水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

わらしべ長者(2)

2022年10月19日 | 学年だよりなど
2学年だより「わらしべ長者(2)」




 その1、「お金持ちになりたい」と思ったら、観音様に訊け。
 その2、観音様の教えに、素直に従え。
 観音様から「最初につかんだものを大切にせよ」と言われて、最初につかんだものが一本のわらだったら、「これは違うよね」とノーカウントにする人の方が多いのではないだろうか。
 観音様のおっしゃったものは、もっと値打ちのありそうな何かのはずだ、と。
 もう気づいたと思うが、この昔話の「わらしべ」は象徴なのだ。
 別に他のものでもよかった。なんでもないもの、一見つまらないものであれば。
 まずは、教えに素直に従うこと。
 すると、一見なんでもないものに価値が生まれる。
 言い換えるなら、価値は事後的に決まるものであり、価値を産み出すのは自分、ということだ。




~ 若者は門から出るとすぐに転んでしまいました。 
 その時、一本のわらをつかみました。わら一本では何の役にも立たないと思いましたが、若者はわらを持って歩きはじめました。
 若者が歩いていると、1匹のアブが飛んできて、彼の顔の周りをぶんぶん飛び回りました。
 若者はそのアブを捕まえて、わらに結びつけて遊んでいました。
 すると、そのアブを見た子どもが欲しいと言いました。
 若者は、わらに結んだアブを子どもにあげました。
 そのお返しにと、その子どものお母さんは彼にみかんを3つくれました。
 若者は、わらがみかんになったと喜びました。 ~




 その3、アイデアを出せ、工夫せよ。
 その4、人にやさしく。




~ 若者が歩き続けていると、苦しんでいる女性と会いました。
「きゅうに差し込みがきて……。どうかお水を……」
 水を持っていなかったので、若者はその女性に水の代わりにみかんをあげました。
 女の人は、みかんを食べると元気になりました。
 お付きの女房が、みかんのお礼にと美しい布を若者にくれました。
 若者は3つのみかんが美しい布になったと喜びました。 ~




 「わらしべ長者」は、「上手い具合に交換を重ねてお金持ちになる話」というイメージで捉えられているが、若者は、楽して儲けようと思っていたわけではない。
 むしろ困っている人に自分の持っているものを惜しげもなく、与える。
 たまたまその見返りに何かをもらえたのだ。無私の贈与に近い。

コメント
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