豊作のアケビ。甥っ子が食べるだろうかと、義妹に聞いてもらったら、「アケビはの山を探して食べるのが値打ちなんだ。」と言ったそうな。
その通りですわ。
アケビってどれもこれも実がなるものではなさそうです。実家に子どもの頃からありましたけど、実がなったところを見たことがありません。山の中などでしか見かけない珍しい実だからこそ、昔の子どもには値打ちがあったのかも。種は多いですが甘い上品な味ですから、実を食べて皮は捨てるものと思っていました。皮も食べられるのだと知ったのは歳をとってからです。
じつは、アケビの皮の天ぷらは、以前作って食べたことがあります。まずはまた天ぷらにしてみました。
まるでジャガイモを皮ごと揚げたような・・・
ついでに穂じそも添えると
なんだか風流な食べ物になりますね。
アケビの皮は、思った以上に柔らかく、ほんのり苦みがありました。お腹を満たすとか、独特の風味を楽しむとかというより、秋の季節そのものを味わう料理ですね。
さらに今年は、大量消費できそうな料理に挑戦。
ちょっとだけネットで調べてみました。味噌和えとか佃煮ふうとか、味付けは似たり寄ったりでしたがあく抜きの方法がいろいろでした。
大きく分けると
1 水にさらす
2 重曹で抜く
なんですが、実際にやってみるといろいろ疑問が湧いてきて
水で晒すのは切ってからか種を取ったそのままの皮か。
両方やってみたのですが、なすびを水につけたときのような茶色い水になりました。二,三回水を取り替えて一昼夜おきました。それであくが抜けたかとかじってみましたら
苦い! わたしの苦さ限界値はビール、コーヒー、カカオ70%のチョコ、ゴーヤを塩もみして水にさらしたの。アケビの苦さはこれらを越えました。
切って晒しても苦みはたいして違わないように思いました。
次に重曹を使うやり方。
これも疑問がありまして、アケビを茹でる時間は? 茹でた後はすぐ水洗い?それともそのまま冷めるまで置く?
そこで、湯を沸騰させ切ったアケビをいれて重曹を入れ、一分程度短い時間茹でてみたのですがー
柔らかすぎてグジャグジャ
搾るとつぶれてしまいそうなので水を切って味噌和えにしました。
ほんのちょっと苦みが残っていい感じなのですが、水っぽい。
茹でるのではなく湯通しするくらいでいいのかな? 母は、ワラビのあく抜きを「わらびをたまがす(びっくりさせる)」と言っていました。それでアケビをびっくりさせるくらいの短時間で先ほどの作業をやってみました。そのあと、ワラビと同じように、自然に冷えるまでそのままにしておいて、さらにきれいな水にさらしました。
なんと緑色の水になりました。
水を捨てたら
なすを茹でたような色に。見かけも食感もなすびに近いです。苦みさえなければ。が、さすがに苦みもやわらいでいました。
今度は梅味噌で和えてみました。
なんだか梅の風味と酸味とアケビとが似合わないような。なすだとおいしいんですけどね。
なすと似ているのならば、なすのように料理してみようと、油炒めしてから醤油、みりん、砂糖で甘辛く味付けしてみました。
仕上げにごまとかつお節をまぶしてー どれも似たり寄ったりの画像で、ちっともおいしそうに見えないけど・・・
これがいちばんおいしかったです。ほんのりと苦みがあって、うまく言えないけどアケビを食べているという実感があります。日本酒に合いそうです。春のワラビやつくしと同じで、秋が来たら一度は食べたい、そんな食材ですね。手間暇かけて何回もご飯のおかずにするようなものでもないかなあ。他の野菜ならもっと簡単に調理できますからね。
最後に
シャーベットにまではしないぞ、と思っていた果肉ですが、やたらとたくさんあったので簡単に裏ごししてみました。たしかに上品な甘さの(結構糖度は高い)果肉が、ほんのちょっととれましたけど、味見しただけで洗い流してしまいました。これは根気が続きません。
残った種
これって油がとれるんだそうですね。けど油絞りも道具もないし、いつまでもアケビで遊んではいられません。実を採ってしまったらいちど蔓を短く切ってしまおうと思っています。倒れたアーチを起こさないと。
この種、どうしましょう。