極私的な本ブログであっても、この話題を素通りするわけには行きそうもない。
以前のここの記事と関連させると、またしてもナショナリズムの全世界的な流れが強まったということだ。→「グローバリズムからナショナリズムへ」
グローバリズム側からすると、愚行・反正義にしか見えないこの選択が、没落を仕掛けられている旧中間層からの反撃なのだ。
といっても私自身はトランプを支持していたわけではない。
ただ、クリントンが当選したら、がっかりしたと思う。
面白くないとう意味で。
「黒人初」に続いての「女性初」という売りには新鮮さがないし、それよりクリントン一家から二人目はいらないし、なにより民主党のくせにエスタブリッシュメントなんて(投票日前日のハリウッドセレブ総出演も逆効果だったような)…。
多くの人が指摘しているように、クリントンだから負けたともいえる。
もちろん、共和党の指名を勝ち取ったトランプ自身に票を集める力はあったが、それは共和党支持層というより、クリントンには託せない旧中間層のホンネに依っていよう。
もっともトランプの選挙中の言動は、その層に向けた感情に訴えるリップサービスといえるので、実際大統領になった場合は、やり手経営者としての顔に戻ることを期待する。
ちなみに「史上初」の新鮮さだったらトランプも充分資格がある。
政治経験・軍隊経験のないという点で(これがマスコミや経済界からみての弱みでもあり、一方、クリントン嫌いの有権者から支持された理由でもある)。
それにしても彼の勝利が決った日の日経平均の下がりっぷりには笑える
(その代わり金(gold)が一時的にハネ上ったらしく、金取引業者から、金を買わないかと電話がきた。一時的なトランプショックで上った時って買い時でなく、売り時でしょ)。
そして陰に日なたにクリントン支持だった日米マスコミも、まるでヒトラー政権が誕生したかのような狼狽ぶり。
まぁ、マスコミはエスタブリッシュメント(持てる者)側だしな。
中間層が没落すると経済的にも文化的にも国が衰亡するという危機感が、グローバリストにはないのが問題なのだ。
彼らは移民を安く使えばいいという発想なので。
この流れは早晩、日本にも届くことだろう。
なにしろ、日本の企業も利益を正社員にちっとも還元していないから。