この半月、高校進学した息子のお弁当作りやらなんやらで睡眠不足気味。
それでもトレーニングは週に2~3日は続けています。
ただ、そのせいかこの一週間は日常的な疲労度も高く、
練習の強度も下がりがち…
2月から続いた上り調子もここまでか!?
とあきらめ半分で練習場目向かった昨日、なんと
スナッチ78kg(+3kg)のクリーン100kg(+5kg)
が取れてしまいました。
この日は体調を考えてスクワットなどの補強種目は外して
スナッチとクリーン&ジャークのスキル練習をしようと考えていました。
いつもならスナッチのメインセットは65kg~70kgを一本ずつ
数セット行うのですが、この日は動きに切れが出ずスナッチは
65kgで失敗が続きます。
「65kgが取れない」=「調子の悪い日」です。
体感重量的にはそこまで重くは感じないのですが、なんせ体がだるい…
『きょうは挙がらんのぉ…(-_-;)』
とベンチに腰を下ろし、ぼんやりと体調不良の自己分析をします。
『この症状は交感神経の過緊張によるものだろうな…
でも、体感重量はそこまで重くはない=力が出ていないわけでもない。
神経系過緊張を抑えればワンチャンあるかもしれない…かも!?』
起立筋は交感神経との連絡を持っていますので、起立筋へのストレッチで
交感神経の過剰な興奮を収めることができます。
交感神経の過緊張による全身の倦怠感や不眠(いわゆる自律神経失調症)
の相談なんかでも起立筋のストレッチはよく提案するセルフケアです。
上手くいけば全身を覆うだるさを抑えることができるかもしれない
と考えました。
選んだストレッチは真向法。
後ろにでんぐり返しをしたような姿勢で背中を伸ばすあれです。
こう書くと
『スタティックストレッチを運動中に行うと筋出力を引き下げてしまったり、
関節の不安定性が高まって故障しやすくなるのでは?』
と心配される方もいるかもしれません。
でも、心配ご無用。
30秒間のスタティックストレッチは柔軟性の向上を得られつつ
筋機能を高い状態で維持することができるとの実験結果があるんです。
ただし、その実験では持久系の能力を追っていましたので、
ウエイトリフティングのような瞬発系の能力に対する効果はどう出るかは
未知数でした。
ですので、3月下旬のころに自分の身体で
「スタティックストレッチの瞬発的筋力発揮への影響」
について実験してみました。
4回のトレーニングを通じて、
セット間のインターバル中に各種目ごとの主動筋に対して30秒間の
スタティックストレッチを行って挙上重量の変化を見てみました。
すると普段の練習よりもメインセットで扱える重量は3~5kgほど高く、
ボックススナッチ、ボックスクリーン、スクワットの3種目で
自己ベスト更新までしてしまうという結果でした。
ほんの一例ではきちんとした検証にはなりませんが、
確かな手ごたえが感じられましたのでみなさんもお試しになってみてください。
ということで、30秒間じっくり起立筋を伸ばします。
ストレッチを終えてみると先ほどまで全身を包んでいた倦怠感は大分
和らいだのを感じます。
それから30秒ほどたってから65kgのスナッチに再挑戦すると
無事いつも通り挙げることができました。
65kgを終えてみると今度はふくらはぎの硬さが気になりだしたので、
アキレス腱のストレッチ(30秒)も追加します。
腓腹筋は起立筋との筋連結がありますので、起立筋の緊張亢進と
交感神経の過緊張への配慮にもなるとの期待もありました。
2つのストレッチを終えると身体も軽く、
トレーニングに対する意欲も高まってきました。
その後の70kg。
いつもは1本づつ6セットほどおこない1~3本とれるかどうかなのですが、
この日は3レップ連続で取れてしまいました。
3レップの自己ベスト更新です。
どうやら神経系にターボがかかったようですので、
そのまま75kg(3月に取った自己ベストタイ記録)に挑戦です。
75kg、余裕もをって成功。
つづいて78kgに挑戦します。
結果はギリギリ成功。
その後、80kgに挑戦しますがこれはまだ実力不足でした。
ここまででスナッチは終了。
そこから今度はクリーン&ジャークに移ります。
ジャークは90kgまでできましたが95kg(自己ベストタイ)はクリーンまで。
95kgは2度ほどトライしましたがジャークが差し切れませんでした。
先週の練習で左肩を軽く痛めていたので痛みなく90kgまで取れたのは
むしろ収穫だったかもしれません。
しかし、クリーンはいい感触だったので戯れに100kgに挑戦してみました。
先月挑戦したときはキャッチまでで立つことができなかったのですが
クリーンまでは無事成功することができました。
クリーンベスト5kg更新です。
当然ジャークもやる気満々でしたが、
くらんで(脳貧血を起こして、の意)しまい刺せずじまいでした。
話はそれますが、クリーンで生じる「くらみ」はどういうわけか
上部僧帽筋の過緊張との関連があるようです。
くらみやすい時、上部僧帽筋のストレッチを十二分にしてからリトライすると
「くらみ」を抑えることができます。
当然この日も僧帽筋をガシガシ伸ばしてリトライしましたが、
もう脚が残っておらず(疲労で力が出ないの意)ジャークに移るどころか
立つことができず、ジャーク100kgはまたの機会に見送ることになりました。
本来ならばここからスクワットやデッドリフトなどの補強に移るのですが、
この日は二つもベストを更新しており、神経系への負荷が大きかったことを
考えて軽くプレス(ショルダープレス)をして練習を終えました。
今までの経験上、体調が悪いのに高い出力が出たときは〆のトレーニングで
怪我を負うことが多いためです。
怪我というアクシデントは昨年9月で懲り懲りです。
結果的に5か月も遠回りしてしまいましたので、今年こそはそうしたロスなく
夏の大会を迎えたいものです。
そうして自重した翌日(これを書いている今)、
思った通り体中が軋んでいます。
昨日の練習に手ごたえがあったせいか充実した痛みではありますが、
『あそこで切り上げておいてよかった~(;´∀`)』
とホッと胸をなでおろしたのでした。