今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

修士レベルは使えるか

2013年02月15日 | お仕事
大学院2年生の口頭試問と修士論文(以下、修論)評価を終えた。
これで今年度の教育業務は終了。
年度の残り1ヶ月半、ほとんど自分の時間として使えるのがうれしい。

今日の修論の話を先の心理学専攻の就職の問題と関連させると、
修論までの2年間で、学生の実力は飛躍的に向上する。

学卒ではほとんど企業の即戦力にならない今日、
修士出は理系だけでなく少なくとも心理系もデータ分析能力は使えるレベルに達していると思う。
もっとも、データ分析などまったく無用という会社には使いようがないが
(ちなみに、わが大学院の修了生は全員、臨床心理士を目指しているので、企業就職は考えていない)。

企業経験者として、残念に思っているのは、
会社員になった後、知性を高めるトレーニングから縁遠くなっている人が多かった。
いわゆる世間知には長けていくものの、論理性ではない別の”理屈”の世界、
組織内論理レベルの整合性・説得性を優先し、
近視眼的な採算性に翻弄され、中期的な利益を損なう(いや、この点は私立大学も同根か)。

企業人はわれわれ大学人を「世間知らず」と馬鹿にするが、
企業人も自分の狭い経験内の世間知の中に留まっていては、人のことは言えない。

企業人こそ、大学院での勉強が真に役立つかもしれない。
ステマっぽい締めになってしまった