以前、将来のNHLを背負って立つ有望な若手選手ということで、「ネクスト・ワン」と称された選手を10人ほど紹介したが、このコレクティブルは、その中の2人、セルゲイ・サムソノフとジョー・ソーントンの2人のジャージをあしらった「ダブル・ジャージ」と呼ばれるコレクティブルである。この2人は、現在サムソノフ30歳、ソーントン29歳とほぼ同じ年代の選手で、同じ1997年にNHLデビュー、しかも2005年まで同じチーム名門ボストン・ブルーインズのチームメイトとして活躍した。2005年にサムソノフはオイラーズに移籍、ソーントンもサンホセシャークに移籍したが、その後の2人は、明暗が分かれた形になっている。ソーントンの方は、その後も順調に活躍を続け、今もシャークスのポイントゲッターとして活躍している。これに対して、サムソノフは、1年でオイラーズを首になり、その後も毎年のようにチームを変わり、あまりパッとしない成績に甘んじている。これまでの通算獲得ポイントも、ソーントン800点に対して、サムソノフの方は400点台止まりである。サムソノフのプレーを最初に見た時、彼の流れるようなスケート技術に「これはすごい」と思ったのを記憶しているが、どうしたことだろう。2人の最大の違いは体の大きさである。サムソノフは177cm、ソーントンは195cmと20cm近い差がある。因みにソーントンのニックネームは「ビッグバード」である。NHLのプレ-スタイルが体力重視になっていると言われて久しいが、この2人の明暗をみるとそれが如実に表れているように思われる。