新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

川口成彦 & プレイエル1843 & 18世紀オーケストラ

2024年03月14日 | 音楽
川口成彦さんを知ったのは「第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール」で2位のニュースからでした。もう5年前のこと。ピリオド楽器というのもその頃から耳に馴染むようになりました。

川口さんの演奏は録画して聴いていますが、一度は生で聴いてみたい!
それがなんとオーケストラつきで実現しました。同コンクール1位のトマシュ・リッテルさん、それに第16回ショパン国際ピアノコンクール1位のユリアンナさんも出演されるのです。
何といっても使用ピアノが1843年製のピリオドピアノ「プレイエル1843」というのが特別なのです。プレイエルピアノは歌うような音色が大きな特徴だといいます。
ピリオド楽器とは、作品が書かれた当時の楽器のことで、現代の楽器とはいろいろな点で違いがあるということです。

ショパンもこのピアノで作曲したのです。だから曲のイメージもこの音色が近いのだと思います。
ショパンが愛用したプレイエルのピアノでショパンの曲が聴ける!これってレア物です!
 
ショパンとドラクロワの友情を書いた平野啓一郎『葬送』に、度々出てきたのがプレイエル社。そのピアノが目の前にある・・・何だか夢のようでした

◎モーツァルト:交響曲第40番
18世紀オーケストラは指揮者が居ません・・・。何かが足りない感じ・・・。コンサートマスターの合図で始まりました。
指揮者なしでどんな風に曲を作り上げていくのか不安でしたが、年間17回も世界演奏をこなすからには、特別の練習があるのでしょうか。
30数名の演奏者が全員立ったままで演奏するのはとても新鮮に感じました。

◎川口成彦(ピアノ)
藤倉大作曲の第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール委嘱作品から。たっぷりと流れる河のきらめきを思わせる様な感じで、ライン川を思い出しました。
ショパン:ポーランド民謡による大幻想曲。 
この2曲ともオーケストラ付きのピアノ曲でした。コンチェルトではありません。
1曲目の繊細に、2曲目の激しく、華やかに、とピアノの技巧が展開しました。

◎トマシュ・リッテル(ピアノ)
ショパン:クラコヴィアクはオーケストラ付きピアノ作品。
トマシュさんにはポーランドの舞曲が生まれたときから体に染みついているような、ピアノと一心同体と感じてしまいました。さすがポーランド生まれの優勝者です。

後半は、ピリオドピアノによるショパン:ピアノ協奏曲第1番はユリアンナ・アヴデーエワ演奏。
オーケストラの音が大きいので、現代ピアノとの区別がよくわかりませんでした。でも、2楽章のノクターン風の場面はピリオドピアノの美しさがよく出ていました。特に高音部が。
ショパンコンクール優勝から13年のユリアンナさん。この「1番」はどれ程演奏してきたかというくらい納得の演奏でした。40分の長~いコンチェルトは相当体力を消耗することでしょう。

ピアノソリストが3人となると、演奏時間もいつもより長くなりました。
「第1」の技巧を凝らしたコーダで曲が閉じるや否や、拍手の間に会場を飛び出しました。アンコールが気になったのですが、10時過ぎには家に帰り着きたいので。

比較的穏やかな一日だった13日はコンサート日和でもありました。これでまた思い出が増えました。









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