新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

村木事務次官の活躍

2013年09月26日 | くらし

Img_2540今朝ラジオニュースを聞きながらキッチンに立っていると、厚労省の事務次官・村木厚子さんがワシントンで講演したことが報じられました。

村木さんといえば、4年前に大阪地検特捜部主任検事の証拠改ざんにより、無実の罪で数か月の拘留という、みんなの胸を割くような経験をされた方です。そんな中でも家族や同僚、友人の深い信頼と支援で無罪を勝ち取った方です。

ワシントンでの講演は、働く女性の支援策を紹介した折に、国内で自分が2人目の女性事務次官になれたのは「夫が子育てや家事を積極的に手伝うイクメンだったから。自分はとても恵まれていた」と語られたようです。低姿勢で物腰が柔らかくて敵を作らないというその姿が、家庭内の結束にも結び付いたのでしょう。

Photo_2いわれのない罪を負わされることを「濡れ衣を着せられる」といいますが、村木さんはまさにそれでした。

この語源がなんと福岡に伝わる平安時代の故事なのです。

1300年前、筑前国の国司の妻が病死。後妻は、国司が前妻の娘ばかりかわいがるのを嫉妬して嫌がらせを始めました。
ある日、漁師が国司の元に来て「あなたの娘が夜な夜な私のところに来て衣を盗んでいく」と告げ口をします。後妻が仕組んだことでした。
びっくりして娘の部屋をのぞくと、寝ている娘の上には濡れた衣が・・・。逆上した国司は娘の言い分も聞かずに斬り殺してしまいました。
後に、国司の夢に娘が現れ無実を訴えます。すべて真実を悟った国司は悔恨の涙を流し、ついには出家をするというものです。
こうして身に覚えのない罪を「濡れ衣」と表現するようになったということです。

一枚目の写真は、初めて今年たくさんの蕾をつけた秋明菊。酷暑の中でけなげにも元気に育ち、8月の残暑の中で咲き始めました。まだたくさんの蕾が残っています。もう少し先の凛とした空気の中で咲くほうが名前に合っている気がしますが・・・。

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8 コメント

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シュウメイギクが綺麗に咲きました。村木さん事務... (kazuyoo60)
2013-09-27 11:05:28
正義が勝つとは限らない世の中です。短期での判断では間違うこともですね。
シュウメイギクの花期も長いでしょう。朝の気温は低くなりましたね。
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秋明菊、くちこも、近年、好きになった花です。 (くちかずこ)
2013-09-28 14:44:38
年齢で?好きな花って、変わってきますね。
山野草に心惹かれるお年頃になりました。
苔、とかね。
ああ、侘び寂び・・・
濡れ衣の裏、知らない力がたくさん働いたのでしょうねえ。
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それにしても・・・・権力構造の中には恐ろしい罠... (山口ももり)
2013-09-29 11:43:37
があったのですねえ。濡れ絹・・・日本的な表現ですねえ。「日本人は雨を怖がる」といったヨーロッパの知り合いがいました。彼ら、雨に濡れたって結構平気ですよね。濡れるのを嫌がるのは湿度の多い日本だから???なあんて・・・ね
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こんばんは (花ぐるま)
2013-09-29 19:49:12
村木氏は本当に当初から冷静な方で、一度も文句も言わずに
検察のなすがままになさっていたことを思い出しました

夫も役人をされていても表に出ることもなくやはり冷静な方でしたね
イクメンをされていたとか。

事務次官として立派に職務を遂行されている姿、尊敬します
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シュウメイギクきれいに咲きましたね (ビオラ)
2013-09-30 20:26:49
我が家のもたくさんのつぼみをつけていましたが台風20号の塩害で
半分枯れたようになってしまって残念です
大阪地検特捜部主任検事の証拠改ざん事件は驚きでした
無実の罪に陥れられた村木さんが負けずいられたのは家族の支えがあったからと述べていましたが
その力は家庭生活の根本からうまれたのでしょうね
濡れ衣の語源はそういうことで塚まであるんすねぇ
知らずに使っていましたがそんな悲しいお話があったとは・・・
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◆kazuyoo60さんへ◆ (ちゃぐまま)
2013-09-30 22:56:10
真実は必ず明らかにされるという絶対的な思いの前に
ホントによく戦われたと思います。
一般的な取り調べの話を聞くと、かなりつらい体験だと
聞きます。私なら持たなかったかも・・・。
《正義が勝つとは限らない》ことは、ほんとに辛いですね。


◆くちかずこさんへ◆
シュウメイギクはやっぱり漢字で「秋明菊」がいいですね~。
日本語ってすばらしいですよね。
「秋明菊」と目にしただけで、色、かたち、周りの澄んだ空気
までイメージできますから。


◆山口ももりさんへ◆
《…権力構造の中には恐ろしい罠…》にぞっとします。
子供の頃、裁判があるから正義が勝つのだと信頼を置いて
いましたが、「筋書き」に沿って取り調べが進むことがあると
知って、何を信頼していいかわからなくなりました。


◆花ぐるまさんへ◆
村木さんのことは、真相が解明されたからよかったものの、
逆の場合を思うとぞっとします。
保釈された時も、無罪判決があった時も、決して怒らず、
決して恨まず・・・。とても真似できません。


◆ビオラさんへ◆
村木さんは官僚としての能力も相当なもので、早くから次官候補の
呼び名が高かったと知りました。
能力と人格が結びついたからこそ、周りの信頼と支援があったのだと
思います。
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濡れ衣の語源、初めて知りました。切なく哀しいで... (mint)
2013-10-01 17:28:35
司法に携わる方は、冤罪を生み出さないよう細心の注意と、最大の努力をしてほしいですね。
私は、村木さんの無罪判決が出た時、内容は全く違うのですが、コッポラの映画「レインメーカー」を思い出しました。
勝つか負けるかばかりに拘ると司法の持つ大切な役割が見えなくなるような気がします。
ともあれ、あの事件で郵便法違反で何十億もの不正なお金が生まれていたことも知りました。
村木さんの人格と能力、トップに立たれる方の鑑ですね。

秋明菊、可憐な花ですね。まあるい蕾がまた可愛らしくて好きです。
我が家にあるのは濃いピンクです。旺盛なローズマリーに押されて倒れかけているので場所を変えてあげなければと思っています。
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◆mintさんへ◆ (ちゃぐまま)
2013-10-01 23:45:38
検察の検挙率を上げるために・・・、断じてあってはならない
ことが起こっていました。
証拠の改ざんという身震いするよなニュースに、司法に対する
信頼が一挙に崩れました。
自分の身に何かが起こった時に、不正を裁くのは司法しかない
と信頼していました。

「レインメーカー」は観たことはありませんが、お金を雨に例えて
雨が降るように大金を稼ぎまくる弁護士を表しているとか。
司法に権力やお金がまつわると、とんでもない世の中になりますね。
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