さてさて、前回の続き、成長期特有の「フォームの崩れやすさ」の理由編。
成長期にはまず骨が先に延びます。
遅れて筋や腱の長さが追い付いてゆきます。
これが曲者。
筋腱の長さが追い付くまでの間は、骨格に対して相対的に筋腱は短い、ということになります。
骨格に対して筋が短いということは、関節の動かせる範囲(可動域)が狭くなってしまう、ということなんです。
成長期の子達によく見るケースでいえば、
しゃがむ運動の際に十分な筋の長さがないために、下肢の構造上安全な位置関係で運動をコントロールができず、
足りない動きを膝を内外にあおる(ニーイン/ニーアウト)ように使ったり、
腰部を過度に曲げ伸ばしすることで代償するようになるんです。
そうした関係(低可動性と過可動性の関係)が長く続くと、過剰に動かされていた関節が傷ついてしまうんです。
通常は筋の成長と運動学習が進む過程でこうした異常な運動も消えてゆくのですが、
フォームの意識やセルフケアの意識(ストレッチへの取り組みなど)が希薄なまま運動を繰り返してゆくと誤った運動が定着してしまうケースも出てきます。
当然と言えば当然なことなのでしょうが、私のところに来なくてはならなくなった子達は後者が圧倒的に多いわけです。
こうした狂ったコントロールを見るケースは大人にも多く、内心では成長期の誤った運動学習の痕跡なんじゃないかと疑ったりもしています。
話を戻して。
骨の固まり切っていない成長期の子供たちの場合、こうした異常運動は「オスグット」然り「シンスプリント」然り、骨の成長点の傷を生み、長く故障の尾を引いてしまうのが悩ましいところ。
ですので、成長期の子供たちの運動指導では「正しいフォーム」と「ストレッチの習慣をつけてあげる」ことに気を配っていただきたいなと思うのです。
でもですね、そうは言っても競技動作自体の「フォームの正しさ」を看破できるか?となるとハードルが偉く高くなりますので、
まずは「しゃがむ」「立つ」という歩くよりも前の基本的な運動について「正しく動く」ことができているのか見ていただきたいのです。
前出の異常なコントロールという問題が目の前の子供たちにあるのかどうかを見極めるには(評価するには)いままで書いた通り
「スクワットテスト」が最適です。
ようは「下まで綺麗にしゃがめるか?」そして「真直ぐ立ち上がれるか?」を観ること、です。
それができないときには飛んだり跳ねたりの前に、きちんとスクワットができるよう練習をすることが大切です。
そしてここが重要!!
正しい(=関節にも優しくエネルギー効率も良い)運動を獲得するためには「ウエイト」という負荷が役に立つ!!!!!!!!!ということ。
なぜか?
それは私たちの運動学習のベクトルが運動の効率化がメインテーマにあって、
その効率化の過程は、試行した個々の動きの比較によって「(より)正しい」運動の選択がなされるからなんです!
そして、その『「(より)正しい」運動の選択』をさらに効率的に進めるのにバーベルトレーニング(重量物による負荷)が役に立つんです!!
え?
何言ってるかわからない??
はい、そうだと思います。
次回、一個一個、順を追ってご説明しますね。(^^;
<まだ、つづく…(;´Д`)>