今週から新年度の授業が始まる。
その英気を養うために、元気の源・温泉に入っておきたい。
名古屋から近場の(街中でなく、それなりに転地効果が期待できる)温泉といえば、三重の湯の山温泉が第一候補に上がる。
湯の山温泉まで奥に入らずとも、その麓(近鉄湯の山駅の近く)に今では汲上げ式の”新湯の山温泉”があり、
そこの宿「ウェルネス鈴鹿路」は、ビジネスホテル並の料金ながら、ちゃんとした2食付きで本物の温泉に入れるので、
温泉旅と意気込むほどではない、ふらりと温泉に浸かりたい時に丁度いい(設備の古さやサービスの簡略性などには目をつぶる)。
ここは鈴鹿山脈核心部の登山基地にも使え、下山後の一浴にも立ち寄れる。
新湯の山温泉は、泉質こそ薄い”アルカリ単純泉”だが、ラドンがそれなりに含まれているので放射能泉としても味わえるのを最近知った(今までこの地の泉質に興味がなかった)。
この宿の浴槽はすでに測ったので、近くの別の宿の風呂も”日帰り客”として利用すれば測れることにも気づいた。
そこで、”源泉かけ流し”を謳っている近くの「グリーンホテル」にチェックイン前に立ち寄ることにした。
このホテルは一泊15000円レベルのちゃんとした宿で、入浴だけなら670円。
階下に下りた風呂は、男湯では3号と4号の2つの源泉を使っており、それぞれ分析表が掲示してある。
見比べると3号泉の方が湧出量が多く、成分も若干濃い目だ。
なので3号泉のみ、記述対象にする。
源泉は深さ1000m以上の地下から汲上げており、泉温は49.5℃、湧出量は毎分500リットルもある。
浴槽への注入量は毎分67リットルで、加温・塩素殺菌はしているが、かけ流しである。
pHは8.6もあり、「アルカリ泉」に合格。実際、肌に付いた石鹸が落ちにくかった。
ラドンは1.62マッヘあり、0.09μSv/hに相当。
ここの湯も微量ながらストロンチウムが0.061mg入っている。
あとフッ素イオンが4.5mgあり、これだけで”温泉”に合格。
飲泉できるがフッ素がはいっているため、飲量が制限されている。
以上は、源泉の値。
実はこれらの値、宿のウェルネスの温泉の分析表とまったく同じ(そもそも宿が近接している)。
次に源泉の湯口からサンプルを取り、実際の浴槽の湯を検査する。
残留塩素は0mg,Mアルカリ度は180mg、pHは私が測っても8.6だった。
電気伝導度は713μS(38.4℃)で、宿にしているウェルネスの値とほぼ同じ。薄い単純泉なので、まぁこの値で納得。
酸化還元電位は+245mV(この値の評価は難しい)。
ついでに木の浴槽の上で空気中のγ線を計測したが、0.15μSv/hと名古屋宅と同じ(花崗岩の浴槽だと高くなる)。
かように、成分的には薄いが、源泉なので上がり湯をせずに、源泉が滲みたタオルで体を拭いた(水分を除きながらも温泉成分を肌に吸収)。
しばらくは体がほかほかし、ウエルネスの客室に入った後も、つけてあった暖房を消したくらい。
前期開始前の晩をこうして温泉で過し、明日の教授会から仕事モードに切り替える。