答えは必ずある 人見光男著作
2016年12月25日(日)
マツダがスカイアクティヴエンジンをアナウンスしたのは、2010年ということです。(ネットで調べました。)
私は、正直なところ、信じませんでした。ホンダなら信じていました。また、トヨタなら、資金力にモノを言わせて、開発したのだろうと納得したと思います。しかし、「まさか、あの新井さんが」ではないですが、マツダが開発したというのは、それまでの私の常識では、有り得なかったのです。ところが、続報が出るにつれて、どうやら本当らしい、となり、遂に事実だと分かった時、私は、驚きというより、なぜマツダが?という疑問になったのです。この書は、その疑問に回答を与えてくれました。
著者である人見さん(現常務執行役員)という卓越した技術者の存在もさることながら、組織マネッジメントが上手く行ったのが大きな要因だったということです。
私が大いに共感したのは、LCS(life cycle assessment)です。私がこの言葉を知ったのは、プリウスのカタログでしたが、至極当然のことで、理に適っています。ただ、私が不思議に思うのは、この考えが一般化されていないことです。走行中の燃費だけが注目されているのが、その証左と言えましょう。日産にいたってはEVを、「走行中CO2を排出しません」と宣伝しています。しかし、人見さんはバッテリー製造の過程で大量のCO2を出すことを指摘しておられます。つまり、そういったことも考慮してEVを評価する必要があるということなんですね。製造から廃棄まで、当然その間に出すCO2も含めて生涯を通じたCO2の総排出量を問題にしなければなりません。
私は、今後のスカイアクティヴエンジンの展開について、大いに関心があるのですが、当然のことながら、人見さんはその具体を語っておられません。企業秘密ですから当然のことです。ということで、私が勝手に想像(創造の方がより近いかも知れません。)してみました。
次世代スカイアクティヴエンジン(「Ⅱ」と言うべきか。)は自然着火エンジンとなります。つまり、ガソリンを燃料とするディーゼルサイクルエンジンということになりますね。ただ、一部回転域ではプラグが残る可能性が高いです。エンジン単体での熱効率は約5割(現行約4割)となります。燃費は約2割改善されるでしょう。
Ⅱの登場ですが、2018年のデミオのモデルチェンジになります。
同じ年、アテンザがFRで登場することになります。当然3シリーズ超えを狙って出す訳ですが、8速オートマティクは当然のことながら、弱点と言われている騒音対策が上手く行くか。騒音は上質さに大きく影響がありますので、大切です。
創業100年となる2020年は、ロータリースポーツの登場です。2015年の株主総会の時、人見さんは、ロータリーエンジンについて、燃費対策を行っており、しかるべき時に出すという趣旨の発言(株主の質問に答えて)をしました。スポーツ車になることは間違いありません。RXシリーズよりか、大きくなるのではないかと想像しています。
マツダは今、量は追わないという経営方針ですが、そうは言っても、良い車を造ってそれらが売れれば、量が伴うことは必然の帰結です。2、3年以内には海外工場新設のアナウンスがあると予想しています。インドネシアが有力な選択肢でしょうか・・。
これらのプロジェクトが上手くいくと、株価5,000円も夢ではないと思っています。以上、強欲故の妄想でした。(^_^;)
人見さんは、末尾で、「本などを書くと、品格が薄れるような点が気になっているが・・。」と書いています。
私の読解力では解読できませんでした。人見さんからのメイルでは、次のように説明がありました。
「本を書くと品格が薄れると言ったのは、文字にする際には実際以上に飾ろうとするような気持になること、りっぱなことを書いている人も中身はどうかなという人が多いように感じているからです。その仲間に入ったように思いまして書きました。」
熱い書でした。
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