新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

スロヴァキア国立オペラ2016久留米公演

2016年06月20日 | 音楽

久留米に、毎年恒例のスロヴァキア国立歌劇場のソリストたちがまたやってきました。オペラではなくコンサートオペラです。
聞き覚えのあるアリアを中心にストーリーを簡潔に構成し直したダイジェスト版で、最小限の小道具とピアノ伴奏、ソリストの歌という形式で上演されます。
ダイジェスト版だから、大まかなあらすじはナレーターのダナさんの流暢な日本語とパンフレットの解説がつないでくれます。
素人にも分かりやすくリードしてくれるので、地方都市の公演でも満席の人気を誇るのでしょうか。

ヴェルディ作曲「リゴレット」の《♪風の中の~ 羽のように~ いつも変わる女ごころ~・・・♪》はみんながよく聞くメロディです。
登場人物は道化師のリゴレット、その愛娘ジルダ、好色のマントヴァ公爵の3人だけですが、テノール、ソプラノ、バリトンの美しい歌声で複雑な内容が見事に進行していきます。
ソプラノは昨年の魔笛で見事なコロラトゥーラを披露したマリアナ・ホヘロヴァー。ジルダの純真な心と迷いを格調高く歌い上げてくれました。

第二部:オペラ、オペレッタの曲は3人のソリストが数曲ずつ渾身の力を込めて歌います。言葉はわからなくても心に響くということに、音楽の持つ妙味があるのでしょう。

「恒例行事」であり前年と同じソリストもいて、まるで親戚の人を迎えるような、そんな市民と出演者の距離感がとてもいいのです。
ソリストたちもにこやかでリラックスしていて久留米に帰ってきたという感じが受け取れます。文化の交流は何物にも代えがたい楽しみと平和を与えてくれます。
10日間ほどの間に、5カ所を駆け巡る日本ツアーで
スロヴァキアと日本の文化交流を行っています。

旅行で10年ほど前に訪れたスロヴァキアは、チェコとスロバキアに分かれて間もないまだ歩み始めたばかり…。
旧市街の世界遺産の修復もままならない…という記憶がありますが、丘の上から見た新市街に新しいエネルギーを感じました。今はずいぶん変わっているようです。

来年の6月公演と演目も発表されました。「セビリヤの理髪師」です。
公演の利益は福祉関係に全額寄付されています。

安価なチケット料金で、こんなに素晴らしい場を提供してくださる交流の会の方々の見えない努力に感謝し、また来年の公演を楽しみに待っています。


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4 コメント

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◆◆くちかずこさんへ◆◆ byちゃぐまま (ちゃぐまま)
2016-06-22 13:04:38
音楽の深い所はわかりませんが、ただ聴いているだけで幸せになる、芸術鑑賞って
それでいいのだと思います。
お嬢さんの東欧のことはとても印象に残っております。早くからグローバルに仕事を
したいと、独立心旺盛だったのですね。
Windows10 のこと。私の機種が5年も経ち古い型だからと思います。今はアイコンを
消し去りやっと安心しているところです。
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◆◆ビオラさんへ◆◆ byちゃぐまま (ちゃぐまま)
2016-06-22 12:59:10
本物のオペラでなく、コンサート形式の肩の凝らないものです。だから地方都市で
これほどの集客ができるのでしょうか。
それにしても観客のわくわく感の表情がとてもいいのです。こういう形で音楽が
静かにしっかりと根付いていく・・・、素晴らしい企画だと思います。
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Unknown (くちかずこ)
2016-06-21 14:39:22
本当に音楽、芸術に造詣が深いなあ。
くちこは、アホなのかザルなのか・・・
子供の頃には、よくコンサートにも行っていたのですが、あれは何だったのか?
子供達の方がくちこよりマシみたいです。
そう言えば・・・
長女は東欧、何度も一人旅しています。
今から十年以上前に、女一人で半月程度で。
院は政治学専攻でしたが「ワルシャワの春の失敗が国民に及ぼしたもの」だったか?
研究テーマだったらしいです。
ワルシャワ大学との交換留学の最終選考で落ちてしまいましたが、もし行っていたら婿は青い目だったかも?
Windows10ね、8からだと、何の問題も無かったですよ。
7からの移行が問題なのかなあ?
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オペラ (ビオラ)
2016-06-21 14:08:57
ピアノの演奏会の後はスロベキア国立オペラですか
私にはあまり縁のない世界ですが
ちゃぐままさんが音楽に酔いしれる時間を楽しまれた様子が伝わります
交流会の方達の骨折りで毎年恒例となり
その利益は福祉関係に寄付されるというのも素晴らしいですね
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