あまり経験のない人に教えるときは、かなりのプレッシャーです。 レザークラフトの材料は安くはありません。それなりにお金を払って作るのですから、失敗しないように、人前で使って自慢できるぐらいのものを、と神経を使います。
自分自身、作品を作っていても失敗は数えきれません。中には取り返しの付かない失敗もあるし、何とかごまかして分からないようにはなったけど、どうしても気に入らないというときもあります。 私のように長く続ける者はそれでもいいのです。「失敗は成功のもと」で、上達の糧にすればよいのですから。
でも、初めてレザークラフトをしてみた、あるいは、一つだけ作品を作ってみた、という人たちには失敗はさせられません。かといって、失敗しないとように失敗しないようにと用心しすぎると、それがプレッシャーとなって楽しくないでしょう。 「失敗しても大丈夫」と思わせること、「失敗したけど、うまくいった」と満足させること、「失敗がかえってよかったーけがの功名」にしてしまうこと、そのへんが指導者の腕の見せ所と思います。 まあ、教育も同じだと思いますがー。そのためには、どんな失敗をもカバーする、たくさんの技術とアイディアが必要です。・・・・まだまだ修行が足りません。
夜桜のイメージで作りたいと言っていたWさん。うっかりろうのついた筆を革の上にころがしてしまいました。そこでろうがついたところをカバーするように刷毛で風をかいてみました。作品に動きが出て結構いい感じ。失敗が目立たなくなってわたしもほっとしました。