自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

クリシュナ神とヴィシュヌデヴィ女神の関係は?

2018年06月05日 | 神秘と神の大地”インドの香り”

私が今回訪れた、”トリクタ“の丘を、古代の文献から見る               

2018・6・5

 

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 ドルガ(ヴィシュヌデヴィ)

 

先回の記事に出てきた“Trikuta”トリクタ“という丘の名前は、

紀元前5千年の書ともいわれるヴェーダ書の、”リグヴェーダ“

(Rigveda)の中にすでに記述されている。


その箇所は、シヴァ神への祀り方、祭典、儀式などを書いた章

で触れられているのだが、これを見ても、”トリクタ“という丘で、

祭儀的慣習的行事が行われ、すでに古代からシヴァ神の祭儀が

民間の間で行われていたことがわかる。

 

”女神信仰”はヴェーダの中では明記されていないが、ヴェーダに

次いでインドで古い聖典といわれる、マハバラータ(the epic 

Mahabharat)には登場する。


この物語は、ブログでも何度か取り上げているので、ご記憶の

ある方たちも多いと思うが、クリシュナ神とアルジュナとの

対話でなるギータといわれる小物語が入っている、壮大な

インド古代歴史物語である。

 

どこに、女神信仰と、”トリクタ“という丘に関連した事象が

でてきているかといえば、主人公のパンダヴァ兄弟の陣頭にたつ、

アルジュナが闘いに際して、祈りを捧げる場面にあった。


アルジュナは 彼とともに戦うクリシュナ神から、

アドヴァイスを受ける。

それは、母なる女神に勝利を願い、祈りを捧げるように

というクリシュナのアドヴァイスを受けて、次のようにアルジュナ

呼び掛けたのだ;


JambookatakChityaishuNityamSannihitalaye’。

このサンスクリット語を、現代的に言えば、

you who always dwell in the temple on the slope

 of the mountain in Jamboo“、


つまり、ジャム―の山の傾斜面にある寺院に鎮座します、

女神よ!”ということになる。 

 

     クリシュナとラーダ          

フルートを吹いている神様のモチーフはクリシュナ神

 

ここでは、サンスクリット語で、“Jamboo”という発音

になっているが、おそらく、現在呼ばれている地名“Jammu”

の起源だろう。


ジャム―(カシミール)と現代では呼び方が多少変化している。


”トリクタ“という丘のそば、コル コンドリ(Kol Kandoli)

という地名の場所に、パンダヴァ兄達は、母なる女神の

信仰を礎として、初めて寺院を建立した。


祀られているのは、勝利を祈ったとされる‘母なる女神’。

その場所から、”トリクタ“の丘にある、現在のヴィシュヌマタ

女神の聖なる洞窟寺院を眺めることができる。 


勝利の女神、つまり、先のブログに挙げた、三女神のことだろう。

そして、その女神達から、女神たちのシャクティの象徴として、

生まれた、ヴィシュヌマタ女神の洞窟寺院が、コルコンドリ

から眺められるというのは、女神たちの関係性を象徴して

いるようだ。

 

余談だが、コルコンドリの丘は、5つの突起した大きな岩で

できているといわれる。

(私はまだ、現場を見ていないのでイメージがわかないので

恐縮だが・・)


その5つの岩は、クリシュナ神率いる、アルジュナの兄弟、

つまり、5人のパンダヴァ兄弟の頭を示唆しているという。


そういえば、ヴィシュヌデヴィ女神の岩屋の神殿の中に

祀られた女神の象徴(シンボル)も それぞれ、小さな

黒い石が置かれていた。


日本古代では、自然のものすべて、特に石に関しては、

霊体としてみる慣習があったようだが、インドでも同様の

形態が古代インドに存在していたというのがとても興味深く

映った。


例えば、日本の奈良の三輪山の大神(おおみわ)神社の

ご神体といわれる奥の院の、聖なるご神体のある場所には

大きな岩がゴロゴロと無造作に自然の有り様のまま、

置かれ、その周囲は しめ縄で世間との境界を

分けられていたのが印象的だった。


そのことを彷彿とさせる、女神信仰の現場でもあった。

 

 

 

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