自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

過敏性大腸 と 心の関係

2020年06月22日 | 自然治癒力・生命力・発揮する考え方

絶食の効用           2020/6/22

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先回からの続きです~~~~

 

② 過敏性大腸症候群(過敏性大腸)

 

症状) 便秘、下痢、などに見られる便通異常で腹痛やガス症状

慢性大腸炎や習慣性便秘と診断された場合でも、過敏性大腸にあたる場合

がある。

コロコロした兎のうんち状や細い鉛筆状の便であったり、下痢では軟便

や水様便など、さらに腹痛としてただの不快感から痙攣を伴う痛みなど

さまざま。

 

* 病は気から~の見地から

 

欧米では19世紀終わりから心身相関の代表的疾患とされ、日本では

昭和30年ごろにその相関性が認識され始めた。

都会で働く頭脳労働者に多く見られるため現代文明病の一つともいわれ、

10歳から30歳代の青年期壮年期に多い。

心身相関性の一つの例として、児童の登校拒否の際に見られる症状の中で、

この過敏性大腸が多い。

 

* 原因

腸管の自律神経の体質的な過敏性とともに、食事や精神的な原因が大きい。

 

* 治療法

心理療法、食餌療法、薬物療法を組み合わせて行われるのが一般的

薬物に関しては、この病の患者によく見られる心因、つまり、不安、

イライラ、憂鬱などを和らげるために精神安定剤や抗鬱剤が通常用いられる。

 

(スダ注:心療内科的には池見博士は、食餌療法にせよ、薬物療法にせよ、

心理療法的な取扱いが基本となるという。

手順としては、十分な検査を行い、腸に癌などの病気がないことを確認した

うえで、病状の不安を患者から取り除くこと、病気の性質を患者に理解させ、

心身相関性の高いところから、症状を悪化させるようなマイナスの感情の

想起を避けてもらい、病状は自分でコントロールできるという意識を持たせる。)

 

心理療法を可能とさせるには、医師、臨床心理士、などの従事者が心身相関性

をよく理解したうえで、患者に交流分析によって、自らの病状の成り立ちと

感情生活のなかでの問題点を見直させ、解決できるように協力していく。

 

池見博士は頑固な下痢型過敏性大腸の患者の優れた効果ある治療法として

10日間の絶食療法を試みている。

 

* 絶食療法の利点

食餌をストップすることで、腸管の安静や休息をはかり、自我の統合能力

を高める効果があると池見博士は言う。

人には大きく分けて三つの心の特質があり、P A Cの三つだ。

 

P は理想主義的人道主義的な親の心、

A は個人主義的、合理主義的な大人の心、

C は本能的で享楽主義的な子供の心。 

 

池見博士によれば、人間の本当の姿は、PACの三つがバランスよく取れて

いるときに発揮できるという。

言い換えれば、“内心の声”を聴くことができるようになるという。

内心の声は、自分の純化された欲求を伝える。 

純化された欲求、それは同じ欲求という字を使っていても、名誉欲、

権力欲などの追求とは程遠い、

健康を保つためには必用な欲求をさす。

求めて害をもたらすのではなく、求めて健康をもたらす、心の声だ。

話を戻すと、絶食療法により、この自我の統合力、つまりPACのバランス

が回復されることが池見博士の多くの実証例の中で証明されているようだ。

 

③ 慢性膵炎

*症状

* 症状 上腹部の痛み、背中の痛み、胃付近の膨満感、下痢、体重減少など

* 膵臓の位置は胃の後ろ側の背中に近い箇所で上腹部の一番奥ある。

* 慢性胃炎とか胃下垂という診断されても、慢性膵炎である場合が

あるほど、紛らわしい

 

*原因

胆石症、胆のう炎が原因となる場合、アルコールの摂取過多などが理由の

一つと考えられる

 

*病は気から-の観点から

家族とのトラブルから 納税申告で心痛を経験したとき、登校拒否の子供

の対応に苦慮した親、などの精神的ストレスは大きい。

憂鬱状態が続くと、膵炎症状がみられる場合もある。池見博士の統計調査では、

膵炎の患者に多い性質は、几帳面、徹底的、頑張りすぎ、という完全主義者に

みられ、心身にストレスを与えていると考えられる

 

*治療方法

食餌療法と生活習慣の改善

アルコールや脂肪を多く含む食品の制限

慢性膵炎患者にみられる腹部傷みは、心身医学的配慮が必要であると

される。

池見博士によれば、“我々が痛みを感ずる場合には、それが単に痛みの感覚

として知覚されるというだけではなく、同時に不快な苦しみ、悩みといった、

感情的な要素を伴いやすい”という。

 

これは、痛みが慢性であるということに着目すれば、“その経過中に二次的

に生ずる病気への不安やとらわれの傾向、抑うつ状態、疾病逃避傾向

(病気の中に逃げ込むことにより、現実の寂しさを免れようとする傾向)

なども加わって、膵炎による本来の痛みから拡大され修飾されることも

しばしばです。”と池見博士は、コメントしているが、興味深い。

 

疾病逃避傾向(しっぺいとうひけいこう)というのはたぶん膵炎だけに

限ったものではないのだろう。 

病気になることで、そこから現実を逃避するという大きな意味で理解

すれば、病人の多くが、この傾向を多かれ少なかれ抱えているのではないか

という気がする。

 

具体的には、病気になることで現実(学校、会社、家庭の問題)に向き

合わずにすむという心理だ。

或いは、愛情が欲しい患者は病気を発症することで、面倒をみてもらえる、

愛情をかけてもらえるという欲求を満たせる。

 

或いは、自己嫌悪に陥った人が自己処罰として、自分を潜在意識の力で

病気にさせるということも可能だ。

こうしたいろいろな疾病逃避傾向は、”甘え”の心にもどこか通じて

いるのだろう。

そしてまた、今までみてきたように、私たちの奥深い深層心理、潜在

意識がこうした背景で病気を肉体に顕しているという例は決して少なく

ないし、むしろ、そちらの方が私は多いのだと感じている。

次回は 喘息と心 の関係 についてみてみたい。

 

 

*引用箇所: ”ストレス健康法” 池見酉次郎著  

昭和50年発行 潮文社

 

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2 コメント

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Unknown (すなお)
2020-06-25 12:05:46
須田さま。

はじめまして。
いつもブログを拝見させていただいております。
須田さんのブログを拝見させていただく内に、須田さんが施術されているインド式自然治癒力セラピーに興味が出てきました。
突然で申し訳ありませんが、インド式セラピーを勉強するには、自然治癒力セラピー協会に入会するなどの方法はありますか?
返信する
インド式セラピー (須田恭代)
2020-06-30 14:43:15
すなお様

6月26日付の、コメントありがとうございます。

ブログを読んでいただき セラピーに興味を覚えていただいたとのこと・・・・・もし差支えなければ、この場をお借りしてすなおさんにご質問させていただいてかまいませんか?

インド式セラピー という名称?は、アートマセラピーのことかと思いますが、すなおさんが、そのどこに興味を持っていただいたのか、お聞かせ願えますか?
それによっても、今回のご質問への答えのアプロ―チが変わってくるかと思います。

さしつかえなければ、あなた様のアートマセラピーへの印象や ひかれる点などをお聞かせくださいね。

よろしくお願いいたします。



      自然治癒力セラピー協会 主宰者 須田より
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