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フィル・リズート ユニフォーム MLB

NYヤンキースの戦前戦後の黄金時代を支えた選手の1人、フィル・リズートのコレクティブル。彼自身の生涯成績をみると、通算安打1588本、通算本塁打38本、生涯打率.277と、あまりすごさを感じないが、彼の背番号10は、NYヤンキースの永久欠番になっている。この数字上の成績と後の評価のギャップの理由としては、まず第1に、4年間の兵役による現役中断があるため、数字上の通算成績が少なくなってしまっていることがあげられる。実際単年度の成績をみると200本安打を記録するなど、打撃面での活躍が判る数字も随所に見られるのである。それから第2は、やはり何と言っても、ワールドシリーズ出場9回、うち優勝7回ということで、ヤンキースの黄金時代を支えた1人だったことがあげられる。巨人のV9戦士のようなものかもしれない。それから第3に、引退後にTV解説者となり、40年間ヤンキースの中継を担当したという、その知名度が考えられる。
さらに、なかなか殿堂入りを果たせない彼に対して、以前のチームメートが彼の殿堂入りを促すキャンペーンを行ったというエピソードを考えると、人格的にも優れた人物だったのかもしれない。
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荒野 桜庭一樹 

本書は「直木賞受賞第1作」となっているが、実際には、書かれた時期もその内容も今より低い年齢層を対象にライトノベルを書いていた少し前の時期のものだ。本人の弁では、3章からなる本書は、最初の2章はすでに刊行されたもので、最後の一章を最近書き下ろして付け加えたとなっている。モチーフは「ブルースカイ」の系統のような気がするが、文体はこれまた本書独特のものである。あたりまえのことかもしれないが、作者の文体の変化が、書かれた時期によるのではなく、内容によって変幻自在である、ということが判って面白い。内容的には、狙った読者層の年齢が低いということもあり、作者の作品のなかでは中くらいという感じだ。(「荒野」桜庭一樹、文芸春秋)
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