2学年だより「わらしべ長者(3)」
反物を手にして、若者はさらに歩いて行く。そもそも彼はどこに向かっていたのか。
それはわからない。たぶん、歩き続けることが大事だったのだろう。
今度は、倒れた馬を前に途方にくれている男に出会う。
「どうしたのですか?」
「どうもこうもねえよ、動かないんだ。これから市場にいって、反物と変えてこなくちゃならねぇんだが」
「反物ならありますが、これでいかがですか」
「ほんとか、すまねぇな」
馬を手に入れたとはいっても、病気の馬だ。若者はその時点では決して得はしていない。
若者は懸命に看病した。一晩中面倒をみていると、朝には元気になる。元気になってみると、毛並みの整った実に見事な馬だった。
馬に乗って若者は旅を続ける。
ある大きなお屋敷の前を通ったとき、主人と思われる人から声をかけられた。
~ 「そなた。立派な馬に乗られているな。どうか、一つ頼みを聞いてくださらぬか。
私は、これから急に出仕せねばならぬ。しかし我が家の馬の具合がどうも悪くてな。
その馬を私に貸してはくださらぬか。そのかわりと言ってはなんだが、わしがいない間、この家に逗留していただいてかまわぬ。もちろん食事も用意させていただく」
「はい、どうぞ。おつかいください」
「ありがたい。恩にきます。おい、こちらの御仁が今日からお泊まりになられる」
はい、わかりましたと女中が返事をする。
「あ、この方は……」
奥から一緒に出てきた若い女性も、若者の顔を見て驚いた。
「父上、この方でございます。先日わたくしを助けてくださったのは」
「何、そなたが、娘の命を救ってくださった方か。これは観音様のお導きにちがいない。そなた、この娘を娶(めと)ってはくださらぬか。その馬を見ればそなたの氏素性は言うまでもない」 ~
こうして、若者は、その屋敷に婿入りし、後に当主となる。
素直に教えにしたがい、工夫し、出会った人にやさしくしながら、やるべきことをやり続ける。
お金持ちになるための教えは、そのまま勉強ができる方法に見えてこないだろうか。
夢を叶える方法だと言ってもいいかもしれない。
観音様に訊く、つまり知者に尋ねる(第一段階)の前に、教え0(ゼロ)もある。
「お金持ちになりたいと思え」つまり「志望校に受かりたいと思え」「夢を叶えたいと思え」だ。
まず「志を抱け」とも言い換えられる。昔から伝わるお話だ。
反物を手にして、若者はさらに歩いて行く。そもそも彼はどこに向かっていたのか。
それはわからない。たぶん、歩き続けることが大事だったのだろう。
今度は、倒れた馬を前に途方にくれている男に出会う。
「どうしたのですか?」
「どうもこうもねえよ、動かないんだ。これから市場にいって、反物と変えてこなくちゃならねぇんだが」
「反物ならありますが、これでいかがですか」
「ほんとか、すまねぇな」
馬を手に入れたとはいっても、病気の馬だ。若者はその時点では決して得はしていない。
若者は懸命に看病した。一晩中面倒をみていると、朝には元気になる。元気になってみると、毛並みの整った実に見事な馬だった。
馬に乗って若者は旅を続ける。
ある大きなお屋敷の前を通ったとき、主人と思われる人から声をかけられた。
~ 「そなた。立派な馬に乗られているな。どうか、一つ頼みを聞いてくださらぬか。
私は、これから急に出仕せねばならぬ。しかし我が家の馬の具合がどうも悪くてな。
その馬を私に貸してはくださらぬか。そのかわりと言ってはなんだが、わしがいない間、この家に逗留していただいてかまわぬ。もちろん食事も用意させていただく」
「はい、どうぞ。おつかいください」
「ありがたい。恩にきます。おい、こちらの御仁が今日からお泊まりになられる」
はい、わかりましたと女中が返事をする。
「あ、この方は……」
奥から一緒に出てきた若い女性も、若者の顔を見て驚いた。
「父上、この方でございます。先日わたくしを助けてくださったのは」
「何、そなたが、娘の命を救ってくださった方か。これは観音様のお導きにちがいない。そなた、この娘を娶(めと)ってはくださらぬか。その馬を見ればそなたの氏素性は言うまでもない」 ~
こうして、若者は、その屋敷に婿入りし、後に当主となる。
素直に教えにしたがい、工夫し、出会った人にやさしくしながら、やるべきことをやり続ける。
お金持ちになるための教えは、そのまま勉強ができる方法に見えてこないだろうか。
夢を叶える方法だと言ってもいいかもしれない。
観音様に訊く、つまり知者に尋ねる(第一段階)の前に、教え0(ゼロ)もある。
「お金持ちになりたいと思え」つまり「志望校に受かりたいと思え」「夢を叶えたいと思え」だ。
まず「志を抱け」とも言い換えられる。昔から伝わるお話だ。