エゴの正体・・自己防衛の選択肢・・・2014・6・28
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自然治癒力の発動を阻むものが怒りであり、心身症で
内在するメンタリティーの原因の大きな一つも怒りだ。
怒りとはエゴ意識の顕れとも考えられる。
”自己防衛” と ”怒り”は 緊密で、
自分を正当化させようとするエゴへの”執着”とも言えそうだ。
これが エゴと裏腹にある特性のようだ。
私に対し、その方(叔母)の助言にあったように、
”だまって無視するように聞き流す”という言葉は的を得ていた。
どんなに腹立たしくても、自分が不当に扱われた
ように感じても、黙視して受け流し、真実のアートマの自分と
向き合っている限り それ以上の絡み合いは何も生まれない。
根っこのない 蔦(つた)のようなもので、絡んだエゴもすぐ
枯れていくというものだ。
意識の進化 という言葉があるのなら、エゴ意識から
超越意識に向かう方向性だと思う。
潜在意識や現在意識に湧いてくる感情や考え、分析、判断は、
時として、エゴ意識に支配される。
それを超えた スーパー意識(超越意識)こそ、私たちが
もう一つ 見つめていくべき意識だ。
無人島に住むと仮定してみる。
名誉やプライド、権力などはたぶん無縁になるし、無意味な
代物になる。
現在 それが意味あるとしたら、組織社会に生きる中での
アイデンティティーの強化のためににすぎない。
無人島で話しかける相手は自分自身の心しかない。
どんなに高度な学術論文の思考も、エゴと結びつくと、排他的
になり、ほかの主張を認めない。
彼らは、”私の理論が最も正しい”と主張する。
イデオロギーの戦いや、宗教論争もそうだろう。
自分の主張が正しいと我を張るウラにはエゴが必ず姿を
かくしている。
霊的に修行を深めていく。
自己の物質欲放棄と厳しい修行の長さをもって
”霊的に私は 高い境地に達している”という自負が霊的プライド
になり、その結果、皮肉にも、悟りと反対の、エゴを膨らませ
ている人もいる。
モノ・名誉・金・権力・思考・霊力、それらの共通項は、
”エゴ” と 結びつきやすいということだ。
それらのもつ社会的エネルギーに、 自分のイメージを代弁させ、
”そのエネルギーにふさわしい自分である”と正当的主張を
言葉なく示す。
それがエゴの正体である。
エゴは その優越感を造りだす、第三者を
必要とするから、常に比較の中で生き延びている。
エゴは サンスクリット語でアハムカーラと呼ばれ
人が生まれつき持っている要素でもある。
生きていくのには、それが必要であるのなら、エゴは
善でも悪ではない。
ある意味、生きるための、一つの手段だ。
エゴがあるから、社会の進歩があるし、人間の意識の進化
が計れる。
富んで繁栄することは、ある青年期の人生の目標の一つとして、
ヒンズー教では 尊重される。
繁栄のあとの、人生最後の段階目標はモクシェだ。
モクシェとは、エゴからの解放、や、輪廻(生まれ変わり)
の鎖からの解放、を指している。
エゴを十分満たす生活もある意味、最終のステージに
昇るために必要なのかもしれない。
覚者は言う。
”エゴに目くじらを立てる必要はない。
ただ、それを観察してみてご覧。
そこから意識の進化の第一歩が始まる。”
そして、こう付け加える。
”エゴはあなた自身の本領ではない。
エゴが自分だと思う限り、本当の自由、
心の自由は得られないだろう。”
心の自由?
エゴが人の本性(自由で至福に満ちた心)を縛っている
ことを気が付かない間は、”心の自由”は無い。
例えば、こんな時に’イエス’の答えなら、心は エゴ意識で
縛られている。
~自分がしたことを 認めてもらいたいと思いますか?
~認めてもらえないと怒りがこみあげてきますか?
~自分に問題が起きたとき、沢山の人に話したくなりますか?
~話して、関心を寄せてもらうことで心が落ち着きますか?
~他者を理解しようとする前に、他者が自分をどう理解しているか
気にしませんか?
~所有物や知識、容貌、地位や肉体的力で他者に感銘を
与えようとしませんか?
~物事を個人的解釈や思い込み判断をして、不機嫌に
なったりしませんか?
~心の中で不満を愚痴り、自分が正しい、相手は間違っている
と決めつけることはないですか?
~注目されたい願望がありますか?
~重要人物だと思われたいですか?
多くの人達は 行動予定表の余白が多いと、不安に
なるらしい。
それは、時々、静かになれる まったく一人の時間がもてると、
逆に、落ち着かなくなるのに似ている。
エゴ意識には、第三者の存在が必要だが、本来の自分に
戻るためには、一人だけの静寂が必要だ。
自分の呼吸を深く、ゆっくりにして、それを、静かに
見つめながら・・・・
時には 一人 無人島にいると想像して、沈黙の中で
自分の心の海原に、エゴと本性の境界線が、見えてくる
のだと思う。