水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

その後のビリギャル(2)

2019年05月10日 | 学年だよりなど
2学年だより「その後のビリギャル(2)」


 金髪ギャルのさやかが、髪を黒く染めて受験勉強を始め、慶應に合格するまでの道のりを描いた「ビリギャル本」はベストセラーになった。有村架純主演で映画化もされた。
 話題になればなるほど、「こんなうまい話あるはずがない」「この子は、もともと頭がよかったんだよ」という声がネット上に出回った。
 当の本人は、そんな記事やコメントを目にするたびに不思議に思い、またそれを根拠もなく信じてしまう人の多さにも驚いた。ビリギャルの話は信じられないという人と、古市氏のように「ふつうじゃない」という人とでは何がちがうのか。
 その後、講演会などにもよばれるようになった小林さやかさんは、こう気がつく。


 ~ どうしてこうも全く反対のことを言う人がたくさんいるんだろう。でも、たくさん講演をさせてもらって、たくさんの方の反応を見ていて何となくわかってきた。きっと、「死ぬ気で何かを頑張った」ことがある人と、そうでない人。この違いなんじゃないかって、思ったんだ。
 勉強でも、スポーツでも、音楽でも何でも、死ぬ気で何かを頑張った経験がある人は、それなりに結果も出して、それで自分のステージを上げてる。死ぬ気で頑張って行ったその先には、私が慶應で出会った人たちのように、同じような境遇を通り抜けて、同じような悔しい思いをして踏ん張って、這い上がってきた人たちがたくさんいて、そういう人たちが、のちに一生の仲間になる。
 こういう人たちは知ってる。奇跡なんかじゃない。ちゃんとそこには、血のにじむ努力があったし、それに対してのまっとうな結果が、ちゃんと出ただけだってことを。 (小林さやか『キラッキラの君になるために ビリギャル真実の物語』マガジンハウス) ~


 「死ぬ気で何かを頑張るっていう経験をする。その経験こそが、君の一生の宝になるんだよ。そういう経験を持ってる人は、大丈夫。どこに行っても、大丈夫だ」
 さやかさんは、坪田塾長からこう言われていた。
 大学合格が目標であることは言うまでもないが、それが人生の最終目標であるはずはない。
 まして受験は、がんばったらそれに見合うだけの結果が必ず出るものではない。
 しかし、結果が保障されるものしかやらない人生だとしたら、どんなに味気ないだろう。
 結果がわからないからこそ、人生はおもしろい。
 思うようにならなかったからこそ、その後の人生を豊かにしていく人もいる。


 ~ 私にあった才能は、「やるかやらないか、さあ、どっち?」と聞かれたとき、まわりが「絶対できるわけない」「やめておいたほうがいい」と口々に言う中で「私なら、できる気がする! ってか、そこ行ったらめっちゃ楽しそうだし、やってみる! やってみなきやわかんないっしょ!!」と飛び込む勇気。それがあった。やるか、やらないか。あなたは一度きりの人生、どっちを行く? ~


 とびこんでいける勇気が、何よりの才能ではないだろうか。
コメント
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