水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

団体戦2

2009年07月21日 | 日々のあれこれ
 純粋な個人戦というのはない。
 木下晴弘氏がそう言っているのを聞き、なるほどそのとおりだと思った。
 たとえば柔道や剣道の個人戦は、一見個人と個人の戦いには見えるけれど、その戦いの場に立つために、どれだけ多くの人に支えられてきたかをイメージしてみれば、まさしく団体戦だと言える。
 オリンピックで金メダルをとる選手にどれだけたくさんのスタッフがついているかを想像するのもやさしい。
 音楽のソロコンテストも同じだ。
 純粋にたった一人の努力だけで、ステージに立つことは不可能だ。
 昨日戦い終わった野球部さんたちは、グランドに選手がいて、ベンチに控え選手がいて、ベンチ入りできない選手達がいて、監督、コーチ、スタッフがいる。
 野球部さんの練習環境を整える学校長はじめ先生方、運転手さん、合宿を手伝う食堂スタッフもそうだし、ほんのわずかな一時のお手伝いではあるが、われら吹奏楽部も仲間である。
 そして何より、野球部の部員さんを支えて来た家族がいる。
 選手の面倒をみるわけだから、選手より早く起きてお弁当をつくらないといけないし、帰って来てから洗濯しなければならない。
 機嫌が悪いのをみて心配したり、むかついたり、声をかけたり、想定外に帰りが遅く心配するなんてことはしょっちゅうだろうし。
 親のそのような大変さを子どもはわかっていないと思うこともあるかもしれないが、そういうことも含めて親なのだからしかたがない。いいとか悪いとかの問題ではない。
 何はともあれ、とんでもない団体戦。
 そしてわが吹奏楽部も団体度は大きい。
 コンクールのステージに立つ約50名のメンバーは氷山の一角にすぎない。
 自分たちの背後にあるもの、自分たちを支えてくれる人たちの力をどれだけ自分のものにできるかで、演奏の質がきまってくるのだろう。
 
コメント
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