気象庁の観測はじまって以来の東京の積雪(降雪も約半世紀ぶり)。
こういう異常事態は、正常な変動の範囲内というには、確率論的に躊躇せざるをえない。
ではその原因は何か。
現象の直接原因は、シベリアの寒気の南下である。
ではその南下の原因は何か。
テレビ局での解説を見比べてみた。
ある局は、偏西風の蛇行によるものとした。
なら偏西風の蛇行の原因は何かとなるが、その説明はなかった。
テレビ朝日(報道ステーション)では、温暖化が原因だという。
温暖化によって北極のバレンツ海の氷が溶けたことにより、極地の低気圧がより高緯度に移動し、そのせいで低気圧の南にあるシベリア高気圧が拡大したというのだ。
実は北半球の冬では北極よりシベリアの方が低温になる。
海と陸地の比熱の違いのため。
そもそもシベリア高気圧は、シベリア大地の低温が原因だ(地上の低温=重い空気=高気圧)。
シベリアの寒気が強くなることで偏西風を蛇行させたともいえる(偏西風は南北の温度差が原因だから)。
確かに理屈が合っている。
温暖化による寒冷化という逆説的な現象は、北極海の氷が溶けることによる海流変化によって起きると説明されている(それを映画にしたのが「デイ・アフター・トゥマロー」だが、あれではまるで氷河期だ)。
降雪には寒気だけではなく、湿気が必要で、湿気は暖気の方がたくさんもたらしてくれる(暖気の方が保水力がある)。
強い寒気がそれなりの湿気(暖気)とぶつかるところで降雪(降雨の冷却版)が起きるわけだ。