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勤労者聖ヨゼフの祝日はごく普通の生活の中に、最も偉大な尊厳と聖性が一体化していることを私たちに教える

2021年05月11日 | お説教・霊的講話

勤労者聖ヨゼフについての説教

ドモルネ神父

はじめに

典礼年には、聖ヨゼフの祝日が2日あります。3月19日には、童貞聖マリアの浄配にしてキリストの養父である聖ヨゼフの卓越した尊厳をお祝いします。5月1日には、勤労者聖ヨゼフをお祝いします。

この勤労者聖ヨゼフの祝日の特徴は何でしょうか。ごく普通の生活の中に、最も偉大な尊厳と聖性が一体化していることを私たちに教えることです。

1.契約の箱の天幕のかたどり

旧約において、ヘブライ人たちが砂漠を移動していたモーゼの律法の時代には、契約の箱が、彼らが持っていたもののうちで最も貴重なものでした。契約の箱は、ヘブライ人たちの天主との結びつきの象徴であり、彼らの中に天主が現存しておられることの象徴でした。そのため、この結びつきを示す箱は、最も貴重な織物、最も高純度の金(きん)や、最も高価な素材で周りを覆われていました。最高の質の香が、その箱の前で焚かれました。

しかし、契約の箱とその宝物【十戒の石板、マンナのつぼ、アロンの杖】は、嵐や灼熱に耐えることができるように、丈夫でざらざらした皮革や布で作られた天幕で覆われていました。そのため、外から見ると、契約の箱の天幕はごく普通のものに見えました。言われなければ、誰もその中にある宝物を想像することはできませんでした。

この天幕は、聖ヨゼフのかたどりです。聖ヨゼフは、世間の目にはごく普通の人に見えましたが、実際には、天主と人間をご自身のペルソナにおいて一致させられるという、まことの結びつきを示す箱であるイエズス・キリストを守っていました。ですから、私たちの主イエズスとの近さのゆえに、聖ヨゼフの霊魂は最も貴重な恩寵と聖徳で飾られていたのです。

2.聖ヨゼフの外的生活

外的には、聖ヨゼフはごく普通の人に見えました。これは天主のご計画に沿ったものでした。聖ヨゼフの使命は、ご托身の神秘【であるイエズス・キリスト】を保護し、キリストが公の生活を始められるときが来るまで、それを秘密にしておくことでした。聖ヨゼフはこの使命を完璧に果たしました。

第一に、彼は自分の秘密を完全に守りました。たいていの人は、秘密のうちに自分に託されたことを他人に話したくてうずうずして我慢できないものです。しかし、聖ヨゼフは30年間、ご托身の秘密を誰にも明かしませんでした。

第二に、聖ヨゼフは、人となられた天主の神秘を、ごく普通の質素で、貧しくさえある生活のもとに隠していました。聖ヨゼフは、ナザレトという無名の小さな村に住む大工でした。彼は世間の注目を集めるようなものを何も持っておらず、そのようなことを何もしませんでした。彼には富もなく、目立つ活動もしませんでした。聖ヨゼフは、ダヴィド王の家系ではありましたが、ヘロデ王がイスラエルの王位を奪っていたため、そのことが足しになることはありませんでした。

第三に、そしてこれが一番重要ですが、聖ヨゼフはその深い謙虚さによって、ご托身の神秘を守りました。聖ヨゼフは、ご托身の神秘を保護することから決して個人的な栄光を得ようとはせず、良き、かつ忠実なしもべとして、常に天主のみ旨を果たすことを目指しました。

3.聖ヨゼフの内的生活

外的生活とは反対に、聖ヨゼフの内的生活はまったく抜きん出たものでした。私たちは、天主との友情における霊魂の生活を「内的生活」と呼びます。友情とは、友人間の相互の善意と愛情のことです。友情は、お互いに助け合いながら、より良くなるという、友人間の相互作用によって成長します。内的生活においては、霊魂に対する天主の活動と、天主に対する霊魂の活動という二重の活動があります。

天主は聖ヨゼフに対して、マリアにふさわしい浄配にして、またキリストの養父であるという二重の使命に応じた、卓越した成聖の恩寵を与えられました。信仰の徳によって、天主は聖ヨゼフの知性を、天主の神秘についての確かで深い知識で飾られました。希望の徳によって、天主は聖ヨゼフの意志を、天主が望まれたことは何でも行うという強い決意で飾られました。愛の徳によって、天主は聖ヨゼフを、燃える愛でご自身に一致させられました。

聖ヨゼフの側では、自分の霊魂の中に天主の現存を強く感じる生活をしていました。彼は絶えず天主の完徳と行動を黙想し、キリストの神秘を黙想していました。彼は絶えず、かつ熱心に天主を礼拝し、心の中で感謝と祈願を捧げていました。人間として、大工として、家庭の父親として、外的な活動がどのようなものであっても、エジプトへの逃避の間も含めて、人生のあらゆる状況において、聖ヨゼフは心の中に天主が現存しておられる感覚を失うことは、決してありませんでした。そして、この絶え間のない祈りによって、天主は聖ヨゼフへの賜物を絶えず増やされ、聖ヨゼフを最高段階の聖性へと到達させられたのです。

結論

勤労者聖ヨゼフの祝日にあたり、次のことを覚えておきましょう。

第一に、名もなく、たとえ貧しくとも、正直な普通の生活を送ることは、聖人に、そして偉大な聖人になるための障害ではない、ということです。

第二に、私たち人間の生活の本質は、私たちが「内的生活」と呼ぶもの、つまり、天主との内的な友情関係にある、ということです。私たちの内的生活を発展させることが、天主に最も大きな栄光を捧げることになるのです。また、そのことが、天国での私たちの栄光の段階を決定することになるのです。

ですから、内的生活の模範にして、内的生活の守護聖人である聖ヨゼフに対して、私たちが常に天主の現存のうちにとどまり、聖三位一体の各ペルソナと、心の中で何度も、繰り返し対話をすることができるように、助けを願いましょう。聖三位一体は、そのような態度に無関心ではおられず、ますます私たちの中にお住みくださることでしょう。


Pone luctum, sume vestem Candidam Ecclesia! 悲しみを置き、輝く服を身につけよ、教会よ!

2021年05月11日 | グレゴリオ聖歌

アヴェ・マリア・インマクラータ!

愛する兄弟姉妹の皆様、

復活の節に、私たちが歌ミサで、歌った有名な Pone Luctum, Sume Vestem の日本語訳をご紹介いたします。

Pone Luctum, Sume Vestem
悲しみを置き、輝く服を身につけよ

Pone luctum, sume vestem Candidam Ecclesia!
Tolle palmas, et coelestem Triumphantem celebra!
Morte mortem debellavit, 
Peccatores vindicavit.
Jesu, tibi gloria.
悲しみを置き、輝く服を身につけよ、教会よ!
棕櫚の枝を取り、天の凱旋を祝え!
主は死によって死を打ち破り、
罪人らを解放し給うた。
イエズス、御身に栄光あれ。


Ut nos morte liberaret, Se sepulcro subdidit,
Et ut nostram renovaret Vitam, vivus prodiit.
Mors, tu jaces triumphata, 
Vita nobis est renata!
Jesu, tibi gloria.
死によって私たちを解放するために、ご自身を墓に従わせ給うた。
私たちの命を新たにするために、主は生きて現れ給うた。
死よ、おまえは征服されて横たわり、
命なる主は、私たちのために再び生まれ給うた!
イエズス、御身に栄光あれ。

Nos in coelum perducturus, Se ad Patrem elevat,
Morte lucrum est facturus, Vitam qui sanctificat.
Observemus Christi cursum: 
Fidos, justos trahit sursum.
Jesu, tibi gloria.
私たちを天国に導こうと、御父に向かってご自身を上げ給う。
生命を聖化する方は、死によって、利益を得ようとし給う。
キリストの歩みを私たちはよく見よう。
忠実な者ら、義人らを、主は上に引き上げ給う。
イエズス、御身に栄光あれ。

Alleluja! sit Paschalis Nobis benedictio,
Infundatur triumphalis cordibus dilectio;
Ut in Christo renovemur, 
Et cum Sanctis collaetemur!
Jesu, tibi gloria.
アレルヤ! 復活の祝福が私たちにあらんことを。
凱旋の喜びが心に注がれんことを。
私たちがキリストにおいて新たにされ、
聖人たちと共に喜ばんことを!
イエズス、御身に栄光あれ。

OGPイメージ

Cantiones sacrae : a collection of hymns and devotional chants for the different seasons of the year, the feasts of our Lord, of the Blessed Virgin, of the saints, low masses &c. : arranged for four mixed voices : Mohr, Joseph, 1834-1892 : Free Download, Borrow, and Streaming : Internet Archive

GENERAL INDEX. TO THE MOST HOLY SACRAMENT. 1. Tantum ergo, 1—12 ...

Internet Archive

 

 


復活の節(Tempus Paschatis)と復活祭的な時節(Tempus Paschale)との違い:

2021年05月11日 | 聖伝のミサの予定

アヴェ・マリア・インマクラータ!

愛する兄弟姉妹の皆様、

復活の節(Tempus Paschatis)は、もうすぐ終わろうとしています。

復活の節(Tempus Paschatis)と復活祭的な時節(Tempus Paschale)との違いにご注意ください。

復活祭的な時節(Tempus Paschale)とは、復活祭の前日のミサから聖霊降臨の八日間の最後の土曜日(これを含む)までのことです。この時節の間には、次が含まれています。a) 復活節(Tempus Paschatis)b) 昇天節(Tempus Ascensionis)c) 聖霊降臨の八日間(Octava Pentecostes)です。

典礼書には、よくカッコつきで(T.P. Alleluia)などと書かれていますが、これは、御復活の時節(Tempus Paschale)の間は、アレルヤを唱えよ、という意味です。

ところで、復活の節(Tempus Paschatis)と復活祭的な時節(Tempus Paschale)との違いは、日本語に違いをつけて訳すのが難しいので、復活節(Tempus Paschatis)と復活節(Tempus Paschale)と同じように訳されがちです。

英語でも、この翻訳の仕方にはいろいろ見受けられます。
● Rev. Patrick Murphy. The New Rublics of the Roman Breviary and Missal, 1960. 
Tempus Paschatis = Eastertide
Tempus Paschale = Season of Easter  

● Fr. Kevin Seasoltz, The New Liturgy: A Documentation, 1903-1966. Herder & Herder, NY, 1966, pp.308-328.
Tempus Paschatis = Easter season
Tempus Paschale = Paschaltide

● Fisheaters
Tempus Paschale = Eastertide or Paschaltide


--このブログを聖マリアの汚れなき御心に捧げます--

アヴェ・マリア・インマクラータ!
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