<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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もうすでに化石的テレビ番組と言っても過言ではないと思うのが毎日放送テレビ系で放送されている「世界不思議発見!」。
毎回レポーターが世界各地に繰り出して、その国や地域での風習や歴史、地理に関わるトピックをクイズ形式で取り上げて進行していくという紀行番組だ。

この種の番組は20年以上も前には他にもあった。
例えば関西テレビ系で放送されていた「なるほどザ・ワールド」はその代表格。
愛川欽也の軽快な司会と、毎回登場する陽気なレポーターがめったに海外に出る機会などなかった私たち視聴者を楽しませてくれた。
「あああああ、海外にはこんな素敵なところや、こんな不思議なところが一杯あるんやね」
と言う具合に。

私はといえば大橋巨泉が司会していた「世界まるごとハウマッチ」がお気に入り。毎回毎回、世界各地の色々の製品やサービス、物価などをその地域の通貨の単位で答えていくのが、「ジャパンアズナンバーワン」と言われたあの時代の雰囲気に乗っかって、とっても楽しかったことを記憶している。

「世界不思議発見!」はそんな紀行番組の中でも後発で、司会がNHK出身アナウンサーということもあり、地味だった。
にも関わらず、他の番組が次々にその使命を全うしたのとは対照的に、現在もなお放送され続けているのだ。

ひとつの番組が長く続くと、それなりの「威厳」に似たものを持つようで、最近何度かこの番組を見ることが有り、その取材対象がやけに立派なのに驚いた。
ブータン王国ではレポーターが国王に握手をしてもらったり、ローマではミュージカルのオーディション審査委員にレポーターがなったり、とある意味好き放題。
もしかするとスポンサーである日立製作所の力なのかも知れないが、単なる気候バラエティを超越した存在だ。

さて、「威厳に似たもの」を持ち出すと、同時に「驕り高ぶり」も出てくるのは人間どうしても悲しいもの。
というのも、この「世界不思議発見!」。
取材内容に凝りすぎて、中身、つまりレポートの筋書きにいい加減なことがある。
よくよく考えているとつじつまが合わないのだ。

例えばローマのレポートで「カエサルが暗殺されて」と、いうシーンでコマーシャルに入ったのだが、コマーシャルが終わって本編に戻ると、カエサルの話題はどこかへ消えてしまっていたのだ。
「ブルータス、おまえもか」
というセリフが聞かれるのかと思っていたこっちはズッコケタ。
こういう、筋書きがビョンビョン飛んでいくことが少なくなく、
「ほんと、どうなっとんだ、この番組」
と思うことが少なくない。

ということで、にこやかに話して親しみが持てそうな雰囲気だけど、よく見ると厳つさ漂う板東英二や、相変わらずでかい声だけど、寄る年波に舌がまったく回らない黒柳徹子を回答者に置くのなら、そろそろ幕引きにしたらどうなのかともう思うのだが。

骨董番組「世界不思議発見!」
番組構成は「不思議」にしては、意味なしと思うのであった。

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