2学年だより「その後のビリギャル」
『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』のモデルとなった、小林さやかさんは、慶應大学卒業後、ウエディングプランナーとしてはたらき、現在は講演会やセミナー講師として活躍されている。
あるテレビのバラエティ番組で、古市憲寿氏と同席した。
司会の二宮和也さんが古市さんに話をふる。
「古市さん、大学の先輩ですよね? ビリギャル、すごいですよね」
古市さんが答える。
「え? 何がすごいか僕にはわかりません。僕のまわりにはこういう人、うじゃうじゃいるので」
「何あの人! 冷たいんだけど!」と鈴木奈々さんが叫び、会場は爆笑するという一連の流れだ。
このやりとりを、小林さやかさんは、古市さんと話したいと思いながら聞いていた。
~ 確かに、私はあの年の受験生で、たぶん私が一番頑張った! と思えるくらい勉強した。一番下から這い上がってここに入学してくるのは、この私だ! という気持ちで入学式にシャンパンゴールドで袖にレースがバサバサついてるめちゃくちゃ派手なスーツで出席した(どうりで、チャラいサークルにしか勧誘されなかった)。
でも、違った。私みたいな人はうじゃうじゃいた。「私も絶対無理って言われまくってムカついで、頑張ったら受かったんだよね」っていう子がやっぱりたくさんいたんだ。私だけじゃなかった。
慶應じゃなくて東大生にそうやって頑張ってなった人だってもちろんいるだろうし、プロのスポーツマンになった人だって、音楽の世界で有名になった人だって、超優秀な研究者だって、きっと同じ思いをして(いや、私なんかとは比べ物にならないくらいの努力と悔しい思いをしてる人なんてごまんといるはずなんだ)、死ぬほどの努力をして、歯を食いしばって頑張って、結果を掴んだ人がいっぱいいっぱいいる中で、何で私だったんだろうってずっと思ってたんだ。
「あんたがビリギャルって映画化されるんだったら、私だって映画化されたいわ!」と言ってくる慶應生がたくさんいた。そうだよね、なんかごめんな、という気持ちがした。 (小林さやか『キラッキラの君になるために ビリギャル真実の物語』マガジンハウス) ~
数年前にベストセラーになった『ビリギャル』は、私立の女子校で落ちこぼれていた「さやか」が、高2の夏に一念発起して受験勉強をスタートし、見事慶應大学の合格を勝ち取る話だ。
金髪を黒く染めて、3年のときは一日15時間勉強する。英単語は「Sunday」レベルから、日本史は「せいとくたこ(聖徳太子)って誰?」レベルからスタートしたこの話を、作り話なんじゃないの? と疑う人もいた。
この世には、2種類の人間がいる。
ビリギャルになれる人と、なれない人。
ビリギャルの話を信じられる人と、疑ってかかる人。
『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』のモデルとなった、小林さやかさんは、慶應大学卒業後、ウエディングプランナーとしてはたらき、現在は講演会やセミナー講師として活躍されている。
あるテレビのバラエティ番組で、古市憲寿氏と同席した。
司会の二宮和也さんが古市さんに話をふる。
「古市さん、大学の先輩ですよね? ビリギャル、すごいですよね」
古市さんが答える。
「え? 何がすごいか僕にはわかりません。僕のまわりにはこういう人、うじゃうじゃいるので」
「何あの人! 冷たいんだけど!」と鈴木奈々さんが叫び、会場は爆笑するという一連の流れだ。
このやりとりを、小林さやかさんは、古市さんと話したいと思いながら聞いていた。
~ 確かに、私はあの年の受験生で、たぶん私が一番頑張った! と思えるくらい勉強した。一番下から這い上がってここに入学してくるのは、この私だ! という気持ちで入学式にシャンパンゴールドで袖にレースがバサバサついてるめちゃくちゃ派手なスーツで出席した(どうりで、チャラいサークルにしか勧誘されなかった)。
でも、違った。私みたいな人はうじゃうじゃいた。「私も絶対無理って言われまくってムカついで、頑張ったら受かったんだよね」っていう子がやっぱりたくさんいたんだ。私だけじゃなかった。
慶應じゃなくて東大生にそうやって頑張ってなった人だってもちろんいるだろうし、プロのスポーツマンになった人だって、音楽の世界で有名になった人だって、超優秀な研究者だって、きっと同じ思いをして(いや、私なんかとは比べ物にならないくらいの努力と悔しい思いをしてる人なんてごまんといるはずなんだ)、死ぬほどの努力をして、歯を食いしばって頑張って、結果を掴んだ人がいっぱいいっぱいいる中で、何で私だったんだろうってずっと思ってたんだ。
「あんたがビリギャルって映画化されるんだったら、私だって映画化されたいわ!」と言ってくる慶應生がたくさんいた。そうだよね、なんかごめんな、という気持ちがした。 (小林さやか『キラッキラの君になるために ビリギャル真実の物語』マガジンハウス) ~
数年前にベストセラーになった『ビリギャル』は、私立の女子校で落ちこぼれていた「さやか」が、高2の夏に一念発起して受験勉強をスタートし、見事慶應大学の合格を勝ち取る話だ。
金髪を黒く染めて、3年のときは一日15時間勉強する。英単語は「Sunday」レベルから、日本史は「せいとくたこ(聖徳太子)って誰?」レベルからスタートしたこの話を、作り話なんじゃないの? と疑う人もいた。
この世には、2種類の人間がいる。
ビリギャルになれる人と、なれない人。
ビリギャルの話を信じられる人と、疑ってかかる人。