水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

知らぬが仏(2)

2022年08月03日 | 学年だよりなど
2学年だより「知らぬが仏(2)」




 挑戦を思いとどまらせる原因は、「知識があるから」以上に、「恥をかきたくないから」の方が、もしかすると大きいかもしれない。
 失敗したくない、うまくいくかどうかわからない、他人からどう見られるかわからない……。
 自尊心が強すぎるがゆえに臆病になってしまう。




~山中 iPS細胞に関して言えば、よく知っている人はやっぱり失敗したくないから手を出さなかった。成果を出さないと研究費ももらえませんからね。
  だから藤井さん、今ってすごくいい時ですよね。まだ十代だから、負けてもまた次があるというので、すごく果敢な戦略ができる。これからの五年間は何にも代えられない宝物のような時間だと思いますよ。
藤井 はい。自分でも、ここ数年がいちばん大事な時期かなと思っています。
山中 僕くらいの歳になってくると、いろいろ背負っているものがいっぱいあって、なかなか果敢なことができない。妻子もいるし、研究所の所員もいるから、あんまり大胆なことがやりにくくなっています。でも十代とか二十代は失敗してもいいかなと思っています。娘が結婚する時も「本当にいいのかな。大丈夫かな」と思いながら、「まあ失敗してもいいか」(笑)。だって完璧になってから何かしようと思ったら、絶対できないよね。完璧になる前にやらなきゃ何もできない。
  若い時は何をやってもいいと思います。何をやったらいいという正解はない。でも何もしないということだけはやめてほしい。どんなことでも夢中になれることがあったら、それがどんな結果になっても、必ず自分の成長につながっていきますから。 (山中伸弥・藤井聡太『挑戦』講談社)~




 誰しも、挑戦しようとするときには臆するものだ。
 しかし、自分が思っているほど、他人は見ていない。
 親身になって心配してくれてるようなことを言う人も、別に失敗しようが成功しようがどっちでもかまわないのだ。
 それは「本質的に人は他人に冷たい」ということではなく、「自分の人生は自分のもの」というシンプルな原則があるだけだからだ。
 何かやろうとして、「どうしようかな、失敗したら馬鹿にされるかな、ほれみたことかと言われるかな」などという気持ちがわいてきたら、自分で自分につっこんでみよう。
 「お前は、李徴か!」と。
 「失敗をおそれるほど、たいした人間ではないだろう、何様のつもりだ!」と。
 やらずにする後悔は後を引くが、やって失敗した後悔は次へのステップに変わる。
 つまり挑戦することには、メリットしかない。

コメント
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