今回の千葉の大雨でまたしても死者が出てしまった。
千葉は台風19号では大きな被害を免れたとはいえ、その前の台風15号の風害が癒えぬ中での大雨で、まさに泣きっ面に蜂。
その中で特に気になったのは、冠水の中、車で避難しようとして浸水に遭って死亡した人がいる一方で、自宅にいて土砂災害で死亡した人もいたこと。
すなわち、道路が冠水した状態での避難はかえって危険である一方、家に居る事が危険である場合もあること。
この違いは、もはや個々の家ごとのレベルであって、地域に一律な自治体による避難情報では対処しきれない。
すなわち、避難判断の基準は、家ごとに異るため、個々の家で判断規準を設けなくてはならない。
自分の命は自分で守るのである。
そのためには、洪水ハザードマップだけでなく、土砂災害危険箇所が家の近くにあるか、家屋の構造(土台の高さ、2階があるか) 、家族に災害弱者はいるか、そして家から避難所までのルートの安全性(途中に橋や低地はないか)などの複合的判断が必要となる。
このようなチェックは、私は防災の授業で学生に課題としてやらせているが、そういう機会のない人は、せいぜいハザードマップの確認で終っているのではないか(それすら見ていない人は論外)。
それからあらかじめ決めておくべき避難ルートは、等高線のある地形図を参考にして、最短ルートではなく、橋や低地(沼)を迂回して、高台を選ぶこと。