今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

居眠り中に椅子から落ちなかった訳

2021年03月25日 | 心理学

昨日、読書中に眠くなり、椅子の背もたれに寄りかかった状態で居眠りをした。
そうしたらバランスをくずして、椅子から落ちそうになったところでハッと目が覚め、いや目を覚まされ、反射的にバランスを取直して、落下から免れた。

目を覚まして我に返る、すなわち覚醒して作動する意識はシステム1※で、さらに自我が明確にこの状態を認識するのはシステム2である。

※心の多重過程モデル:”心”を以下のサブシステムからなる高次システムとみなすモデル
システム0:覚醒・自律神経などのほとんど生理的な活動。生きている間は常時作動
システム1:条件づけなどによる直感(無自覚)的反応。覚醒時に優先的に作動
システム2:思考・表象による意識活動。システム1で対処できない場合に作動
ここではシステム3以降は省略

言い換えれば、睡眠中の心は、システム1・2ともに作動停止状態(夢見ならシステム2は作動)で、作動しているのはシステム0だけとなる。

ということは、椅子からの落下を防ぐ反射行動をしたのはシステム0だ。
すなわち、システム0は意識のない睡眠中も、夜間警備員のように独力でチェックをし続け、そして必要があれば寝静まっていたシステム1・2を起こす。

自分自身が、意識下にあるこのシステム0(心の基底システム※)に見守られていることを実感した。
※:意識から独立して作動するシステム0を”心”の過程の1つと見なす根拠は、これが独自に情報処理をしているから(心=情報処理)。

日頃、”閉眼片足立ち”をして、システム0(体幹バランスの反射的制御)をトレーニングしているのも役立ったかもしれない。