幼稚園を卒園して4月から小学生となる姪(6歳)の春休みに、
我が家での卒園者恒例の”初登山”として、埼玉県飯能市にある天覧山(197m)に連れて行った。
恒例というのは、彼女の歳の離れた兄(甥)もその時分にこの山に連れて行き、
さらに姪・甥の父親である歳の離れたわが弟も、その時分に、この山に連れて行ったから。
ということで私にとっても、6歳児を連れての3度目の行事となる。
今回、今までと違うのは、私の方がどんどん年齢を増しているので、連れて行く相手が弟や子相当ではなく、”孫”相当になったのと、連れて行くのが女の子という点。
登る山は、ごく低山なので、私は問題はないが、地元では小学生が登る山なので、それに満たない6歳児ではちときつい。
6年間の人生の中で最大のハードワークであり、小学生になるために乗り越えるべき、でしゃばりの伯父が課した試練といっていい。
まず、飯能駅前でバスに乗り込むと、車内全部に「ヤマノススメ」のキャラのポスターが貼ってあるので、姪はそれに興味津々(残念ながら、私も詳しくは説明できない※〕。
※:主人公たちが最初に行った山が天覧山であることは知っている。
市役所前で降りて、道標に従い天覧山に向う。
最初は舗装道路だが、次第に山道になり、山頂直下は岩場になる。
山頂からの眺めはよく、足元の飯能市街はもとより、遠くは純白の富士から東京都心のビル群まで見える(今日はスカイツリーは見えなかった)。
実は天覧山だけだと、いくら6歳児でも軽すぎるので、奥に連なる多峯主山(とうのすやま:271m)にまで毎回足を伸ばす。
すなわち初登山がいきなり「縦走」となる。
天覧山頂から急な階段を下って、「マムシ注意」と看板のある広い谷地に下り立ち、「見返り坂」という単調な階段の登りとなり、一旦は平坦になるが、多峯主山直下は、天覧山の数倍ある露岩の急斜面で、鎖場もあり、未就学の子ではきつい(見守っていないと危険)。
でも弟も甥もこの斜面を登り、今回の姪も泣き言ひとつ言わず登りきった。
登りきった多峯主山頂(写真)は、標高が271mと高くしかも鋭峰なので、天覧山以上の眺めを得られるし、
テーブル・ベンチもあるので、昼食をとるにはこちらの方が適している。
2つあるテーブルの1つが幸いに空いたので、持参のソロ・ストーブ(商品名)で途中で調達した枯れ枝を燃料にして湯を沸かし、それぞれカップ麺を頬張る。
ソロ・ストーブでは燃やした木は炭を通り越して灰になるので、後始末が楽(ただしガスにくらべて燃焼に時間はかかる)。
下りは、林の中のゆるい本郷尾根の道を、6歳の姪とおしゃべりしながら歩く。
というより、この姪のおしゃべりは実母でさえ降参するほどだから、”女の子”としてではなく、この子の個性。
山を降りきって、姪もさすがに疲れをみせて、歩みが遅くなるが、おしゃべりは健在で、その調子で飯能駅まで歩く。
帰りの電車でも、眠ることなく(甥は眠った)、残ったお菓子を食べながら、会話が続いた。
私もそれなりに疲れた。