水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

オーダーが通らない

2017年05月20日 | 日々のあれこれ

 

 すき家さんでは、外国から来てそんなには経ってない雰囲気の、カタカナなまえの店員さんにあたることがある。
 しばらく前、半熟卵にしてねと言ったら生卵が出てきて、ごめんこれちがう、生じゃなくて半熟と言っても通じず、そっかメニューには「おんたま」と書いてあるのかと気づいた。
 彼にとって温たまは「ONTAMA」であり温泉卵の略といっても通じないだろうし、半熟卵と同義であることを求める方がおかしいのだ。
 グローバル化社会は、かくもコミュニケーションが難しくなる。
 ていうか、日本人だけの村社会でしか生きてこなかったから甘えがあるのだ。
 「鮭定食+おんたま」という注文さえ通せなかった自分への反省が、きっと心のどこかにあったにちがいない。
 先日、すき家さんポークカレー(450円)を注文して、黒毛和牛のビーフカレー(890円)が届けられたのだ。
 すぐに、ちがうよとは言えなかった。
 一度くらい食べてみてもいいかなとの思いも心のどこかにあった。ただ値段がね。
 ファーストフード店で食べるカレーに890円を出す勇気がずっと自分にはなかった。
 もしかすると、出てきたのは和牛カレーだが、レシートはポークと印字されているのではないかと、期待と不安の入り交じった思いで広げてみたら890円て書いてある。
 ひょっとしたら、宗教上の理由でポークはだめだったのか? 牛丼店で働くのは可だけど、メニューにあるからといって、ポークを提供することは自分にはムリというような事情が。
 食べてやろうじゃないか。こんな偶然でもなかったら、結局食べないままに終わる。
 きっと神様の思し召しにちがいない。
 おまえは値段で躊躇しているようだが、そんなことで新しい経験をしなくていいのか。食べてみればその価値に気づける男にはなっているんじゃないか、さあ、味わってみよ。
 神様にそう言われた気がした。
 おいしかった。でも一回経験したからそれでいい。ていうか、わかめスープとかいらないし。
 すき家はふつうのカレーがおいしい。450円で、お肉もじゃがいももにんじんもたっぷり入っている。ココイチの達した境地とはまたちがった頂にいる。そういうのが食べたいのだ。
 だから、吉野家さんの黒カレーも方向性を間違っている。350円のカレーに求めるのは「本格」ではない。
 和牛カレー事件以来(もしかしたら和牛一族の陰謀か?)、ちょいちょいオーダーが通らない。
 学食で冷やし中華(360円)を注文したら、冷やしうどん(260円)が出された。
 幸楽苑で冷やし中華(620円)を注文したら、冷やし中華大盛り(720円)が提供された。
 神は私に何をさせようというのか。

コメント
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