今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

心理学の拡大再編成

2015年03月21日 | 心理学

これからの心理学は新たなステージ、統合された段階に進むかもしれない。
従来の成果の統合だけではなく、新たな視点を加えることで、心理学そのものが広がり・深まる可能性を感じている。

まずはそのキーワードを列挙する(ワードの説明は省く)。
二重過程理論(システム1,システム2)、ヒューリスティック(行動経済学)、現象学(フッサール、メルロ=ポンティ)、エナクティブアプローチ(竜樹)、マインドフルネス(初期仏教、認知行動療法)、精神神経免疫学(ストレス)、存在論(ハイデガー)。

特徴として
①理論(原理)的であり、また実践(実用)的である。
②認知心理学、社会心理学、臨床心理学が理論的に統合(構造化)される→心理学がやっと1つの「学」になる。
③仏教哲学がベースの1つになっている:ただし仏教を宗教とは見なさず、学的理論として扱う(信仰を求めない)。
④心理学の限界を超えて、心と身体が統合された生身の人間が対象となる。

もう少し具体的に述べると(まだ構想を構造化していない)
●システム1(認知の歪み)の理解:自明視された心理現象(バイアス)への気づき。感情の現象学的理解(⇔神経科学、進化心理学的理解)。自己認識過程。

●システム2の高次化:現象学・エナクティブとマインドフルネスの統合。すなわち、自明性に曇った自然的・自然主義的態度でのシステム2ではなく、視界(意識水準)を最高度に明晰(クリアー)にする努力(行)を実践する。覚-行過程。

●心理学の限界の突破:システム2からシステム1への働きかけの試み。心身一如の理解と実践。自律神経を制御する呼吸-瞑想法から出発し、心的健康と身体的健康(免疫力)の増進。「在ること」への直視。

言い換えれば、仏教から現象学までを取込んだ認知行動療法の理論的・実践的深化をも意味する(私個人は臨床を目的としない)。

むしろ、最終的には、仏教哲学とハイデガー哲学が統合された究極の「存在論(有とは何か)」にまで達し、その原理を日々の生き方・行動に結びつけたい(ハイデガーを誤読してでも”本来的”に生きたい)。

正直言って、自分が興味あるあちこちのものをくっつけ合わせただけなのだが、それらが見事にくっつくことに気がついて、 ならばその作業をやっていこうと思ったのだ(なんと”作法”までもが関連する)。

ちなみに、私は大学時代、心理学に移る前は、仏教を専攻するつもりでいた(サンスクリット語も少々かじり、その時のテキストは因明学派の「刹那滅の論証」)。
そして仏教を去って心理学に向ったのだが、今になって両者が融合できるとは…。

構想がある程度具体化された