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2024年から贖いの業の2000周年(33 - 2033)のノベナの年(2024-2033)が始まります

2019年5月31日説教「マリア様が私たちの元后、女王様である」という事の意味

2019年07月01日 | お説教・霊的講話
2019年5月31日(金)元后なる童貞聖マリアの祝日のミサ
小野田神父 説教

「元后憐れみ深き御母, Salve Regina Mater misericordiae.」


聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。

愛する兄弟の皆さん、聖母の汚れなき御心聖堂にようこそ。
今日は2019年5月31日、元后であるマリア様の祝日を祝っています。

そこで今日、「マリア様が私たちの元后、女王様である」という事の意味を一緒に黙想致しましょう。そして私たちはその元后であるマリア様の神秘を黙想した後に、一体何が求められているのか、私たちは何をするべきなのかを黙想致しましょう。

まず、マリア様は、「元后、女王様」であります。これはどういう意味でしょうか?「女王様」というのは一体何なのでしょうか?一体マリア様はなぜ女王様になったのでしょうか?マリア様がそんなに偉いのは、そんなに高貴なのは、一体何故なのでしょうか?

つい最近、5月1日には新しい天皇陛下を迎えて、皇后様を日本が頂きましたけれども、では天の元后であるマリア様の地位というのは、一体どのようなものなのでしょうか?

ピオ十一世教皇様は、「イエズス・キリストが、真の天主、真の人である、私たちの贖い主であるという事から、私たちの王である。キリスト、王」という、王たるキリストの祝日を定めました。ピオ十一世教皇様です。

「イエズス様はまず天主であるから、その天主の威厳によって王である。またイエズス様はダヴィドの王家の血統によっても王である。それのみならず、イエズス様は真の天主として、御自分の御血を流して私たちを贖ったから、私たちの霊魂を悪魔の手から奪い返したから、征服したから、私たちはイエズス様の下にあるしもべだから、王である」と宣言しました。

それと全く同じ意味で、その後継者であるピオ十二世教皇様は、1948年10月11日、天主の御母であるマリア様の祝日に、「マリア様は元后であって、私たちはその祝日を5月の終わりに祝わなければならない」と宣言しました。

「なぜかというと、マリア様は天主の御母であって、ただ天主の御母という地位を得た、イエズス様をお生みになったお母様のみならず、無原罪の御宿りであって、罪の汚れを全く知らない者であって、そしてイエズス様と共に、イエズス様の十字架の下に佇んで、共に贖いの苦しみを捧げたから、私たちの霊魂をイエズス様と共に悪魔の手から奪い取った、征服の王の伴侶であるから、マリア様は女王だ」と宣言しました。

今日アレルヤ誦では、その事が非常に美しく説明されています、歌われています。
「あぁ、マリア様、あなたは何と幸せな事でしょうか。なぜかというと、あなたはイエズス様と、十字架に付けられたイエズス様の足元に佇んでおられたので、今はイエズス様と共に、天国を支配しておられる、天で君臨しておられるから。」

マリア様の高貴さ、生まれの素晴らしさ、天主の御母であるという地位もさる事ながら、その地位によってマリア様は、「イエズス様と共に、罪無くして私たちの為に苦しまれた」「イエズス様と共に、全ての苦しみを御父に愛を以て御捧げした」そこにこそ、マリア様の偉大な王冠の基があります、源があります。

マリア様が、「私は主の婢女です。私は主の女奴隷です」と言って、そのそれを実行したが故に、天での女王となる事ができました。天で最も高い地位を占める事ができました。

全ての天使たち、そして聖人たちは、マリア様の下に、支配に、君臨の下にあるのです。たった一人の天使でも、人間をはるかに超えた素晴らしい存在です。何千何億何百兆という数々の天使が、マリア様を讃美して、マリア様を天使諸聖人、全ての天使諸聖人の元后として、女王様として、全ての人類の選ばれた諸聖人たちが、マリア様を女王様として誉め讃えています。

なぜかというと、マリア様がイエズス様とそのように、ぴったりと緊密に苦しまれたからです。イエズス様と共に、私たちの霊魂の贖いの為に、苦しみの涙を流されたからです。

ですからピオ十二世教皇様は、5月、マリア様の聖なる月の終わりに、特に世界中で、この子供たちが、あるいは大人も子供も老人も、5月のきれいな花をマリア様に御捧げする、そしてその最後の日には、教会で、世界中の教会で花冠をマリア様に御捧げする、この5月の最後の日を、「マリア様は本当に私たちの女王であって、元后であって、私たちはそのマリア様のその素晴らしい地位を讃美するのが相応しい」と定められたのでした。

では私たちは一体今日何を、遷善の決心で取ったら良いでしょうか?

もちろん今日天使たちと、天国の天使たちと諸聖人たちと共に、マリア様がどれほど素晴らしい、荘厳な地位におられる方か、という事を讃美致しましょう。5月1日の令和の新しい今上天皇陛下、皇后陛下を拝見しようと、多くの人たちが、日本人も外国人も皇居に集まって日の丸を振って祝った、というニュースがありますけれども、天国の天使たち聖人たちと私たちも声を合わせて、この私たちの元后であるマリア様を讃美致します。なぜかというと、マリア様は私たちの元后、憐れみの御母であるからです。

イエズス様と共に十字架で勝ち取った全ての御恵み、祝福、功徳、罪の赦し、奇跡的な超自然の御恵みの数々、私たちの想像を超えるような天主様からの御恵みの無限の功徳、無限の御恵み、祝福、聖寵、それらをマリア様は全て、自分のものとして持っておられるのです。女王様、元后としてお持ちであるからです。マリア様はこれを自由に分配する権利を持っています。御自分のものですから、イエズス様と共に勝ち取ったものですから。

ただマリア様は苦しんだだけではありません。イエズス様と共に、イエズス様の御母として、人類の、贖われた人類の母として、愛を込めて、御自分の苦しみを天主に、イエズス様と共に捧げたからです。

イエズス様は正義の天主ですけれども、そしてその正義の王国を、天主の正義を支配しておられますけれども、神学者たちによると、「イエズス様は、憐れみを全て、御母に任せた。憐れみの母に任せた。」

ですから私たちは、本当ならば、厳格な正義によれば、それほどの御恵みを受けるに値しないものであったとしても、マリア様は憐れみによって、自由に御恵みをばらまいて下さいます。今も、そして将来も、ばらまき続けて下さいます。そして「ばらまき政策だ!何でそんなに浪費するのか!」と文句を言う人は誰もいません。マリア様のものですから。

「憐れみ」と「御恵み」は全て、マリア様を通して私たちに、イエズス様の聖心から来ます。

ですから私たちは、マリア様のその憐れみの元后、憐れみの御母であるマリア様を今日讃美します。それと同時に私たちは、そのマリア様をますますお喜ばせる為に、マリア様の良きしもべとして、マリア様の御下にあるものとして、マリア様に似通った者となりたいと思います。マリア様が天主の御母として、イエズス様と共に苦しみを捧げて、そして功徳を勝ち取ったのであれば、私たちも天主の子して、マリア様の子供として、罪人でありながら御憐れみの力を受けて、私たちの苦しみや祈りを、マリア様を通してイエズス様に御捧げする、贖いの業に協力する、という事が、マリア様は私たちから求めています。これがファチマでの神秘であり、ファチマでマリア様が私たちに要求した事でもあります。

今日、マリア様が元后であるというその神秘を深く讃美して、黙想して、私たちも良きしもべとして、マリア様の道具として、私たちの祈りと苦しみを捧げる御恵みを乞い求めましょう。

聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。

2019年5月26日(主日)御復活後第5主日のミサ キンボル神父様御説教 二つ目に古いマリア様への信心「茶色のスカプラリオ」

2019年07月01日 | お説教・霊的講話
2019年5月26日(主日)御復活後第5主日のミサ
キンボル神父様御説教
同時通訳:東京信徒会長


聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。

皆さん、今日は私たちの聖母に対する、二つ目に古い信心についてお話したいと思います。

一番古い信心というのは、もう皆さんやっていらっしゃると思いますけれども、それは「ロザリオ」というものです。ロザリオというのは、毎日家族と祈るものです。

二つ目に古いマリア様への信心というのは、「茶色のスカプラリオ」です。教会によって認可されたスカプラリオというのは色んな種類がありますけれども、一番大事なのは茶色のスカプラリオです。

この「茶色」というのは「カルメル会の服」を意味しています。茶色の四角いこういう服で、茶色の布が前と後ろに下がっています。カルメル会というのは、マリア様に捧げられた修道会としては一番古い修道会です。

この修道会の伝説によりますと、預言者エリアがこれを創設したと言われています。このエリアというのはカルメル山に住んでいたのですけれども、そこで飢饉がありまして、水が足りなくなりまして、その時に使いの者を山の一番上に登らせて、7回登らせて、水の為に祈るという事をします。この7回目にお祈りに行きますと、白い雲が、人の足の形で海の方から来るのが見えました。

そして彼がこの弟子たちに説明したのは、これが「マリア様の象徴だ」と言うのです。なぜかと言いますと、旧約に、「『彼女の足が悪魔の頭を砕く』というのがあったから」という事です。そして「この白い雲の『白さ』というのは、『マリア様が罪がない』という事を示している」という事です。

それでエリアが言ったのは、「贖い主の事を待たなければいけないけれども、贖い主の母の事も待たなければいけない」という風に言いました。

そして新約の時代になりまして、使徒がこの人たちに説教をしたところ、この人たちもキリスト教徒になりました。そしてこの人たちは、「カルメル山の聖母の隠士」という名前になりました。そしてこの彼らがカルメル山に住んでいるというのは、イスラムの人たちが聖地を占領するまで続きました。そして十字軍が聖地に行った時に、「そこは危険なので、ヨーロッパに是非来て、安全な所でお祈りして下さい」というように招待しました。そしてこのグループは特に今のイギリスに移りました。そしてこの時のこの修道会の長上という方は、シモン・ストックという方でした。

ところがこのカルメル会の人たちというのは、あまり歓迎されませんでした。なぜかと言うと、ユダヤ人のような服に見えたからです。それから食べ物に関しては物乞いをするという習慣がありました。ですからこのシモン・ストックという方は、「このように歓迎されていないので、私たちのこの修道会の服を変えて下さい」というお祈りをしました。

そこでマリア様が現れて、腕の上にこのスカプラリオをかけてお現れになりました。そしてマリア様が仰ったのは、「あなたたちの修道会の服を受けなさい」と仰いました。そして「この服を着て死ぬ者は、誰も永遠の火を受けない」というようにマリア様が仰いました。

プロテスタントの方は、これはカトリックの迷信であると言うかもしれません。しかし教父たちによりますと、「聖母にずっと信心を続ける、という事がもしできたら、私たちの霊魂を天主様の所に持っていく事ができる」という風に言っています。

このスカプラリオというのは、私たちの聖母マリア様の事を崇敬するのに非常に簡単な方法です。そして天主様はこれについてどういう風にされたかと言いますと、奇跡を表す事によってこれを承認されます。

例えば、ある人がこのスカプラリオを着けたまま溺れてしまったのですけれども、スカプラリオが水の上に浮いて行って助かった、という事があります。

これからちょっと本で読んだお話を説明したいと思いますけれども、これについてはオーストラリア出身の方が、アメリカに住んでいらっしゃる家族の方なのですけれども、その方から聞いた話です。この方はカンザス州の聖マリア大学という所で学生さんでした。そしてその方に聞いたのですけれども、「あなたの苗字は、偶然その奇跡の方と同じ苗字ですけれども、知っていますか?」という風に聞きました。そしてこの方が仰るには、「その話が一般に広まっているとは知らなかったけれども、家族の間では聞いている」という風に言いました。これは、ジョン・マコーリフという方で、アイルランドの水夫さんのお話です。

この方は、オーストラリアまで船で行ったのですけれども、非常に大きい嵐に遭いました。プロテスタントの家族の方が、「これは大変だ!」という事で、ご家族とお子さんでお祈りしたのですけれども、何も起こりませんでした。

そこでこの水夫さんは、「大変だ!」という事で、スカプラリオを、持っていたその着けていたスカプラリオを、十字架の印をして、海に投げ入れました。そうすると海が静かになったのですけれども、一つだけ波が起こって、そのスカプラリオが彼の所に戻ってくるような波だけやって来ました。

これを見た、この乗っていたプロテスタントの家族の方は、オーストラリアに着いた時に、カトリックに改宗しました。

これは奇跡ですけれども、もっと大事なのは、この茶色のスカプラリオを着ている時の「霊魂への効果」という事です。

ある若い女性がいたのですけれども、あまり熱心に信仰していらっしゃらない方でした。あまり秘跡を受けには行きませんでした。そこでこの神父様がこの女性に対して、「もっと敬虔な人になりたいですか?」と聞いてみました。そしてこの女性が仰ったのは、「敬虔にはなりたいのですけれども、あまり難しい事はできません」と答えました。そうするとこの神父様が仰ったのは、「いや、難しい事ではありません。茶色のスカプラリオを着けて下さい。」

そうすると、この女性の方はもっとお祈りをするようになって、もっと秘跡を受けに来るようになります。そしてだんだん信仰が進んだので、この女性は「修道女になりたい」と言い出すほどになりました。

そしてこの修道女になる儀式の時に、この「天主様から頂いた御恵みの印を何か見せて下さい」とお祈りしました。そうすると、この昔スカプラリオを勧めた神父様が、お祈りをしている時にとてつもない喜びを感じたという事です。そして神父様はよく事情が分かりませんので、「天主様は何で私にこんなに今、喜びを下さるのですか?」という風に聞きました。

そして次の日になってから、この新しくシスターが入った修道会から手紙が届きます。この手紙を書いた人というのは、その新しくシスターになった方のお友達でした。このお友達が書いていたのは、「この新しくシスターになった女性は、もう嬉しくてしょうがなくて、手紙も書けなかった」という事です。「しかし、とにかく神父様の為にお祈りしていますので、その事を知って下さい」というのが、このお友達の手紙に書いてありました。

この茶色のスカプラリオの「地獄に行く事がない」という特権の他に、もう一つ別の特権があります。このシモン・ストックが受けた50年後に、ヨハネ二十三世も何かメッセージを受けたように感じました。“サバティン・ブル”(Sabbatine Bull)というのですが、この手紙に書類に記録が残っています。

それによると、「マリア様が、どなたかが亡くなられた時に、その次の土曜日に、煉獄からマリア様がその方を救って下さる」という事です。その条件というのは、このスカプラリオを着ける事に加えて、水曜日と土曜日に肉を食べないという事だそうです。

それからその自分の身分に従った貞潔を守るという事です。それから聖マリア様の小聖務日課を唱えるという事です。しかしこの条件というのは難しいかもしれませんので、神父がもっと簡単なものに変える事ができます。

もし生地でできたスカプラリオを着けるのが難しいという事であれば、メダイにする事ができます。なぜかと言うと、聖ピオ十世教皇が、このメダイに関しても同じ贖宥を与えたからです。しかし元のこの精神から考えますと、メダイよりその生地のスカプラリオを着けた方がもっとよろしいと思います。

そしてこのスカプラリオのお話を今日しているのには、現代的な意味があります。ローマに聖ドミニコと聖フランシスコが会った教会というのがあります。この教会は、この二人の聖人が会った記念をした教会です。アンジェリカ修道士もここにいました、これはカルメル会の方です。そして聖フランシスコに対しては、「聖痕を受けるだろう」というメッセージがありました。そして聖ドミニコの方には、「あなたの修道会には、このロザリオの信心が与えられる」というメッセージがありました。しかしもっと大事な事は、「いつか、このスカプラリオとロザリオを通して、天主様はこの世をお救いになるだろう」というメッセージでした。

そしてファチマにお現れになったマリア様が仰るのは、「この一番古い二つの信心をしなさい」という事を私たちにお命じになりました。シスタールチア、ファチマのルチアに質問されたのですけれども、「マリア様はどうして、この太陽の奇跡の時に、カルメル会の服を着てお現れになったのですか?」という質問がありました。そしてルチアの言ったのは、「もちろんこれは、聖母が皆にこのスカプラリオを着けてほしいからである」という風に言いました。そして彼女にまた、「どうしてですか?」という質問がありました。そしてシスタールチアが答えたのは、「それは、そのスカプラリオというのは、私たちが汚れなき聖母への奉献の印であるからだ」という風に答えました。

ご存知だと思いますけれども、長崎の原爆の時には、8人の司祭が命を救われたという事がありました。このうちの一人のアメリカ人の司祭の話を聞いた事があります。

「爆心に非常に近かったので、普通ならもう死んでいるはずだ」とお医者さんが言っていたという事です。しかしこのアメリカ人の神父様が仰っていたのは、「そうなのですけれども、私は非常に健康である」と、「それは多分、このファチマのマリア様のメッセージに従った信心をしていたからだろう」と仰いました。

ですから私は、皆さんにこの茶色のスカプラリオを着けて、他の方にもこのメッセージを広げて頂きたいという風に思います。なぜなら、聖母マリア様は最後に勝利されるのですけれども、それまでに私たちに、私たち一人一人に、それに協力するように仰ったからです。

聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。


--このブログを聖マリアの汚れなき御心に捧げます--

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