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リピート 乾くるみ
著者の作品を読むのは、かなり衝撃的な読書体験だった「イニシエーション・ラブ」(2008年1月25日紹介)に次いで2冊目だが、こちらも前作に劣らずすごい小説だ。読んでいる最中の面白さという点ではこちらの方が断然上だ。前作は最後の最後に「してやられた」という感じだが、本書は最初から最後までパワー全開で本の中の世界に引き込まれてしまった。それにしてもこの作者ほど、読者の心理を判っていて、それを上手に誘導していく作家はいない。読んでいて完全に手玉に取られている(あるいは取られた)という感触が、その面白さの根源にあるように思われる。帯に書かれた宣伝文句には、「リプレイ」+「そして誰もいなくなった」となっている。私は「リプレイ」という作品を読んだことも聞いたことも無いのだが、おそらく「時間ものSF」の傑作なのだろう。なお、娘に聞いたら、大学の友達にも「乾くるみ」ファンは多いそうだ。若者の読書離れと言われるが、面白い本はやはりちゃんと読まれているのだ。(「リピート」乾くるみ、文春文庫)
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アンディ・ロディック ウェア テニス
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