朝のホテルから見た景色はヨーロッパ風で、アメリカにいることを忘れてしまいそう。
ワシントンの地下鉄は最も安全な乗り物と聞いていたので、ダウンタウンのギャラリープレイス駅の近くにホテルをとりました。路線図の分かりやすさは東京の地下鉄とは雲泥の差で、滞在中の移動はすべて地下鉄ですみました。
駅に向かう途中に「中華粥」の文字を見つけて早速朝食を。台湾の雑然とした街の食堂を思い起こすような食堂で、ドアを押すのにちょっと勇気がいったものの味は抜群。丁寧にとったスープの牛肉粥なのに5.5ドルの低価格。ワシントンにはそぐわないような店の設えなのに、頑固なまでに腕にこだわるコックさんの心意気に拍手です。アメリカ人にもかなり定着しているのは、味と低価格のせいでしょう。
ずっと行きたかったワシントン国立絵画館。緑豊かな公園地帯に建つ新旧2つの白大理石の建物です。歴史の浅いこのアメリカで、メロン財閥の巨大な富がコレクションし、美術館を作り、それを国に寄贈した・・・。さながらに“アメリカン・ドリーム”の典型です。欧米各地の質の高い名作がそろっており、印象派・後期印象派の作品はオルセー美術館にも劣りません。
東館西館の展示をすべて鑑賞すると3日はかかるといわれていますが、予定は一日。西館の真ん中にはヨーロッパ風のロトンダ(円形の大広間)、左右には二つの中庭がありのんびりと読書をしている人もいました。何しろここは入場無料。宝の山が見放題なんです。ヨーロッパの美術館のように観光客でごったがえする風でもなく、まさに贅沢な空間でした。
なんとなんとここではフラッシュ禁止の写真撮影はOK!振り向くと夫が係官の人から撮り方のアドバイスを受けていました。ビックリビックリ!なんとまあアメリカは、おおらかというのかアバウトというのか・・・。
東館と西館の間には、地下にコンコース「動く歩道」があります。ここにはカフェとミュージアムショップがあり、ここで休憩。一人前のシーフードサラダの量に悩まされます。
ラファエロ、ボッティチェリ、フィリッポ・リッピ、ブリューゲル、ゴヤ、グレコ、ムリーリョ、アングル、ドガ、モネ、ルソー、セザンヌ、モディリアニ・・・。5時に係官が帰り始める時間まで立ち去りがたい気持ちで粘りました。アメリカ合衆国が誇る美の宝庫!来てよかった!