手順としては、十分な検査を行い、腸に癌などの病気がないことを確認した

うえで、病状の不安を患者から取り除くこと、病気の性質を患者に理解させ、

心身相関性の高いところから、症状を悪化させるようなマイナスの感情の

想起を避けてもらい、病状は自分でコントロールできるという意識を持たせる。)

 

心理療法を可能とさせるには、医師、臨床心理士、などの従事者が心身相関性

をよく理解したうえで、患者に交流分析によって、自らの病状の成り立ちと

感情生活のなかでの問題点を見直させ、解決できるように協力していく。

 

池見博士は頑固な下痢型過敏性大腸の患者の優れた効果ある治療法として

10日間の絶食療法を試みている。

 

* 絶食療法の利点

食餌をストップすることで、腸管の安静や休息をはかり、自我の統合能力

を高める効果があると池見博士は言う。

人には大きく分けて三つの心の特質があり、P A Cの三つだ。

 

P は理想主義的人道主義的な親の心、

A は個人主義的、合理主義的な大人の心、

C は本能的で享楽主義的な子供の心。 

 

池見博士によれば、人間の本当の姿は、PACの三つがバランスよく取れて

いるときに発揮できるという。

言い換えれば、“内心の声”を聴くことができるようになるという。

内心の声は、自分の純化された欲求を伝える。 

純化された欲求、それは同じ欲求という字を使っていても、名誉欲、

権力欲などの追求とは程遠い、

健康を保つためには必用な欲求をさす。

求めて害をもたらすのではなく、求めて健康をもたらす、心の声だ。

話を戻すと、絶食療法により、この自我の統合力、つまりPACのバランス

が回復されることが池見博士の多くの実証例の中で証明されているようだ。

 

③ 慢性膵炎

*症状

* 症状 上腹部の痛み、背中の痛み、胃付近の膨満感、下痢、体重減少など

* 膵臓の位置は胃の後ろ側の背中に近い箇所で上腹部の一番奥ある。

* 慢性胃炎とか胃下垂という診断されても、慢性膵炎である場合が

あるほど、紛らわしい

 

*原因

胆石症、胆のう炎が原因となる場合、アルコールの摂取過多などが理由の

一つと考えられる

 

*病は気から-の観点から

家族とのトラブルから 納税申告で心痛を経験したとき、登校拒否の子供

の対応に苦慮した親、などの精神的ストレスは大きい。

憂鬱状態が続くと、膵炎症状がみられる場合もある。池見博士の統計調査では、

膵炎の患者に多い性質は、几帳面、徹底的、頑張りすぎ、という完全主義者に

みられ、心身にストレスを与えていると考えられる

 

*治療方法

食餌療法と生活習慣の改善

アルコールや脂肪を多く含む食品の制限

慢性膵炎患者にみられる腹部傷みは、心身医学的配慮が必要であると

される。

池見博士によれば、“我々が痛みを感ずる場合には、それが単に痛みの感覚

として知覚されるというだけではなく、同時に不快な苦しみ、悩みといった、

感情的な要素を伴いやすい”という。

 

これは、痛みが慢性であるということに着目すれば、“その経過中に二次的

に生ずる病気への不安やとらわれの傾向、抑うつ状態、疾病逃避傾向

(病気の中に逃げ込むことにより、現実の寂しさを免れようとする傾向)

なども加わって、膵炎による本来の痛みから拡大され修飾されることも

しばしばです。”と池見博士は、コメントしているが、興味深い。

 

疾病逃避傾向(しっぺいとうひけいこう)というのはたぶん膵炎だけに

限ったものではないのだろう。 

病気になることで、そこから現実を逃避するという大きな意味で理解

すれば、病人の多くが、この傾向を多かれ少なかれ抱えているのではないか

という気がする。

 

具体的には、病気になることで現実(学校、会社、家庭の問題)に向き

合わずにすむという心理だ。

或いは、愛情が欲しい患者は病気を発症することで、面倒をみてもらえる、

愛情をかけてもらえるという欲求を満たせる。

 

或いは、自己嫌悪に陥った人が自己処罰として、自分を潜在意識の力で

病気にさせるということも可能だ。

こうしたいろいろな疾病逃避傾向は、”甘え”の心にもどこか通じて

いるのだろう。

そしてまた、今までみてきたように、私たちの奥深い深層心理、潜在

意識がこうした背景で病気を肉体に顕しているという例は決して少なく

ないし、むしろ、そちらの方が私は多いのだと感じている。

次回は 喘息と心 の関係 についてみてみたい。

 

 

*引用箇所: ”ストレス健康法” 池見酉次郎著  

昭和50年発行 潮文社

 

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病は気から~胃潰瘍への所見

2020年06月16日 | 自然治癒力・生命力・発揮する考え方

潰瘍性格とは?池見酉次郎博士の分析から                               

2020/6月16日

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今まで超越意識について考えてきたので、今回から数回にわたり、

池見博士の所見とともに、日本人に一番多いとされる病の、’病は気から’ 

の要素をご紹介させていただきたい。

消化器系 循環器系 内分泌代謝系など、さまざまな領域から少しずつ、

数回にわたり、それをご紹介させて戴きたいと思う。 

 

今日は胃腸病。

以前より内田医師の生命医療などの項目でも、胃腸ほど、ストレスと

大きくかかわり、感情次第でよくも悪くもなる’ものだということを

お話しさせていただいている。

胃腸、つまり、消化器系にかかわる言葉も、それに付随して、

いくつか見出せる。 

たとえば、’はらわたが煮えくり返る’ほど、腹立たしい、苦渋の決断を

下した時に”断腸の思い”とか、’おかしくて”臍でお湯をわかしそう”とか、

外国でも’大腸は心の鏡である”という言い回しがある。

 

池見博士は次の実例を示して、諺の言い回し通り、胃腸は人の感情を

即座に映し出して影響を受けやすい臓器として位置づけている。

 

引用する:

米国のウォルフという医学書にはトムという有名な人物を使って、

トムが日常生活の中で体験するさまざまな感情状態が、胃の連動、

分泌、血液などの働きに、以下に深くかかわっているかを詳しく

研究して報告している。

 

トムは幼いころに、誤って煮えたぎった汁物を飲んだために、食道に

火傷をし、食道が狭くなり、口から食物を飲め込めなくなりました。

そこで、彼の腹壁から胃の中に通じる穴をあけて、そこから食物を

入れるような手術が行われました。

そのため、トムの胃粘膜の状態は、外部からたやすく観察することが

できました。

このようにして、トムが恐怖、悲しみ、絶望などの状態に陥ったときには、

胃の分泌や運動が低下し胃粘膜の血流は減少して陰決状となり、反対に、

不安、怒り、敵意、心理的な葛藤などの状態のもとでは、胃の分泌運動が

高まり、胃粘膜の血流は増加して充血が認められたということです。

 

しかも、このような胃機能の亢進が長く続くと、胃の粘膜は傷つきやすく

なり、しばしば、出血、びらん(ただれ)などの変化にまで発展したと

報告されています。 (引用終わり)

 

胃は人の”意”を反映しているようだ。

池見博士は心療内科の創設者であり、ことのほか、胃腸の病には、

心身の両面から症状を分析していくことが治療の大切な要素だと

考えている。 

 

感情と密接に関係している胃腸の病気には 胃十二指腸潰瘍、慢性胃炎、

胃下垂症、慢性の便秘や下痢などがある。

池見博士の所見をさらに具体邸にご紹介させていただきたい。

 

① 胃・十二指腸潰瘍

自覚症状) ほとんどない場合もある。一般には上腹部の痛み、

背中の痛み、胸やけ、酸っぱいゲップがあがる。

重症の場合は、吐血、下血(ベンに血が混ざる)、

 

原因) 潰瘍の発生を即す攻撃因子が、それを防ごうとする防護因子

に勝った場合。 

具体的には胃の粘膜から分泌される塩酸やペプシン(タンパク質を分解する

酵素)は攻撃因子の代表格で、それが胃の内面を被う、粘膜や粘液が持つ

抵抗性、血液などの防護因子とのバランスをくずすほど、強い力を持った場合。

 

病は気から~に関して) 精神的ストレス は酸やペプシンの分泌を高める

ことがわかっている。 

粘膜の血流を逆に弱めることもあり、防護因子の低下を起こして、潰瘍を

生じさせる要因となる。

 

具体例) 潰瘍の患者の傾向として一般的には、野心的、行動的、

活動的、仕事熱心、仕事にかりたてられている。

潰瘍患者に共通の感情問題としては、独立と依存の葛藤。 

 

どういうことかといえば、無意識の領域では、他人に依存したい

構われたい、愛されたいという欲求があるが、それを表面化させることが

できず、代わりに、独立的、活動的に振る舞うという傾向がある。

 

治療方法) 入院して心身の安静を計る。 

池見博士のデータでは外来で通院治療をした場合より、その方が

治療結果が良いという。 

その理由には、入院によって職場や家族の中で葛藤があった場合、

日常生活から切り離されストレスから解放されやすいこと、安心感が

与えられ、生活が規則正しくなるからとされる。

 

池見博士の所見では、

”もともと潰瘍は自然に治る性質の強いものであって、このような

自然治癒の傾向が入院という状況のもとで、最も強く発揮されると

考えられます”と述べている。

 

注意点) ただ、再発をきたしやすい。 内科的な治療で治癒した

潰瘍は数年以内に半数以上の人が再発するといわれるほど。 

また、一部の潰瘍患者は難治性の潰瘍に移行する場合もある。

その場合は年齢、全身の健康状態、潰瘍の大きさ、深さ、形、

衆院の粘膜の状況などの関連が、かかわっているが、病は気から~

の観点でいえば、”緊張しやすい過敏な性格傾向、日常生活でのストレス、

職場や家庭での心労などが深くかかわっている”と池見博士は述べている。

 

次回は過敏性大腸について。

 

 

*引用箇所: ”ストレス健康法” 池見酉次郎著  

昭和50年発行 潮文社

 

 

 

 

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病になる禅宗坊主は、インチキ坊主だ。~山田無文師

2020年06月06日 | 自然治癒力・生命力・発揮する考え方


貝原益軒の養生の基本     2020 6月6日

****************************************************

 理屈 理攻めの堅い文章には少し、飽き飽きしてきたところに、

実は 今日、賢者たちの言葉を読んでスカッとした次第だ。

それらの言葉をご紹介させていただきたい。

 

① 哲学者 デカルトの言葉 ”人間の純粋な知性が発達したら30歳以後は

医者はいらなくなる。”

 

当時デカルトの生きていた時代の30歳といえば、現代の何歳ぐらいの

感覚なのだろうか?

当時の平均寿命を考えれば、現代の働き盛りである、40~50歳ぐらい

に相当するのだろうか。。

彼のこの格言の中で、人間の純粋な知性 というのが要(かなめ)だ。 

どういう意味だろう?

 

わたしなりの理解としては、純粋な本来の人間本性のもつ”神性からくる

智慧”を指しているのだろうと思う。

その智慧に覚醒したら、”不完全で不調和な自分”という姿が消える。 

逆に言えば、完全で調和に満ちた自分を意識したとき、どのようにしたら

その姿に近づくことができるか~という智慧が出てくるだろう。

その智慧にしたがって生活を送れば、不完全な姿は消えて行く。

たとえば、その一つが病であろう。

 

当時の30歳が一人前の働き盛りを意味していたら、それ以後、この

目覚めた智慧によって、医師が要らなくなると言うことは、物質的な繁栄を

求めながらも、心身が調和されて、心の不完全さ、悩みや恐れ、イナスの

感情が原因で発生する病も発症しないだろうという予言かもしれない。

 

②山田無文老師が心療内科創設者池見酉次郎博士と対談した中の言葉

”禅宗の坊主で病気をするヤツはインチキだ”

 

これに関して 直にこの言葉を山田無文師から聞いた池見博士は著書(*1)

で次のようにコメントしている。

 

”禅では、外の世界がちゃんと見えているように、自己を訓練することが

根本になっており、これを内視といいます。

昔の禅宗の高僧には、病気で死なずに、自然死の人が多かったようです。 

座禅をしたままで死んだり、あるいは 立ったままで亡くなるという、

大往生の人がいます。 

こういう高僧の場合、純化された内心の声がその澄んだ心によって、はっきり

とらえられたものと思われます。 

 

たとえば、白隠禅師などは、’あと、3日すれば、死ぬ’と予告して、その通りに

亡くなっています。

これも内観の功徳ではないでしょうか。”(引用終わり)

 

ここで山田無文師は、するどい切り口で語ってる。 

つまり、禅宗のお坊さんは、本物だったら、病気はしないという。

修行によって、自分の純粋なる神性(仏性)を内観し続けてきている以上、

そこに不完全な心の曇りの映しは、身体に反映されるはずがないのだと・・・。

同感である。

 

③貝原益軒は養生の基本には ”医者でない素人が自分の体のことについては

専門家になると”養生訓”の中で語っている。

 

*自分の体がいかに有機的なつながりを持ち、自然調整されているか、

*どんな条件で体調が不調になり、どんな改善策でまた、元気になれる

ということ、

*食事はどの程度が適切で、運動量はどうか?、

*ストレスをためると自分の体のどの部分に影響が出て来るか

*快眠・快便・快食するときの毎日のルーティーンや自分らしいペースとは?

*快・不快の感情がどのような時にわいてきて、心を暗くしたり明るくしたりするか

*どういう環境に自分を置いたら、心身にエネルギーが満ちることができるか?

 

などなど、自分しかわからない自分の心身のことは自分が一番良く知っている

はずだし、そのことは、”健康になるマニュアル本”にはを書いていないはずだ。

 

”自分の体との向き合い方”の専門家になることは、自主的な健康を求める

ためにまず、一番 大切なことだ思う。

人が心配するから、まわりがこう言うから、大事になるのが嫌だから式の

”長いものに巻かれろ”の健康法では本当の養生からは離れて行ってしまう

とも思う。

 

養生とはどういうことか?

医学的にいうのなら、自律神経が整い新しい皮質の興奮が和らぎ、古い

皮質の働きが活性化して、両者のバランスが安定化しアンバランスが回復

に向かうということのようだ。

 

たとえば、筋肉には力が抜けて、脳内の各部署での力のバランスもとれて、

心身の安定化につながっていく。

数値的には血圧が下がり、血中のコレストロ―ルの濃度は下がり、内臓の

働きも活性化し 身体的な不調な部分正常化してくる。

反対に、胸がしめつけられるような感じや 速脈、腹が張ったような感覚、

突然襲われる不安感、体の部位のどこかの筋肉がぴくぴくする感じ、考えに

まとまりがつかなくなり集中力がなくなる、つまり、安定した状態を保って

いることが、養生の良好状態だと言えるだろう。

 

西洋にも”心”の安定を重視した、自律訓練法の礎を築いた先駆者として

医師達がいる(*2)

彼のその訓練法の根拠の考え方は とてもシンプルだ。 

如何に、身体の自然治癒力を引き出すか~そのためにいかにリラックスした

状態を自分自身で創りだすか?”ということだという。

池見博士によると、この自律訓練法の原理をつぎのように言っている。

 

”人間の脳には心と体の両面に生じたいろいろなひずみを自動的に調整

する作用がある。(スダ注:自然治癒力と同義)

”コンピューターより精確な、いやそれよりもずっと複雑で微妙なこの働き

の発動を促し、患者自身が持っている自然治癒力や可能性が,一番発揮され

やすい条件をつくれるように指導すること”。(引用終わり)

 

そして最終的に、自律訓練法によって導き出されたリラックスの状態こそ、

心身アンバランスな緊張感から生じる体の症状を改善するキーであると、

唱えた。

そうしたリラックスな状況の中で、過去の痛手や欲求、攻撃心などが積み

重なって固まったストレスが、自然に発散され、体の各部位の凝り固まって

いた箇所がほぐれて、浄化され、だんだんとリラックスな状況が造られて、

自然治癒力によって健康体に戻っていくと結論づけている。

 

こうした方法はきちんとした指導のもとに行われて初めて成果がでる

ものだろう。

 

とりあえず、山田無文師がいう、病気にかからない本物の御坊様に少しでも

凡人であっても、近づくためには、1日5分でも、自分の内面と静かに向き合う

時間がもてて行けたら、養生の第一歩に踏み出したと言えそうな気がしてきた。

 

 

引用部分

*1~ストレス健康法  昭和50年 潮文社発行

*2~1932年に、ドイツの精神科医シュルツJ. H. Schultz

(1884―1970)によって創始された。 

方法としては、イメージを用いる場合、背景として

自律訓練法を用いるのは、①自律訓練法によって

得られる意識変性状態、

ルーテLuthe,W.の言う「脳の中心脳保安開放機構」を

利用しよ うとするものである

 

ブリタニカ国際大百科辞典によると、”心理療法,

行動療法の基礎技法。 1932年,J.H.シュルツによって

体系づけられた。

 

身体の力を抜いてリラックスすることで,精神安定

バランスをはかる治療法。

1日3回,リラックスした姿勢で,手足の重さを感じる (重量感) ,

手足のあたたかさを感じる (温感) ,楽にをする (呼吸調整)

などの練習を段階的に行う。

 

意識を集中させ,自己暗示をかけることで,心身の機能・状態を

自分でうまく調整できるようにする。自律神経失調症,習などの

治療をはじめ,健康人のストレス解消など幅広く用いられている。

 ~と、この方法を定義している。

 

 

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