水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

運を強くする

2021年05月08日 | 学年だよりなど
1学年だより「運を強くする」


 「8球団ドラ1」目標を達成するために大谷選手が書き出したのは、①「体づくり」、②「コントロール」、③「キレ」、④「メンタル」、⑤「スピード160㎞」、⑥「人間性」、⑦「運」、⑧「変化球」の8要素だった。①~⑤は、小学生でも考えつくだろう。
 ⑥「人間性」も、高校生ならば、実践できるかどうは別にして、書くことはできる。
 大谷選手のすごいところは、⑦「運」と書いたことだ。
 そして⑦「運」を高めるための具体的行動として、以下の8項目を立てている。


~ 1「あいさつ」 2「ゴミ拾い」 3「部屋そうじ」 4「道具を大切に使う」
  5「審判さんへの態度」 6「プラス思考」 7「応援される人間になる」 8「本を読む」 ~


 そもそも「運のいい人」とは、どういう人のことだろう。
 世間で「成功者」と呼ばれる方々は、皆「自分は運がよかった」という。
 「たまたま」知人の紹介でビッグチャンスを得た、「たまたま」時代の流れに乗ることができた、「たまたま」いい商品を開発できた、「たまたま」売れた … 。
 たしかにそんなふうに見えないこともない。
 「たまたま与えられたチャンスをものにできた人」というふうに。
 しかし「たまたま」とは言っても、その仕事に「もともと」関わっていたことは間違いない。
 そしてチャンスに巡り会ったとき、それをものにする力を持っている必要がある。
 「たまたま」のチャンスはどうつかむか。
 自分の力を高めながら、たえずアンテナをはり続け、同時に、他人から声をかけてもらえるような人間でいなければならない。
 同じ実力を持つAさんとBさんがいた場合、チャンスを与えられる確立が高いのは、やはり接していて気持ちいい方の人だろう。あいさつもできない人に、仕事を依頼したいとは思わない。
 大谷選手の立ち居振る舞いは、いまやメジャーリーグ全体に影響を与えかねないほどのものになっている。
 ホームベース上のゴミを拾う、ひまわりの種を紙コップに捨てる、ボールボーイに感謝する、自分に死球をあてた相手投手を気遣う、ヒット性の当たりをキャッチして相手バッターに笑顔で「ごめんね」と言う……。もちろん「審判さんへの態度」もジェントルマンだ。
 相手チームの選手やファンまでが、気がついたら大谷選手の一挙手一投足に見入っている。
 「応援される人間になる」ことで、より実力を発揮できることを彼は知っている。
 「運」とは「たまたま」手にするものではなく、まぎれもなく自分でつかむものだと言える。
 大谷選手が立てた8項目は、自分が心がけさえすればできることばかりだ。
 「運」の中に偶然の要素はおどろくほど少ない。
コメント
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