水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

チームカルチャー

2019年05月27日 | 学年だよりなど
2学年だより「チームカルチャー」


 体育祭、おつかれさまでした! 2年7組のみなさん、優勝おめでとう!
 「歴史的」とも言えるくらい2年生が好成績を残せた要因は、みんなでやろうという空気感だったのではないだろうか。人の心は不思議なもので、一人だと楽をする方に流れがちだが、周囲に人の目があると、まして応援があるとなおさら、がんばってしまえるものだ。
 勉強の成果も、個人のがんばりが全てであるように見えながら、実はがんばれる空間ですごせたかどうかが、大きく左右する。高校生活すべての面で、前向きに取り組む「文化」を作ることが大切なのだろう。
 全国大学ラグビーで九連覇をなしとげた帝京大学の岩出雅之監督は、心を育てる雰囲気の大切さを説いている。一回だけ優勝するのは、その年の選手に恵まれていればできないことではない。しかし、名門とはいえ、毎年選手が入れ替わる状況で、勝利を継続していくのは至難の業だ。


 ~ 岩出 大切なのはいかに「チームカルチャー」を築いて、選手層を厚くしていくかだと思います。
 西谷 チームの文化、ですか。
 岩出 選手たちが自分を信頼するといいますか、自信を積み重ねていくのはそう簡単なことではありません。やっぱり自信や心の余裕がない状態でほ、どれだけフィジカルやスキルを持っていても試合で力を発揮できないんですね。毎年毎年、先輩たちからたくさんのサポートを受けつつ、自信のもとになる心の余裕、体の余裕、プレーの余裕を一、二年生は学ぶ。先輩から後輩へ経験値や考え方を伝承し、共有する。そういう文化を心掛けてつくってきました。
 ラグビーの伝統校といえば早慶明で、我われはその伝統校に追いつけ、追い越せと思ってやってきたんです。練習にしろ試合にしろ、一つひとつのプロセスで全力を尽くすことで、徐々に伝統校を相手に互角の勝負に持ち込めるようになり、その壁を越えて勝利を得ることができるようになりました。
 だから、僕は何連覇という数字にはあまり拘ってなくて、一つひとつの試合で、自分たちがやってきたことの成果を実感できるほうが大切だと思っています。 (岩出雅之・西谷浩一「勝敗を決するもの」月刊致知6月号) ~


 文化は、時間とともに作り上げられる。後から加わったメンバーも、その雰囲気で育つことで、長年にわたって作られてきた価値観、ものの考え方を身体にしみこませていく。
 文武両道を目指し、しかも「甲子園に出て東大にも受かる」的な、露骨な成果を残すことは現実には難しい。しかし、難しいながらも挑戦しようとする人たちがいて、少なくともそれをバカにしたり、じゃましたりはしない空気感は、文化として存在する。
 みなさんも受け継いでいくべきだろう。
コメント
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