<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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旭山動物園を訪れたのは三年前のちょうど今ごろ。
「上野動物園よりも客が入る動物園が北海道の果てにある」
ということを耳にした私は、これは是非とも自分の目で「なぜそんなに客が集まるのか」というのを見なければならない、と思い、貯まったマイレージポイントを使ってタダで旭川まで行ってきた。

正直、ビックリした。
衝撃的ですらあった。

玄関は私の地元、大阪の天王寺動物園よりも遥かに劣るみすぼらしさ。
「旭山動物園は凄い!」
という言葉に騙されて、ついついここが市営の動物園であることを忘れていて、チケットを買おうと思って窓口に並ぶと、その安さにビックリしてしまう。

そんな動物園は、動物を観賞することについては、これまでに体験したことのないエンタテイメント性に優れた学習施設なのであった。

冬季のたった3時間の開園時間ではあったが、その3時間を十二分に楽しめた旭川の一日であった。

それからすぐに旭山動物園の人気は爆発し、大阪や東京の私の周囲の人々も上野や天王寺に行ってみる、と言い出した。
私も行く価値あり、と勧めた。

その超人気の旭山動物園が、廃園の危機から立ち上がり、日本一の入園者数を誇る北海道の名物動物園になった経緯を描いたのが角川映画「旭山動物園物語」だ。

私はこの映画は動物を扱った「お子様」作品だと思っていたが、まったく違っていたのだった。
確かにお子様向けという部分もなくはなかったが、監督があのマキノ雅彦。
お子様オンリーであるはずがない。

出演者も相変わらずクセのある人たちを集めていた。
正直、園長を演じた西田敏行の演技はあまりに脂ぎっているため、少々辟易とする部分がなくもなかったが、映画として全体のバランスが上手くとれており、料金の価値はあるんじゃないかと思えるような仕上がりだ。
とりわけ家族連れで見に行くと、「良かった」と納得するのではないだろうか。

マキノ雅彦監督が肩の力を抜いた佳作なのであった。

~「旭山動物園物語」2008年作 角川映画~




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