2学年だより「凡人道(2)」
ネットで活躍するインフルエンサーの中には、「大学なんていく必要がない」「オンラインサロンですべて学べる」という人もいる。
「無一文から年収1億円」を達成するような一発逆転は、現実的にそうそうないからこそ、話題になり、本にもなり、インフルエンサーになれるのだ。
方法論を学んだからといって、実現できる可能性は低い。
可能であるなら「とりあえず大学を出る」ことの優位性は、「凡人」にとってはゆるがないだろう。
~ 日本の場合、年を取ってから大学に入学してキャリアアップを図るというシステムが社会に組み込まれていないので、高卒のまま社会に出てしまうと、大卒よりも安い給料のまま働き続けなければいけません。
高卒の平均生涯年収は約2億4000万円ですが、大卒の平均生涯年収は約2億8000万円。その差は4000万円にもなります。高卒の人のほうが大卒の人よりも最低4年は早く働き始めるわけですが、大卒の方が初任給も昇給も額が大きくなるので、最終的に新築の家一軒買えるほどの大きな差になってしまいます。
実際、スポーツ選手や芸能人を除けば、社会でそれなりのポジションを得ている人のほとんどが大学を卒業しています。ビル・ゲイッやマーク・ザッカーバーグのように大学中退の成功者もいますが、彼らは大学に通いながら事業を立ち上げて成功した、極めて優秀な人たち。凡人が真似するにはリスクが高すぎます。
大学を退学してオンラインサロン1本に絞るというのは、そういうリスクを背負うということ。オンラインサロンからも成功する人は出てくるとは思いますが、そのように才能と運に恵まれた人はごく一部でしかないでしょう。
でも、最近はこういうまともな価値観をメディアが取り上げなくなりました。出版業界も斜陽産業になってきたので、どうしてもエッジの利いたタイトルの本しか並ばなくなりますよね。「好きなことして生きていく」とか「学歴はいらない」とかそういう趣旨の過激なものが多い気がします。その結果、みんなが「ビジネスとして情報を売る人たち」の主張を真に受けてしまっている。 (ひろゆき『凡人道 役満狙いしないほうが人生うまくいく』宝島社) ~
あらゆる情報が簡単に手に入る時代になり、逆に自分にとって本当に役に立つ知識が何か見えにくくなっている。
「こうであってほしい」「こういうことを言ってほしい」ことを私たちは求める。
それに合致する情報は、探せばいくらでも見つかる。
勉強のやる気が出ないときに、「大学に行く意味なんかない」と世の成功者がつぶやいてくれるなら、それが天啓のように思えたりする。
しかし、それはよくよく考えてみると、目の前の現実から逃げようとする自分を肯定してもらいたいだけなのかもしれない。
「大卒」という下駄は役に立つという現実は、客観的に存在する。
ネットで活躍するインフルエンサーの中には、「大学なんていく必要がない」「オンラインサロンですべて学べる」という人もいる。
「無一文から年収1億円」を達成するような一発逆転は、現実的にそうそうないからこそ、話題になり、本にもなり、インフルエンサーになれるのだ。
方法論を学んだからといって、実現できる可能性は低い。
可能であるなら「とりあえず大学を出る」ことの優位性は、「凡人」にとってはゆるがないだろう。
~ 日本の場合、年を取ってから大学に入学してキャリアアップを図るというシステムが社会に組み込まれていないので、高卒のまま社会に出てしまうと、大卒よりも安い給料のまま働き続けなければいけません。
高卒の平均生涯年収は約2億4000万円ですが、大卒の平均生涯年収は約2億8000万円。その差は4000万円にもなります。高卒の人のほうが大卒の人よりも最低4年は早く働き始めるわけですが、大卒の方が初任給も昇給も額が大きくなるので、最終的に新築の家一軒買えるほどの大きな差になってしまいます。
実際、スポーツ選手や芸能人を除けば、社会でそれなりのポジションを得ている人のほとんどが大学を卒業しています。ビル・ゲイッやマーク・ザッカーバーグのように大学中退の成功者もいますが、彼らは大学に通いながら事業を立ち上げて成功した、極めて優秀な人たち。凡人が真似するにはリスクが高すぎます。
大学を退学してオンラインサロン1本に絞るというのは、そういうリスクを背負うということ。オンラインサロンからも成功する人は出てくるとは思いますが、そのように才能と運に恵まれた人はごく一部でしかないでしょう。
でも、最近はこういうまともな価値観をメディアが取り上げなくなりました。出版業界も斜陽産業になってきたので、どうしてもエッジの利いたタイトルの本しか並ばなくなりますよね。「好きなことして生きていく」とか「学歴はいらない」とかそういう趣旨の過激なものが多い気がします。その結果、みんなが「ビジネスとして情報を売る人たち」の主張を真に受けてしまっている。 (ひろゆき『凡人道 役満狙いしないほうが人生うまくいく』宝島社) ~
あらゆる情報が簡単に手に入る時代になり、逆に自分にとって本当に役に立つ知識が何か見えにくくなっている。
「こうであってほしい」「こういうことを言ってほしい」ことを私たちは求める。
それに合致する情報は、探せばいくらでも見つかる。
勉強のやる気が出ないときに、「大学に行く意味なんかない」と世の成功者がつぶやいてくれるなら、それが天啓のように思えたりする。
しかし、それはよくよく考えてみると、目の前の現実から逃げようとする自分を肯定してもらいたいだけなのかもしれない。
「大卒」という下駄は役に立つという現実は、客観的に存在する。