遅めのカーブスの体操教室が終わって野菜屋さんを覗くと、たそがれどきの店頭に「忘れられた姫君」みたいに、上等のつややかな栗がぽつんとひと袋寂しげに残っていました。「よくぞご無事で」とばかりに迷わずゲット。そう、今のうちに栗を買わないとそのうちに虫にやられてしまいます。
かくして栗の皮むきは、今ではベテランになった夫殿。私より丁寧だから渋皮が傷つかないように「栗くり坊主」で丁寧に鬼皮を剥きます。
レシピは、初心に帰って30年余り前の遠藤きよ子さんの作り方から。いろんな情報をあさっていろんな作り方を試みましたが、あまり気をてらわないやり方に戻りました。
①1キロのクリの渋皮を傷をつけないように鬼皮をむき、重曹を小さじ1杯入れた水に一晩浸します。
②翌日水をかえ、重曹小さじ1を入れた水で30分茹でます。
③水をかえて、今度は重曹を入れずに30分茹でます。
④もう一度水をかえて30分茹でます。
⑤砂糖400~500gと水を加えてクリが躍らないように50分煮ます。
⑥しょうゆ大さじ1~1.5を入れ5分ほど煮て汁を含ませます。
⑦熱湯消毒した容器に入れて冷蔵庫で保存します。
ここ何十年かの我が家の秋の季語みたいな渋皮煮、ねっとりと口にとろける栗はたまりません。渋皮の泥臭さも心に馴染みます。
そう言えば、去年は母の状態がよくなかったので渋皮煮のゆとりもありませんでした。毎年、作りたてを母のところに持っていくととても喜んでいました。
母が逝って間もなく1年。これからの渋皮煮作りはまた感慨が違ってきます。