畑毛温泉(伊豆の国市)に泊った翌朝、
入浴三昧の昨日とは打ってかわって、今日はひらすら歩く。
まず泊った大仙家の正面に聳える畑毛温泉のシンボル・大仙山(167.2m)に登る。
ごらんの通り標高は低いが、タンコブのような岩山は、一度覚えれば遠くからでも見つけられる(右写真)。
宿から少し高みに上がるだけで、宝永火口を正面にした雪の富士が(山腹の宝永火口が中央に収まっているだけに)きれいな文字通り”富士型”をなしている(右下写真)。
左の背後には南アルプス南部の三千メートル峰が連なっている。
この風景を拝めただけでも来た甲斐があった。
逆にこの(銭湯の)絵のような風景を毎日見ている地元の人にとっては富士の存在感てどうなんだろう(普通の山に比べて存在感が有りすぎる)。
磨崖仏のある鉄製の朽ち果てた歩道の下の道に入ろうとしたら、鉄歩道の下にある鉄ポールの角に頭をぶつけて、自分がタンコブを作ってしまった。
それでもめげずに山頂に達し、祠のある石壇に上って大展望を満喫。
宿に戻って、ひとっぷろ浴びて汗を流し、チェックアウト。
一本道を南下して、国清寺に行く。
ここは、関東管領・上杉憲顕が再興した所で墓もある(この寺を訪れるのも今回の旅の目的の1つ)。
この付近は奈古谷(なごや)といい、北野武の映画「菊次郎の夏」に出て来たような(同じ静岡県内)バスの来ない”バス待合所”がある(右写真)。
北伊豆は、海こそないが、あえて山に登らずとも居ながらにして富士と南アルプス南部、箱根が一望なのがいい。
退屈そうな一本道(学校のある時だけバスの便がある)をひたすら歩くも、かように眼福の道行きだった。
やがて原木(バラキ)駅に着き、そこから三島に出て、熱海から東海道、いや上野東京ライン(小金井行き)で帰った。