今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

中国共産党の命運

2013年11月10日 | 時事
20世紀後半を生きてきた者として、
中国共産党と台湾に逃れた国民党のどっちが次の世紀に生き残るか、
なんて自明の理に思えていた(当然、共産党)。

ところが、今や、中国共産党の命運が尽きかけている。

思えば、前世紀末に、東欧から始まって共産主義国家が次々と瓦解し、
大本のソ連までが解体した。
その頃、同僚の政治学者が、政治学の授業で「ソ連はそう簡単に解体しない」と結論した
その直後の夕刊で「ソ連邦解体」の記事が出た。
当然、彼は自分の不明を恥じたが、「政治は一寸先は闇」なんだろう。

「共産主義」という20世紀を通しての壮大な社会実験が失敗に終わったのは周知の事実。
政治的に独裁で反民主主義(国民を抑圧)であり、経済的に破綻への道を歩んだ。
中国だけが例外的に経済的に成功したため、命が長らえた。
ただ、経済の成功は政治的独裁と原理的な矛盾を露呈させ、また貧富の差を拡大した。
さらに環境を悪化させ、とくに貧しい人たちに健康すなわち生命の危機をもたらしている。
「このままでは人民の不満が爆発して共産革命が起きる」という笑えない皮肉がひろまっている。

秦から明まで、唐を除けば、漢族の中国王朝(元と清を除く)の版図は今よりずっと狭く、
チベットとウイグル、それに雲南も内モンゴル(万里の長城の北)も外だった
(もちろん、中華王朝に国境概念は無かったが)。
共産革命時に、東トルキスタンとチベットの独立を潰して、これらを”内政問題”とした。
ソ連がロシア帝国以来領土にしていた中央アジア諸国を抱えたのと同じで、
帝国を継承しようとしたわけだ。

つまり、内政と民族問題の矛盾が限界点を越えつつある。
たて続けに起きた、”テロ”事件がそれを暗示している。

北朝鮮の金王朝が崩壊した方が、国民のためになると、国外の人は分っている。
同じことが中国共産党についてもいえる、
ということが、国内の人びとにも知れ渡ってきている。

中国共産党は、とりあえずは締めつけに躍起になるだろう。
国民の不満の矛先をそらすために、尖閣問題を取り上げて反日を煽っても、
それをきっかけに反政府暴動に結びつく流れを恐れるはず。

国内が大混乱になるのは、国民はもちろん、国際的にも望ましくない。
最後は、平和裡に国民に”大政奉還”してほしい。
そのためには、中国版ゴルバチョフ(あるいは第二の孫文)の出現が必要だが。

この記事は、中国本土では閲覧できないんだろうな。