変形性股関節症

2010年08月03日 | 治療の話
【変形性股関節症】

先天的に股関節(の受け皿側)が未発達(形成不全)な方や、

股関節周囲の筋バランスの悪さ(内転筋やハムストリングスの短縮が強いなど)

といった問題を持つ方に起こりやすい障害です。

これらの問題を持つ方は、動くたびに股関節がガタガタグラグラすることで、

関節が傷つきやすいんです。

そんな状態が長引けば、徐々に関節は変形してきます。

変形が進むと今度は関節の動きが悪くなります。

特に股関節を外に開いたり(外転)後ろへと引いたり(伸展)する動きがしにくくなります。

症状としましては、変形した股関節周辺も痛みますが、

股関節の動き辛さを補うために周辺の関節に無理な動きを強いるので

腰や反対側の膝まで痛めるケースも珍しくありません。


ここのところ「変形性股関節症」の患者さんからのご相談が増えてます。

これには、ご自身で「変形性股関節症」を自覚されていない例などもあったりします。

たとえば、

脊柱管狭窄症と診断され、腰下肢痛のご相談でご来院された方が、

その背骨が変形するほど無理を受け続ける背景として変形性股関節症があって、

その股関節の動きを拡げないことには腰の負担も減らせない…

なんて例もありました。


治療としましては、関節周囲の拘縮した組織(主に内転筋・腸腰筋・関節包や靭帯)を

手技療法でやさしく伸ばし

萎縮した筋を鍛えつつ、正常な関節のコントロールを神経に思い出させるために

機能訓練を施します。

それから自宅でできる治療法や機能訓練をご提案したりします。

一般的には

『骨が変形してるんだもん、そりゃある程度いたくってもしょうがないよ。』

と、シップ薬で痛みを紛らわし

変形が進行しいよいよとなったら

『人工関節に交換しましょう』

となることが多いようです。

個人的にはよほどの例(骨性強直)でない限り、

お役に立てることが多いようです。

ま、魔法のように一発でと行く障害ではないので、

連打必勝、計画的な介入がかぎとなりますが。

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