学年だより「負けん気」
進級おめでとうございます!
「かっこいいやつ」「すごいやつ」に出会ったとき、みなさんはどう感じるだろうか? ものすごいプレーをする他校の選手、格好良くてモテてる感ばりばりの同世代、ライブハウスを満員にするバンドをやっている高校生。模試で冊子に名前が出たり、あきらかに頭よさそうな雰囲気を有している同学年……。
雑誌「モーニング」連載中の「ドラゴン桜2」は、東大クラスに入った2人の、勉強合宿の様子が描かれている。勉強合宿のセミナーハウスを訪れた早瀬さんと天野くんは、「さあ、自分でがんばって勉強してね」と水野先生から突き放されてしまう。
「わざわざ合宿に連れてこられて、自由にやればいいってなんなの」と早瀬さんは腹を立てる。こんなんじゃ、来た意味がないから帰ると言って、合宿所を飛び出す。とめようとした天野くんも、成り行き上一緒に帰るはめになり、夜の江ノ電に飛び乗る。ところが、車内で勉強を始めた見知らぬ高校生をみかけて、やっぱりもどろうと早瀬さんは言う。
「それで、合宿に戻る気になった理由を二人に聞いたか?」 「いや……、それはまだ。というか、理由は別にいいかなと……。帰ってきてくれただけでも十分ですし……。理由を聞いて騒ぎを蒸し返したくない思いもありますし。ここは触れずにおいて……」 「それではダメだ、合宿に戻った理由を必ず二人に聞け、聞いて報告しろ」
桜木にそう指示され、朝ご飯を食べながら、水野先生は戻った理由を聞く。 「帰りの江ノ電の中で……勉強していた高校生を見たから……」早瀬さんが答える。「乗ってきたら、すぐにカバンから東大受験の参考書出して、勉強を始めたんです。あ……この人も東大受けるんだなと思ったら……自分は何やってんのって。こんなことやってちゃダメ……、帰って勉強しようと思ったんです。東大を目指す人は、みんな今勉強している。自分も早く帰ってやらなきゃって……」 「私……東大を目指すって言っちゃったから、学校の同級生や家の人たちもみんな知ってるし。今更やめたなんて言いたくない、だったらやるしかない。やる以上は合格しなきゃイヤ! 受験で勝ちたい! あの人たちに負けられない!」
桜木にこの話を告げると、「それなら見込みはある」と頷く。「あの二人は東大に合格できる」と。「そもそも、電車の中で同世代が勉強しているところを見て、何も感じないヤツはだめだ。東大受験など、問題外! あいつに負けられない! 自分も勉強しようと思うヤツが受験で勝つ!」