筋肉って、引き伸ばし続けると
細胞レベルで長さが伸びてくって、ご存知ですか?
筋肉は細かくほぐしてゆくと「筋節:きんせつ」という伸縮装置の集まりなんです。
図版引用:運動学 医歯薬出版株式会社
上の図の一番下が「筋節」です。
アクチン蛋白でできた鞘にミオシン蛋白が、
あたかも刀が鞘に納まるように滑り込むことで筋収縮が起きると考えられています。
この筋節がタテ並びに直列して筋肉全体の長さとなります。
つまり千個並べば千個分の、一万個並べば一万個分の長さをもった筋肉になるんです。
筋節の伸縮には「伸縮装置」としての限界があるので、
当然伸びしろも筋の長さに見合ったものになるのです。
ちころで、ストレッチを長年続けていると柔軟性が増してゆくのは
経験的に皆さんもご存知でしょう。
その「柔軟性の向上」の仕組みの一つが「筋節」が増えることにあるんです。
例えば千個分の筋節を持つ筋肉をストレッチしたまま数週間置いたとします。
すると、徐々に筋節が増えてゆくんです。
引き伸ばされ続けた筋肉はその刺激に対して
「これでは長さが足りない(泣)」
と考えるのか、せっせと筋節を作り出し、
増えた筋節分、筋肉の全長が長くなるんです。
こうして、私たちの身体は環境に細胞レベルで変化し適応してゆくんですね。
面白いと思いませんか?(面白がってるのは私だけかもしれませんが…)
さて、今日お話したいのは「産後の腰痛」です。
子供を宿し、そして世に生み出すのはとても大変なことですね。
妊娠六ヶ月あたりから、お母さんのおなかの大きさも際立ってまいります。
すくすくと大きく育つ赤ちゃんを包むお腹の筋肉は、
じりじりと引き伸ばされてゆきます。
そうした状況が3~4ヶ月もつづくわけですから、
お腹の筋肉を形作っている筋節も当然増えるんですね。
のびのびに伸びたお腹の筋肉は、赤ちゃんが出てゆけばその分たるむわけです。
お腹の筋肉は骨盤を構成する「寛骨:かんこつ」という骨についています。
↓蝶のような形をした骨が骨盤。蝶の羽のような形をした一対の骨が寛骨です↓

骨盤のささえとなっているお腹の筋肉が弛めば骨盤は正しい位置にとどまることができません。
この場合、蝶の羽のような寛骨は外に開いておじぎしてしまいます。
こうなると骨盤はとても不安定になり、骨盤周囲の筋肉にアンバランスな緊張がうまれます。
お腹の内臓はお腹を取り巻く筋肉によって正しい位置に納まっているものですから
お腹が緩めば重力に負ける形で内臓は下垂して下っ腹が飛び出したりもするわけです。
腰の部分の背骨の支えは大雑把にいうと
1、背中の筋肉:起立筋群
2、背骨の前側の深層の筋肉:腸腰筋
3、お腹の筋肉:腹筋群
などでなされます。
↓「背骨の前側の深層の筋肉」:腸腰筋の短縮による影響

図版引用:クリニカルマッサージ 医道の日本
※大腰筋の短縮は、寛骨の前方回転と腰仙部へ後方への剪断力(ずれ)を生み出す動力となってしまう。
しかし、お腹の支えのないこの状況では、
背中の筋肉と背骨の前側の深層の筋肉の負担は増してしまい故障を起こしてしまいます。
それはいったいどんな痛みとして現れるのでしょうか?
そう、腰痛です!
そこで!
産後の腰痛でお困りのお母さんへオススメの体操をご紹介したいと思います。
その1:枕はさみ歩き
CIMG5367
動画ではおまたの間に柔らかめのゴムボールをはさんで30秒ほど後ろ歩きをしています。
エクササイズ後には大きく後ろに反れているのがお解かりいただけるでしょうか。
挟む物はクッションやタオルを丸めたものでも結構です。
挟んだときに両腿の幅が腰の幅になる厚みのものを選んでみて下さい。
この動画の方法は「後ろに反ると痛む腰痛」の解消法です。
「前にかがむと痛む腰痛」の方は30秒ほど前進してみて下さい。
この体操をすると、背骨と骨盤を支える
「インナーユニット」と呼ばれる深層筋たちが元気を取り戻してくれます。
自前のコルセットといったところでしょうか。
本物のコルセットと違い、蒸れたり
締め付け続けることで循環障害が出たりといった弊害もありません。
深層筋を鍛えるのにももってこいです。
普段のケアとしてもご利用下さい。
その2:ヒップ・ウォーク
DSCF2369
↓「ファンクショナルライン」の図

図版引用:アナトミートレイン 第2版
これは「ファンクショナルライン」とか「アウターユニット(前面)」など
と呼ばれている筋肉たちです。
お腹側から骨盤を包み、寛骨を脚の動きに合わせて動かし、
仙腸関節を前側から支える働きを持っています。
ヒップウォークはこれら表層の筋肉たちの働きを取り戻し、
強化するための運動です。
基本的にはヒップウォークのあとには前屈が大きく楽にできるようになります。
「その1」「その2」をやったら
最後にも一度「その1」を行って〆となります。
腰の痛い方だけでなく、産後の「骨盤のゆがみ」を気にされる方にもオススメです。
(産後のお母さんでなくとも腰痛の方にはオススメです。)
妊娠・出産はとても大きなストレスを母体にもたらします。
産後には母体にも大きなダメージがのこります。
しかし、育児中のお母さんはなかなか一人で出かけるのが難しく
治療に通うのもままならないとの声をよく耳にします。
赤ちゃんをあずけるとしても諸々スケジュールの調整が必要ですし、
二の足を踏まれる方も多いようです。
でも、気にせずにご来院ください。
大丈夫です。
赤ちゃんが泣いたってへっちゃらですから、僕。
「毎日母さん」の西原理恵子さんも
「赤ん坊の泣き声は鈴の音のようだ」っていってますし、
どうぞ気軽にご相談下さい。
細胞レベルで長さが伸びてくって、ご存知ですか?
筋肉は細かくほぐしてゆくと「筋節:きんせつ」という伸縮装置の集まりなんです。

上の図の一番下が「筋節」です。
アクチン蛋白でできた鞘にミオシン蛋白が、
あたかも刀が鞘に納まるように滑り込むことで筋収縮が起きると考えられています。
この筋節がタテ並びに直列して筋肉全体の長さとなります。
つまり千個並べば千個分の、一万個並べば一万個分の長さをもった筋肉になるんです。
筋節の伸縮には「伸縮装置」としての限界があるので、
当然伸びしろも筋の長さに見合ったものになるのです。
ちころで、ストレッチを長年続けていると柔軟性が増してゆくのは
経験的に皆さんもご存知でしょう。
その「柔軟性の向上」の仕組みの一つが「筋節」が増えることにあるんです。
例えば千個分の筋節を持つ筋肉をストレッチしたまま数週間置いたとします。
すると、徐々に筋節が増えてゆくんです。
引き伸ばされ続けた筋肉はその刺激に対して
「これでは長さが足りない(泣)」
と考えるのか、せっせと筋節を作り出し、
増えた筋節分、筋肉の全長が長くなるんです。
こうして、私たちの身体は環境に細胞レベルで変化し適応してゆくんですね。
面白いと思いませんか?(面白がってるのは私だけかもしれませんが…)
さて、今日お話したいのは「産後の腰痛」です。
子供を宿し、そして世に生み出すのはとても大変なことですね。
妊娠六ヶ月あたりから、お母さんのおなかの大きさも際立ってまいります。
すくすくと大きく育つ赤ちゃんを包むお腹の筋肉は、
じりじりと引き伸ばされてゆきます。
そうした状況が3~4ヶ月もつづくわけですから、
お腹の筋肉を形作っている筋節も当然増えるんですね。
のびのびに伸びたお腹の筋肉は、赤ちゃんが出てゆけばその分たるむわけです。
お腹の筋肉は骨盤を構成する「寛骨:かんこつ」という骨についています。
↓蝶のような形をした骨が骨盤。蝶の羽のような形をした一対の骨が寛骨です↓

骨盤のささえとなっているお腹の筋肉が弛めば骨盤は正しい位置にとどまることができません。
この場合、蝶の羽のような寛骨は外に開いておじぎしてしまいます。
こうなると骨盤はとても不安定になり、骨盤周囲の筋肉にアンバランスな緊張がうまれます。
お腹の内臓はお腹を取り巻く筋肉によって正しい位置に納まっているものですから
お腹が緩めば重力に負ける形で内臓は下垂して下っ腹が飛び出したりもするわけです。
腰の部分の背骨の支えは大雑把にいうと
1、背中の筋肉:起立筋群
2、背骨の前側の深層の筋肉:腸腰筋
3、お腹の筋肉:腹筋群
などでなされます。
↓「背骨の前側の深層の筋肉」:腸腰筋の短縮による影響

図版引用:クリニカルマッサージ 医道の日本
※大腰筋の短縮は、寛骨の前方回転と腰仙部へ後方への剪断力(ずれ)を生み出す動力となってしまう。
しかし、お腹の支えのないこの状況では、
背中の筋肉と背骨の前側の深層の筋肉の負担は増してしまい故障を起こしてしまいます。
それはいったいどんな痛みとして現れるのでしょうか?
そう、腰痛です!
そこで!
産後の腰痛でお困りのお母さんへオススメの体操をご紹介したいと思います。
その1:枕はさみ歩き
CIMG5367
動画ではおまたの間に柔らかめのゴムボールをはさんで30秒ほど後ろ歩きをしています。
エクササイズ後には大きく後ろに反れているのがお解かりいただけるでしょうか。
挟む物はクッションやタオルを丸めたものでも結構です。
挟んだときに両腿の幅が腰の幅になる厚みのものを選んでみて下さい。
この動画の方法は「後ろに反ると痛む腰痛」の解消法です。
「前にかがむと痛む腰痛」の方は30秒ほど前進してみて下さい。
この体操をすると、背骨と骨盤を支える
「インナーユニット」と呼ばれる深層筋たちが元気を取り戻してくれます。
自前のコルセットといったところでしょうか。
本物のコルセットと違い、蒸れたり
締め付け続けることで循環障害が出たりといった弊害もありません。
深層筋を鍛えるのにももってこいです。
普段のケアとしてもご利用下さい。
その2:ヒップ・ウォーク
DSCF2369
↓「ファンクショナルライン」の図

図版引用:アナトミートレイン 第2版
これは「ファンクショナルライン」とか「アウターユニット(前面)」など
と呼ばれている筋肉たちです。
お腹側から骨盤を包み、寛骨を脚の動きに合わせて動かし、
仙腸関節を前側から支える働きを持っています。
ヒップウォークはこれら表層の筋肉たちの働きを取り戻し、
強化するための運動です。
基本的にはヒップウォークのあとには前屈が大きく楽にできるようになります。
「その1」「その2」をやったら
最後にも一度「その1」を行って〆となります。
腰の痛い方だけでなく、産後の「骨盤のゆがみ」を気にされる方にもオススメです。
(産後のお母さんでなくとも腰痛の方にはオススメです。)
妊娠・出産はとても大きなストレスを母体にもたらします。
産後には母体にも大きなダメージがのこります。
しかし、育児中のお母さんはなかなか一人で出かけるのが難しく
治療に通うのもままならないとの声をよく耳にします。
赤ちゃんをあずけるとしても諸々スケジュールの調整が必要ですし、
二の足を踏まれる方も多いようです。
でも、気にせずにご来院ください。
大丈夫です。
赤ちゃんが泣いたってへっちゃらですから、僕。
「毎日母さん」の西原理恵子さんも
「赤ん坊の泣き声は鈴の音のようだ」っていってますし、
どうぞ気軽にご相談下さい。