ささゆり会ーきれいな名前でしょう?
ささゆりは、葉が笹に似ているところからその名がついたそうです。初めてささゆりを見たのはもう35年も前になります。教員になって初めての年、5月か6月かだったと思うのですが、教室にはいると強烈な甘い匂い。見たこともないゆりが花瓶に生けられておりました。子どもたちが「ささゆり」だと教えてくれました。野生の花を持ってきてくれたのです。茎がほかのゆりより細く、花の重さで軽くしなって、その先に淡いピンクの花がうなだれて咲いておりました。はにかんだような花びらの色、その中に赤みを帯びた雄しべがあざやかです。本当にきれいな百合でした。残念ながら画像がありません。
わたしが勤務した学校は、今は合併して久万高原町と言う名前の町にあります。ささゆりはその町の町花になっています。シーズンになるとバスの営業所で、ささゆりが一束300円で売られておりました。
さて、昭和48年にその学校に勤務していた先生たちの集まりがささゆり会です。毎年1回、時には2回集まって親睦を深めてきました。すでに36回も開催されています。こんなにも長くおつきあいが続くなんて、すごいでしょう。この会に行くと、わたしは万年最年少。娘時代に帰ったようななつかしさでいっぱいになります。あのころは若い先生も多く、気っぷのよい先輩の先生が毎日のように喫茶店に誘ってくださって、教育談義に花を咲かせたものです。夜も学校に集まり、宿直の先生と夜遅くまで話し込んだこともありました。よりよい授業をするための研究も盛んで、新米のわたしにも対等に議論することを許される雰囲気がありました。本当によき先輩や同僚に恵まれ育てていただいた、と改めて思います。
ところで本日の会場は、砥部焼で有名な砥部町にある和食のお店。店内には往年の名優井上正夫記念館があります。お座敷の外には小さな小川の流れる庭園が。素敵なお店でおいしい料理に舌鼓をうちながら、昔話に花が咲きました。でも、わたしの若気の至りの話題はやめてほしいなあ
井上正夫記念館
中庭の小川
虫かごに見立てたうつわの料理
わたしの退職によって、メンバー全員が教職を離れたことになります。来年は校長先生の米寿のお祝いです。1年後の再会をお約束して別れました。