安心と検査

2020年03月14日 | よもやま話

3/11にパンデミック宣言が出ましたね。

よりによってこの日に宣言が出るなんて、皮肉な話です。

この日、ニュースで福島県の魚市場の様子が流れていました。

市場には座布団みたいなヒラメがたくさん並んでいます。

そのヒラメを検出限界が数ベクレルという感度の高い検査機器を使って調べると

「ND(不検出)」の文字が並びます。

ご存知の通り、国の基準はキロ当たり100ベクレル。

このヒラメ、仮に放射性物質が含まれていても基準をはるかに下回り、数ベクレルなのだといいます。

でも、

安全なのに値段は震災前の1/3なのだとか…

食べ盛りの高校生の食卓にはなかなかヒラメが並ぶことはないのですが(うちの場合だいたい鶏か豚)、

このニュースを見たらきっと多くの方が安心してくれるんじゃないでしょうか。

不安は混乱を引き起こしますが、安心は理性と秩序をもたらします。

もっと公的な力で地元の声を拾ってあげられたらいいのに。

そう思います。

 

返す刀で新型コロナ。

まずは検査をしてほしい。

症状の有無を別として、人の身体に触れる仕事をする以上、

すこしでも患者さんに安心して治療を受けていただきたい。

それには検査。

『感染者がいるかもしれない』という不安は、不必要な拒絶を生みます。

原発被災地の今を見ればはっきりしています。

消費者が納得できるレベルの検査をして、その結果を周囲が知れば誤解は解ける。

そこに力を注いであげられるかどうか。

これって大事なことだと思います。

携帯のニュースでは「ただしく怖がる」なんて言葉も出てきますが、

明確な根拠を指さなければ「正しく怖がる」ことなんてできません。

そして、その根拠を周知しなければ無用な拒絶もなくなりません。

検査をみんなに受けさせたら「いっぺんに人が押し寄せてきて医療崩壊してしまう」というけれど

それこそ政治の出番ではないでしょうか?

大切なのは仕組み造りと明確なリードです。

検査だけをするならば健診センターなんかも使えますし、

人員と機材が確保できるなら、いま休校になっている学校の体育館なんかでも検査できるんじゃないでしょうか?

病院での検査は院内感染のリスクがありますから、

それを避ける意味でも新型コロナの検査自体を病院以外で行うのは一つの選択肢としてあっていいと思うのです。

また、おそらく検査を実施する際にはトリアージ(患者の重症度に基づいて、治療の優先度を決定して選別を行うこと)を

並行して行うことになると思うんです。

その上で、病院へ行くべき人、自宅で療養してもらう人を分けることになる。

既存の病院にすべてを行わせる前提ではなく、過剰な仕事分を賄う仕組みを作ることに労力を割いたらいいのに、と思います。

トリアージでは、不幸にもあとで判断が間違っていたと責められるようなケースも当然出てくると思うのだけど、

医師や病院関係者はそもそもそうした責任をきちんと背負って日々の治療にあたっています。

あとは国の長が秩序立った仕組み創りとその施策に対する責任を負う覚悟を持てるかどうか、

そこにかかっているように思います。

非常事態宣言が出るのでは?

といった不安がそこここから聞こえていますが、

やるならば実効性の望める内容で挑んでいただきたい。

明確な目標と成功の可能性が見えるならこっちも頑張れます。

でも、今までの経過を見る限りではそれは難しいのかもしれませんね…


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