「改憲派から護憲派への質問」
2016年8月13日(土)
今日の朝日新聞の声欄に根源的な問題を提起された方がいます。憲法上の自衛隊の問題です。
この方は、「護憲派への質問」として、3点挙げておられます。二つ目の質問は、次のとおりです。
②改憲派の「日本が第二次大戦後、戦争をせずにこられたのは、日米安保体制や自衛隊の存在のおかげ」という意見をどう思うか。この考えを否定するなら、日本が平和を維持できた理由をどう考えているか。
この答えは、非常に難しいと思います。日本を取り巻く世界情勢は、様々に変化しますし、国と国が戦争をするようになるといったことは、偶発的要因もあるからです。物理現象のように、公式を与えれば、解が出るような問題ではありません。
ただ、一つだけ言えるのは、「平和を維持できた」のは幸運だったということです。日本は、日米安保体制で、戦争に巻き込まれていたことははっきりしています。ベトナム戦争は、アメリカの北ベトナムに対する不法な侵略戦争であったことは歴史的事実です。アメリカは北ベトナムへの空爆に沖縄の基地から飛び立って行きました。北ベトナムは当然の権利として、日本の沖縄の基地を攻撃することができました。しかし、結果的には、そのようなことにはなりませんでした。恐らく、北ベトナムに、それだけの戦力が無かったからでしょう。つまり、「平和を維持できた理由」は、この方が主張されている「日米安保体制・・のおかげ」ということではありません。
三つ目の問題提起として、
③・・抑止力として、一定の軍事力も必要ではないか。
これは、9条を改正して、自衛隊を軍隊として位置付ける必要があるのではないかという趣旨と思われます。余談ですが、軍事力の必要性は、急迫不正な侵害に対するものが第一義的なものです。
この問題も非常に難しいです。ただ一つ私が言いたいのは、自衛隊という憲法違反の存在を作り上げてきた、自民党の人達は、このような問題提起をする資格はありません、ということです。