Credidimus Caritati 私たちは天主の愛を信じた

2024年から贖いの業の2000周年(33 - 2033)のノベナの年(2024-2033)が始まります

アシジの聖フランシスコの「被造物たちの賛歌」別名「兄弟なる太陽の賛歌」Il Cantico del Frate Sole

2020年04月23日 | カトリックとは

アヴェ・マリア・インマクラータ!

愛する兄弟姉妹の皆様、

アシジの聖フランシスコ(1181 – 1226)の「被造物たちの賛歌」別名「兄弟なる太陽の賛歌」をご紹介いたします。

原文はウンブリア地方の訛りのあるイタリア語で書かれており、病気の快復をした死の前の1224年ごろにアシジの近くのサン・ダミアノで書かれたと言われています。また聖フランシスコの死の直前に、彼の死の床で、最後の「姉妹なる肉体の死」の節も付け加えられて歌われたと伝えられています。

聖フランシスコ自身は、その時すでに盲目で光を失っていたけれども、心の目で被造物をよりはっきり「見る」ことができた、と言われています。

これを読むと、聖フランシスコが、被造物から、天主へと心を挙げていることがわかります。
それと同時に被造物の虚しさ・はかなさをも理解し、全ては、天主の賛美のための道具になっています。

聖フランシスコは、天主の御旨を愛し、天主を愛するがために全てを赦し、平和のうちに、天主への愛のために病を耐え忍び、悪を甘受し、十字架を担ったことがわかります。

聖フランシスコは、自分の十字架を耐え忍ぶことによってイエズス・キリストともっともよく似たものとなったと言われています。天主は人間となりました。私たちが真似ることができるため。イエズス・キリストが人となったのは、私たちに天主への礼拝を教えるためでした。

聖フランシスコの歌は、多くの人がこれを朗読しています。

Il Cantico del Frate Sole (Cantico della Creature) 兄弟太陽の賛歌、あるいは、被造物たちの賛歌
Altissimu, onnipotente bon Signore, いと高き全能の善き主よ、
Tue so' le laude, la gloria e l'honore et onne benedictione. 御身に賛美と栄光と誉れとすべての祝福あれ。
Ad Te solo, Altissimo, se konfano, いと高き御者よ、それらは御身のみにふさわしく、
et nullu homo ène dignu te mentovare. いかなる人間も、御身の名を呼ぶに値しない。
Laudato sie, mi' Signore cum tucte le Tue creature, 我が主よ、御身は賛美せられさせ給え、御身の全ての被造物とともに。
spetialmente messor lo frate Sole, 特に兄弟なる太陽さんとともに。
lo qual è iorno, et allumini noi per lui. 彼は昼であり、彼によって我らを照らし給い、
Et ellu è bellu e radiante cum grande splendore: 彼は美しく、偉大な輝きをもって光を放ち、
de Te, Altissimo, porta significatione. いと高き御者よ、彼は御身のしるしとなっている。
Laudato si', mi Signore, per sora Luna e le stelle: 我が主よ、御身は賛美せられさせ給え、姉妹なる月と星々のために。
in celu l'ài formate clarite et pretiose et belle. 天に明るく、貴く、美しく、御身は形作られた。
Laudato si', mi' Signore, per frate Vento 我が主よ、御身は賛美せられさせ給え、兄弟なる風のために。
et per aere et nubilo et sereno et onne tempo, また大気と雲と晴天と全ての天気のために、
per lo quale, a le Tue creature dài sustentamento. 彼らを通して、御身の被造物を維持し給う。
Laudato si', mi Signore, per sor'Acqua. 我が主よ、御身は賛美せられさせ給え、姉妹なる水のために。
la quale è multo utile et humile et pretiosa et casta. 彼女はとても有用で、謙遜で、貴く、貞潔なり。
Laudato si', mi Signore, per frate Focu, 我が主よ、御身は賛美せられさせ給え、兄弟なる火のために。
per lo quale ennallumini la nocte: 御身は彼で夜を照らし給う。
ed ello è bello et iocundo et robustoso et forte. また彼は、美しく、楽しく、たくましく、力強い。
Laudato si', mi Signore, per sora nostra matre Terra, 我が主よ、御身は賛美せられさせ給え、姉妹なる母なる大地のために。
la quale ne sustenta et governa, 彼女は、我らを維持し治め、
et produce diversi fructi con coloriti fior et herba. 色とりどりの花と草とともに様々な果実を生み出す。
Laudato si', mi Signore, per quelli che perdonano per lo Tuo amore 我が主よ、御身は賛美せられさせ給え、御身への愛のために赦す人々のために。
et sostengono infrmitate et tribulatione. また病いと艱難を苦しむ人々のために。
Beati quelli ke 'l sosterranno in pace, 平和のうちに耐え忍ぶ人々は幸いなるかな、
ka da Te, Altissimo, sirano incoronati. いと高き御者よ、彼らは御身により栄冠を受けるだろうから。
Laudato s' mi Signore, per sora nostra Morte corporale, 我が主よ、御身は賛美せられさせ給え、我らの姉妹なる肉体の死のために。
da la quale nullu homo vivente pò skappare: いかなる生ける人間は誰も、彼女から逃げることができない。
guai a quelli ke morrano ne le peccata mortali; 大罪のうちに死ぬ人々は、わざわいなるかな。
beati quelli ke trovarà ne le Tue sanctissime voluntati, 御身のいとも聖なる御旨のうちにある人々は、幸いなるかな。
ka la morte secunda no 'l farrà male. 第二の死が、彼らを害することはないだろうから。
Laudate et benedicete mi Signore et rengratiate 我が主を、賛美し、祝福し、感謝せよ、
e serviateli cum grande humilitate. 大きな謙遜もて主に仕えよ。


教皇フランシスコの考えを理解する:カトリックの信仰生活はどう変わるか?

2020年04月23日 | トマス小野田神父(SSPX)のひとり言
アヴェ・マリア・インマクラータ!

愛する兄弟姉妹の皆様、

ステイ・アット・ホーム(不要不急の外出自粛)を利用して、教皇フランシスコの考えをよく理解するようにしましょう。

私たち、すでに教皇フランシスコの新しさであると同時に、第二バチカン公会議の展開を見て、

さらに、教皇フランシスコの、教皇職を動かす原理・設計図「天主は自分自身を私たちの大地と決定的に一致させた」について考察しました。

「天主は自分自身を大地と決定的に一致させた」という原理から帰結される究極の倫理基準は「大自然と調和している」ことです。この世と「対話」するとは「聞く」ということであり、この世に聴従し、「弟子」として「姉妹」としてこの世に従うということです。

天主に対する信・望・愛、礼拝と救霊について語らず、むしろリサイクルとか森林保全とかについて語るのが、人類の最高権威である教皇の役割なのでしょうか? これは何を意味するのでしょうか?

まず「司祭職」が、この世の「まつりごと」に飲み込まれてしまいます。言い換えると政治的になります。何故なら、超自然の方向性・要素がなくなるからです。天ではなく、大地に向かうからです。全道徳と倫理すべては、大自然と調和していることにあるとされるからです。だから「エコロジカルな回心」が求められています。

ですから、天主が大地と決定的に一致しており、私たちもその大地の一部であるから、資源の再利用をして自然を保全することが、「私たち人間の尊厳を表明する愛の行為」となりうるといわれるのです。

しかし、その時、人間が大自然と全被造物においておかれている特別の場所・地位は忘れられてしまいます。知性と意志の自由決定能力とをもつ特別な理性的存在、ということが忘れ去られます。

また、始原もなく終わりもない天主の超越性も忘れ去られます。いかなる意味でも被造物とは混同されることのなく、被造物をいま、ここに有らしめている天主については、語られません。

人間は、理性を使って、この全自然を超越する天主であるいと高き主を認識し信じ、創造主のみに捧げるべき礼拝を捧げるために、特別に創造されました。自然保護よりももっと更に崇高な理性的存在である人間のみができる行為、これが天主を礼拝することです。

人間だけが、理性を使って、自然を超越する天主を礼拝することができます。理性的存在だけが、天主と人間との間の無限の隔たりを認識するがゆえに、天主が有りて在るものであり、人間が有らしめられて在る無に等しいものであると理解するがゆえに、天主に礼拝を捧げることができます。

天主の御言葉は人となりましたが、それは大地と一致するためではありませんでした。天主御父の御旨(みむね)を果たすためです。「キリストは世にはいるときいわれた。"…そこで私は、"私について巻物に書きしるされてあるとおり、天主よ、私はあなたのみ旨をおこなうために来る"といった。"」(ヘブレオ10章)

人となった天主の御言葉は、私たちに天主に対する絶対従順の模範を示されました。イエズス・キリストの御人性(人間としての本性)は、私たちに礼拝を教える道具となりました。天主に死に至るまで従順であること、しかも十字架の死に至るまで従うことを教えてくれました。イエズス・キリストの存在はその最初の瞬間から十字架の死に至るまで、絶えざる天主御父に対する従順であり、礼拝でした。

人間にとっての最大の悪は、環境汚染でも地球温暖化でもありません。人間にとって最大の悪であり不幸は、罪を犯して天主を侮辱すること、その結果永遠の地獄に堕ちることです。

しかし、エコロジカルな回心はこれの全く反対を私たちに説きます。何故なら、自然を超えるものについて目をそらさせるからです。

目に見えない天主の超越性、自然を超える超越性を認めることができないとき、絶対の超越する天主に対する礼拝は、捧げることができなくなります。

これが道徳基準に適応されると、環境保護と自然保全こそが、天主に対する礼拝や天主の掟の遵守よりも重大なことになってしまいます。エコロジカルである限り、その他のことは何でも許されて当然と考えられる危険があります。

例えば、絶滅危惧種を守るために闘争することが善とする一方で、母の胎内にいる胎児を堕胎したり老人を安楽死させたりするのは問題としなかったり、自然を守ると言いながら自然に反する同性の結合には賛成したり、殺虫剤や化学薬品の使用に絶対反対と言いつつ避妊薬には賛成したり、二酸化炭素の削減のために、子供たちが多い大家族に反対したりすることでしょう。

アマゾン・シノドスの最終文書でも言われたように「青年を神学的場所として認め、また、対話に専心しエコロジーに敏感で「共通の家」に注意深い青年らを "希望の預言者" として認める」とき、教会は、新しい「預言者」たち、新しい「宣教師」たちをすでに認めているのかもしれません。例えば、その中にはまだ16歳にしかならないけれども、全ての国家元首に働きかける使命を天から受けたと信じている人もいるのかもしれません。

その時、天主がモーゼにシナイ山の上で与えた「天主の十戒」とは似て非なる新しい「エコロジカルな十戒」が作り上げられるかもしれません。たとえば、以下は、まったくの想像で書いてみます。

第一 大自然はなんじの主なり。大自然を保全すべし。
第二 なんじ、水も食べ物も電気もプラスチックも紙もみだりに使うなかれ。
第三 なんじ、絶滅危惧種を保護すべきことをおぼゆべし。
第四 なんじ、再生エネルギーの開発を敬うべし。
第五 なんじ、地を汚すなかれ。
第六 なんじ、海・川を汚すなかれ。
第七 なんじ、リサイクルをせずに捨てるなかれ。
第八 なんじ、公共交通機関を使わずに移動するなかれ。
第九 なんじ、ごみの分類をせずに捨てるなかれ。
第十 なんじ、電気・石油の使用をみだりに望むなかれ。

回勅『ラウダート・シ』の「天主は自分自身を私たちの大地と決定的に一致させた」ので「エコロジカルな回心」をしようと、これをそのまま受け入れるところでは、天主への礼拝が、カトリックの信仰生活を送ることが、不可能になってしまいます。

カトリックの信仰生活の道というよりか、新しい道です。「天主の愛は私たちを常にいくつもの新しい道を見出させてくれる。」(回勅『ラウダート・シ』245)

主よ、我らを憐れみ給え!

聖母よ、我らをして、この地が「追放」「逐謫」の場所であると理解させ給え!
聖母よ、我らをして、この地が、つかの間の儚い「涙の谷」であると理解させ給え!

元后あわれみ深き御母、われらの命、慰め、望みなるマリア、
われら逐謫の身なるエワの子なれば、御身にむかいて呼ばわり、この涙の谷に泣き叫びてひたすら仰ぎ望み奉る!

(続く)


--このブログを聖マリアの汚れなき御心に捧げます--

アヴェ・マリア・インマクラータ!
愛する兄弟姉妹の皆様をお待ちしております
【最新情報はこちら、年間予定一覧はこちらをご覧ください。】