水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

凡人道

2019年10月17日 | 学年だよりなど
2学年だより「凡人道」


 「合格体験談」を話しに来てくれた先輩たちは、文系・理系の選択や、選択科目の決め方については、こう語っていた。
「苦手な科目・得意な科目で決めていい」「あくまでも好きな科目で選ぼう」「大学に入ってどんな勉強をしたいかで決めよう」「将来の仕事は決まってなくていいし、決める必要もないが、興味のある学部を目指そう」 … 。
 その昔、「将来自分がやりたい仕事を目標にして、そこから逆算して学部・学科を選び、選択科目を決めよう」と言われていた時代もあった。
 しかし、もうそんな時代ではない。
 現時点でみなさんが漠然とイメージする「職業」が、数年後はたして存在するかどうかさえ誰もわからなくなっているからだ。
 就活での人気ランキング上位にあがるような職業、企業でも、近未来の姿はたしかではない。
 逆に、十年前に想像もできなかった「仕事」で生計を成り立たせている人もいる。


~ そもそも仕事って、誰かがやりたくないことを代わりにやって、お金をもらうという場合が多いです。
 それに、「やりたいこと」や「天職」なんて、自分ではなかなかわからない。すごくやりたかった職業でも、実際就いてみたり、しばらくやってみたりすると、なんだか思っていたのと違うな……なんて、よくあることです。
 プログラマーなんかも、働くことが嫌いな人のほうが向いているんですね。プログラムが大好きな人は、自分でアルゴリズムを考え始めちゃったり、いかに早くするかばかり検討することに時間や労力をかけてしまうんです。でも、プログラムは、「自分の手をいかにかけずに、コンピューターにやらせるか」を考えるものであって、すでに作られたものをコピペして使っちゃうような人のほうが仕事が早いんです。
 だから、「やりたいこと」と意気込むよりも、「やっていて苦じゃないな」くらいを基準に仕事を探せばいいんじゃないかと思います。
 基本的に、あんまり簡単すぎると飽きてしまうし、難しすぎたりすると苦痛に感じるので、自分の力よりもほんの少しレベルが高いくらいの仕事が、クリアしたとき適度な達成感が得られておすすめです。そういう意味で、「まあ苦じゃないな」くらいの距離感が適当だと思います。 (ひろゆき『凡人道 役満狙いしないほうが人生うまくいく』宝島社) ~


 仕事については「好きなことをやりたい」という気持ちをいったん棚上げしてもいい。
 むしろ、何をやることになっても力を発揮できる自分を作ることを優先すべきだ。
 そのために、どの大学でどんな勉強をするのがベターなのかという感覚で考えてみよう。
コメント
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